幻獣遁走曲: 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012823

感想・レビュー・書評

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  • 軽いタッチの短編集。日常の謎ですね。猫丸先輩というキャラクターにほっこりします。後書きを読むと作者の意図した消失という裏テーマがわかる。

  • 『アメトーク読書芸人2016』にてカズレーザー(メイプル超合金)が紹介。

    「倉知淳は"冷蔵庫が空にならないと仕事しない"と言われるほど書かない」ので「(紹介することによって売れたら)ますます新作がでなくなる」として「本当は紹介したくなかったんですよ〜」と言っていたが、それは芸人としての自分のネタ本を晒してしまうという思いが出たのではないだろうか?

    そう思うのは"ユーモアとペーソスを絶妙に配合しつつも、人間の悪意や無自覚な独善が周到に際立たさせられて"いる作風(佳多山大地の解説文より)がメイプル超合金の芸風に重なるなぁと感じたからだ(年の功も同じ頃合いだ)。

    なにより主人公である猫丸の飄々として掴みどころがない反面、鋭い洞察力と頭の回転の速さをもって悪戯ぽく周囲をかき回す様が(後書きでは桂枝雀に喩えられていたけれど)カズレーザーの印象と重なるのだ。


    84年生まれのカズレーザーにとって思春期に影響を受けた一冊なのではないだろうか?

  • 収録作品:猫の日の事件 寝ていてください 幻獣遁走曲 たたかえ、よりきり仮面 トレジャーハント・トラップ・トリップ 解説・佳多山大地

  • 読了。

    アメトーークの読書芸人の回でカズレーザーがオススメしてたので読んでみた。

    思っていたより軽い読み物で期待外れだったというか…。あら。こんな感じ?と拍子抜け。

    でも巻末の解説を読んで、テーマが『消失』だという指摘に、なるほどそういう読み方ができるかと思った。

    シリーズ物らしく、他の作品では殺人もあるようなので、そっちも読んでみようかな。
    (170226)

  •  猫丸先輩シリーズ。
     マンガでいくつか読んだことあるんだけれど、マンガで読んだことあるヤツは、今回収録されてませんでした。

     猫丸先輩のシリーズは、ライトミステリなんですね。
     今回の収録作品は、まぁおもしろいのもあれば、何かよく分かんないのもある…て感じかな。
     主人公キャラとしての猫丸先輩のちょっと変わった性格はともかくとして、それぞれの話に出て来る人が、それ以上に変な人なので、何か疲れるというか…。
     1話目「猫の日の事件」の轟部長があんな性格である必要性ないよね? みたいな。
     「トレジャーハント・トラップ・トリップ」の啓太の、松茸に対する凄まじい執念に、ドン引きするよね、みたいな。

  • 【備忘録】
    ・猫の日の事件
     指輪盗難事件
     燻した干物で猫を誘き寄せる
     猫同伴=ノット不審者
    ・寝ていてください
     治験のバイト
     看護師の動揺した行動
     バンド男は予定通り終了、帰宅しただけ、看護師の演技
    ・幻獣遁走曲
     アカマダラタガマモドキ確保
     ベースキャンプで小火事件
     ジジイのラブレター、ジジイ犯人
    ・たたかえ、よりきり仮面
     ヒーローショー、ヒーロースーツにガム
     子供、悪戯ではなく善意
    ・トレジャーハント・トラップ・トリップ
     松茸狩り
     松茸消失、犯人は茂美
     ダイエットのために松茸拝借

     
     

  • 先が読める話がいくつかあって残念。

    と、言いつつものすごい勢いで読み進めてしまった。

  • 倉知は長編の方がいい?
    3.5点

  • サブタイトルどおり、前髪ふっさり・一見小学生みたいな背格好の30過ぎの小男・猫丸先輩の、アルバイト記の推理短編集。基本的に面白そうなのは何でもやってみなきゃ損だ!という考えの持ち主なので、変なバイトばっかりやってるようですよ、猫丸先輩は(笑)

    キャットフード会社主催の猫コンテストのスタッフバイトをする「猫の日の事件」
    薬理治験のバイト「寝ていてください」
    ネッシーやツチノコなどの類の幻獣・アカマダラタガマモドキ探索隊員をする「幻獣遁走曲」
    スーパーのちまいアクションショーの敵怪獣の【中身】をする「たたかえ、よりきり仮面」
    マル得松茸狩りツアーの案内係「トレジャーハント・トラップ・トリップ」
    …以上5作品。

    どちらも解くのは凶悪犯罪ではなく、日常のちょっとした「消失」にまつわる謎ばかりですが、日常的だからこそ「ああ、なるほど」と思わせるモノがあります。反面、推理小説としては少々物足りない感があるのも事実ですが…
    個人的には「たたかえ、よりきり仮面」が好き。1番さわやかなラストだと思います。それに、子供向けアクションショーのスタッフの描写がすごく好きなんですよ。観客の来ないショーってホントに大変そう…。
    それにしても着ぐるみの陰干しを見た時の発想はすごい…!確かに子供って思いもよらない解釈するもんなぁ、と至極納得。

  • 猫丸先輩シリーズ。30過ぎだけど童顔で子猫のような目をした鉄腕アルバイター、猫丸先輩がアルバイト先で起こる小さなミステリーを解決していく短編集です。今回は殺人事件はひとつもなく、すべて日常の謎系のお話です。
    やっぱり猫丸先輩は面白い!30過ぎてるのに小僧呼ばわりされてたり、出会う人出会う人に「頭が足りないのかもしれない」と疑われたり、読みながらなんども吹き出してしまいました。
    猫丸先輩は人生を思いっきりエンジョイしているようで、見ていて気持ちがいい。猫丸先輩みたいに生きられたらいいなぁといつも思う。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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