レオナルドの沈黙 (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012991

作品紹介・あらすじ

「私は遠隔のこの地にいたまま、目的の人物を思念によって殺してみせる」降霊会の夜、霊媒師によって宣言された殺人予告と、その恐るべき達成。すべての家具が外に運び出された状態の家の中で首を吊って死んでいた男。密室状態の現場。踏み台にされたレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿本と鏡文字の考察。第二の不可能犯罪の勃発。そして読者への挑戦-。本当に犯人は霊媒師なのか、違うとすれば果たして犯人は誰なのか?"さかさま"尽くしの大胆不敵な事件に挑む美形の芸術家探偵・妹尾悠二の活躍を描いた、鮎川哲也賞受賞作家の鮮やかな本格探偵小説。

感想・レビュー・書評

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  • 芸術家の考える事は分からん…(°▽°)

    飛鳥部作品、どれも個性的だわぁ…!



    嬉しいのは、飛鳥部作品で初めて犯人が当たったこと。\(^ω^)/
    普通に読み進めていくと要所に違和感が…。

    ただ、その違和感に気付かずハマりこんでしまうと、推理するのは難しい…(^_^;)

    交霊会に集まった9人と霊媒師。
    霊媒を信じない皆に対し「この場にいながら私の思念によって人を死に至らしめる」と宣言。
    遠くに住むアーティスト枠井が首を吊り自殺。
    家財道具が全て外に出された状態の密室で、レオナルド・ダ・ヴィンチの豪華本を踏み台に。
    霊媒師が超能力により遠隔操作で殺人を犯したのだろうか…。
    さかさま尽くしの謎とは…?

    これシリーズなのかな。
    妹尾悠二シリーズ?
    調べてもよく分からなかった。
    芸術家探偵、妹尾悠二はかなり美形。また出てきて欲しい♡
    そしてこれまた美形の友人、巡査部長の影屋。
    語り手真壁も美形…。
    霊媒師も美形…。

    美形だらけです(^^;

    本格推理小説を意識していて、「ノックスの十戒」や「ヴァン・ダインの二十則」を語り、朋江が現代に適応した「探偵小説作法十三箇条」なるものを挙げている。
    これはおもしろい!

    ミステリにおいてこれらを言及する話題をよく振っている飛鳥部作品。
    アリかナシかのキワを攻めてくる作品が私の好みにマッチするのです。

    ネタバレしていいのなら「ここのこういう部分が好き!」と挙げるのに…くっ。

    賛否あるかと思いますが、やはり好きです。
    クセになる。

    次は「鏡陥穽」《かがみかんせい》読みます\(^o^)/♡

  • 今作は探偵小説という趣が全面に押し出されているため、いつものような気の違った登場人物たちは鳴りを潜めています。とはいえ十分変わった人物ばかりなのは間違いないのですが……
    遠隔殺人、しかも家の中の家具がすべて外に出されてるといった謎は強烈ですが、真相を知ってしまうと脱力するかもしれません。それでも第2の殺人で使われたトリックは、飛鳥部勝則らしさ爆発ですし、最後に明かされるアレ的な仕掛けも面白いと思います。
    それにしてもなんだあの頭の悪い読者への挑戦状は……すばらしい……

  • 一章を割いて本格探偵小説の作法に言及したり「読者への挑戦」を差し挟んだりと、いにしえのスタイルを踏襲してみせる。ただ、フェアな挑戦を標榜しておきながら一部アンフェアすれすれな箇所はあったように思う(もちろんヒントは提示されているので受け止め方次第だが)。とはいえ本文の読みやすさも手伝ってさくさくと読み進められたのは良かった。

  • またLeonardo da Vinciじゃないですか(´□`)どんだけ好きなんだ(笑)謎解き探偵小説☆やっぱ挑戦状付はいーょねぇ。これは初心者向けだなぁ。丁寧に読めば犯人は必ずわかると思う。ストーリーもバランスよくて面白かった。

  • これも伏線がどうだとかいう理由で読みたいです。
    有名ものばかりかと思ってましたがコレ、マイナーなのかな?
    それはそれで興味をそそる。

  • 心情的には、ナシ。
    だけどミステリ的には、特にズルはしていない作品。

    しかし、反則ぎりぎりすぎて、あまりフェアじゃない気がする。
    伏線もちょっと無理やりっぽい気がするし、偶然に起こった出来事に対する妹尾の解釈もちょっぴり、きつい。
    叙述を見破るためのとっかかりも少なすぎる気がする。

    あまり「王道・真っ向勝負」ではないミステリ。
    ボールぎりぎりで投げてくる球のように取りづらい感触だった。

    感情的なことを言えば。
    わたしは・・・・・が結構すきだったのになあ。

  • 「読者への挑戦」つき。よくよく考えれば犯人は分かるかなあ……具体的には分からなくとも、「ひっかかる」記述には案外気づきやすいんだこれが(とはいえ実際見抜けたのは半分くらい)。事件が「さかさま」にされていた意味については分からなかったな。タイトル「レオナルドの沈黙」の意味は、なかなかに皮肉。
    あんまり語るとネタバレしそうだけど……「読者への挑戦」自体にやられた気がする。すべて読み終わったあとにもう一度「読者への挑戦」を読み直すことをお薦めします。実はめちゃめちゃヒント出まくってたんだよねえ。再読して、納得。

  • どこまでも黄金期本格を踏襲したように見える。探偵の造詣といいオカルト的な事件の様相といい、どこまでもオマージュ、悪く言えばコピー。
    ただまあ自分はまんまと騙されてしまった。大分読み込んでいると思うんだけどなぜこうも引っかかるのか。先入観を排除すれば犯人は一人しか考えられないのだけど、全く気づかない自分がちょっとむなしい。
    クラシカルでオーソドックスなフーダニットを求める人にオススメ。だけどそういう人ほどすぐに真相が分かって退屈かも。

  • <A target="_blank"HREF="http://blog.livedoor.jp/sumegami_taito/archives/7207168.html">読書系Blog『もう1人じゃない! 〜読書オンチな君と僕〜』の本書紹介記事</A>

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