薔薇の名前〈上〉

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488013516

作品紹介・あらすじ

迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。バスカヴィルのウィリアム修道士が事件の陰には一冊の書物の存在があることを探り出したが…。精緻な推理小説の中に碩学エーコがしかけた知のたくらみ。

感想・レビュー・書評

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  • いい加減にしろ!矢沢透このヤローォォオオ!!


    冒頭から取り乱してしまいました
    もし不快に思う方がいらしたら謹んでお詫び申し上げます

    しかしながら今私が病の床にあることを知れば幾ばくかの憐れみを持ってお許し頂けるのではないかとも思うのです

    きっかけは本作『薔薇の名前』の土瓶氏のレビューでした
    正確を期するために氏のレビューをそのまま引用させて頂くこととします

    「いろいろな冠がこの本にはある。
    その中でも、このミステリーがすごい キングオブキングス 海外部門の第1位!」

    そうです、このレビューを目にして以来私の頭の中で伝説のバンド、アリスの名曲『チャンピオン』の一節でドラマーの矢沢透が渋い声で静かに放つ「ユアキングオブキングス」が延々と繰り返される“奇病“に侵されてしまったのです!

    朝起きると「ユアキングオブキングス」歯を磨いてるときも「ユアキングオブキングス」車を運転していても「ユアキングオブキングス」仕事中も「ユアキングオブキングス」
    果てしなく続く「ユアキングオブキングス」
    「ユアキングオブキングス」無限ループ地獄です

    そしてその道の専門家たる信頼する医師によると(明確な治療法は発見されていないものの)あるいは本作『薔薇の名前』を読了することで治癒することもあるのではないかとのことでした

    そこで私はその助言に従い予定を大幅に変更して『薔薇の名前』を読み始めたのでした

    しかしながら上巻を読み終えた現時点では、この“奇病“は回復の兆しをみせるどころか
    谷村新司ソロバージョンの「ユアキングオブキングス」
    堀内孝雄ソロバージョンの「ユアキングオブキングス」を加え三者三様の渋い声の「ユアキングオブキングス」が頭の中で繰り返される事態となってしまったのです

    果たしてこの“奇病“は完治するのか?!
    そして北イタリアの修道院に隠されたアリス解散の真実とは?!

    下巻に続く!!(話変わってきてるよ!)


    (元ネタがわからない子はユーチューブ検索してみてね!きっと同じ“奇病“にかかるよ!伝染病だから)

    • 土瓶さん
      「ゆ~あ~きんぐおぶきんぐ!」×10
       
      来ましたね。ひまわりめろんさん。
      さすがに読まれるのが速い。
      イタリア修道院にどっぷり浸か...
      「ゆ~あ~きんぐおぶきんぐ!」×10
       
      来ましたね。ひまわりめろんさん。
      さすがに読まれるのが速い。
      イタリア修道院にどっぷり浸かって下さい(笑)
      2022/06/24
    • ひまわりめろんさん
      まことさん
      こんばんは!

      そうなんですよ!アリスかっこいいですよね!

      「帰れるんだ」上手いこと言いますね!しかし帰ってきた先にはライララ...
      まことさん
      こんばんは!

      そうなんですよ!アリスかっこいいですよね!

      「帰れるんだ」上手いこと言いますね!しかし帰ってきた先にはライラライ無限ループが待ってたりしてw
      2022/06/24
    • ひまわりめろんさん
      土瓶さん
      こんばんは

      読み終わりましたよ!
      そして衝撃の真実が!!(前にもやったことあるのでバレてる思いますが…下巻のレビューに続く)
      土瓶さん
      こんばんは

      読み終わりましたよ!
      そして衝撃の真実が!!(前にもやったことあるのでバレてる思いますが…下巻のレビューに続く)
      2022/06/24
  • 「手記だ。当然ながら」
    意味深長な言葉からはじまる本作。作者のウンベルト・エーコ(イタリア、1932~2016)は細かいディテールと場面設定にこだわる世界でも屈指の作家で、冒頭から読者を悩ませたり泣かせたりします。私もおおいに泣いたし、今も泣いている(笑)。でもそこで放り投げてしまうのはちょっともったいないのです、はい。

    なんといっても本作は、飛行機や自動車といった高速移動に慣れた現代人の時間感覚から、馬やロバの歩みの時代に合わせるような筆致ではじまります。おそらく忍耐を欠き、イライラと急いて文章やページを飛ばそうとする読者を、エーコはニヤリと笑って見ているようです。ちょっぴり悔しいので、脳内テンポを修正し、冒頭の数十ページを馬上の主人公ウィリアム修道士とその弟子アドソの歩調にあわせてみます。すると徐々に視界はひらけ、あやまたず物語の扉はひらき、うっすら光がさしこんできます。
    ――叩けよ、さらば開かれん!

    ***
    1327年11月、舞台は北イタリアの山あいに建つ由緒あるベネディクト会の僧院。そこでおこった驚愕の7日間を回想して手記にしたベネディクト会のメルクの老僧アドソ(メルクは現在のオーストリア)。当時16,7歳の見習い修道士だったアドソを導く師匠は、フランチェスコ会のバスカヴィルの修道士ウィリアム。この僧院で数日後におこなわれる教皇使節団との和平会談を成功させるため、隠密に派遣されたのが皇帝派のウィリアムです。

    ところが、到着早々に不可解な修道士の死に巻き込まれます。このふたり、まるで英国探偵シャーロック・ホームズとその相棒ワトソンのよう。ヨハネの黙示録をなぞるような猟奇的殺人事件の犯人を探し求めていくわけですが、この小説のおもしろいところは、読む人によっていろいろな見方ができる万華鏡のような本であることです。よわい五十を超えたウィリアムとアドソの、父と息子のような厳しくも温かい関係をながめているうちに、『神曲』のダンテとウェルギリウスの素敵な師弟関係が私にはしっくりなじんで心地いい♪

    思えば1300年代のイタリアは、ダンテやボッカッチョ、詩人ペトラルカといった人々が活躍する激動の時代です。神聖ローマ帝国とローマ・アヴィニョン教皇の激しい対立、ラテン語から民衆のイタリア語へ、まるで漢語からひらがなへと転換していく平安末期のよう。そんな言葉の変遷もあいまって、人々の文化や価値観や宗教観の変遷、ほどなくして花開くであろうルネサンスの先駆けともなる混沌とした時代です。そんな時代背景をみると、仕掛けは万全、もう何が起こってもおかしくはない!

    しかも作者エーコは、アルゼンチンの詩人ホルヘ・ルイス・ボルヘスをいたく敬愛していて、この作品でもキーパーソンとなる老僧ホルヘは、盲目の図書館長として君臨する僧院の陰の実力者。エーコの遊び心に思わずニヤリ。もちろん天を仰ぐような僧院の図書館!それはまさに『バベルの図書館』だあ(^o^)

    「書物はしばしば別の書物のことを物語る」

    ギリシャの喜劇作家アリストパネスやルキアノス、そしてアリストテレス『詩学』、そこへ聖書も絡めたミステリー仕立てのおもしろさ、でもそれだけでは終わらない。中世の細密画のようなディテールの細かさと美しさ、子どものような遊び心にマニアックなこだわり、ただただ驚嘆します。

    ミステリーでもあり歴史小説であり、当時と今を繋ぐ人間の性、普遍性、ユマニズム…ある種の哲学でもあります。また異端思想をもつとされる人々への拷問、火刑、烙印押し、神の名と強大な教会権威による異端審問、焚書(隠ぺい)、社会的弱者の平信徒とそれを利用する権力者、敬虔と狂気の紙一重の関係、ユーモアや笑いは妄執・狂信の解毒剤となり……。

    「わたしは記号の真実性を疑ったことはないよ、アドソ。人間がこの世界で自分の位置を定めるための手がかりは、これしかないのだから。わたしにわからなかったのは、記号と記号とのあいだの関係性だった」

    次々におこる事件を追いながら、読む人それぞれがテーマやお宝を発見して楽しむことができる、とてつもない器量の大きい作品だと思います。再読しても楽しめる豊かな作品で、世界中でロングセラーになる理由がわかる気がします。難解なところもありますが、ミステリー仕立てなのでおもしろく、翻訳はイタロ・カルヴィーノやパヴェーゼも手がけている素晴らしい河島氏です。
    興味のある方にぜひぜひお薦めします♪

    ***
    余談ですが、いきなり本から入るのはちょっと……と思われる方は、映画『薔薇の名前』から入ってもいいかもしれません。
    なんとショーン・コネリーがバスカヴィルのウィリアムを演じています。「007」みたいな修道士だったらどうしよう……とハラハラしましたが、いや~さすがの役者に惚れぼれ。当時15歳だった可愛いクリスチャン・スレーターを弟子にして、4年の歳月をかけたしっとり美しい仕上がり。
    エーコのオリジナル作品とはすこし違うものになっていますので、観たあとはぜひ本の世界へ(^^♪ 2020/1/31

    • nejidonさん
      アテナイエさん、こんばんは(^^♪
      いつも乍ら読み応えたっぷりのレビュー、堪能しました。
      この本、学生時代夜を徹して読みふけったのです。...
      アテナイエさん、こんばんは(^^♪
      いつも乍ら読み応えたっぷりのレビュー、堪能しました。
      この本、学生時代夜を徹して読みふけったのです。
      いやもう、その複雑怪奇で奥深い世界、香り高い文体、摩訶不思議な教会というものに夢中になりました。
      ちょうどキリスト教から離れつつあった時期でもあり、特に印象に残ってますね。
      ドストエフスキーの「悪霊」は途中で放り出したのに(笑)これは読みました。と言うより止められなかったのです。
      今これを読もうとしたら、ゆうに半月はかかるかと。
      映画は本のあとで見た覚えがあります。
      あれれ?だいぶ違うぞ。でもクリスチャン・スレイターが可愛いぞ、という記憶です。
      懐かしさについコメントしたのですが、レビューを読んだら再読したくなってしまいました。さあ困ったぞ。。
      2020/01/31
    • アテナイエさん
      nejidonさん、こんにちは! 
      レビューをお読みいただき、また楽しいコメントもいただき嬉しいです。ありがとうございます(^^♪ とって...
      nejidonさん、こんにちは! 
      レビューをお読みいただき、また楽しいコメントもいただき嬉しいです。ありがとうございます(^^♪ とっても面白いけれど、あまりにも滋養ありすぎる本で、文字にするには困惑してしまう作品の一つです。言葉にすることができないのであれば、もはや沈黙する
      しかないのですが(笑)、先日エーコの対談本を読んで、久しぶりにエーコ本を再読したくなりました。俄然おもしろかったので書いてみました。nejidonさんは学生時代に読まれたようで凄いですね。私は社会人になったころにはじめて読みましたが、サスペンスとしてのおもしろさがあったものの、さほど余裕もなくて作者に泣かされた記憶です(笑)。今回はより楽しむことができました。でもまだまだお宝が埋もれている気がしますので、しばらくしたら読んでみようと思っている本で~す♪
      2020/02/01
  • Il Nome della Rosa(1980年、伊)。
    著名な哲学者の書いた処女小説にして、世界的ベストセラーとなった傑作ミステリー。

    …14世紀初頭、欧州。
    長期に渡りカトリック教会を、ひいては欧州社会を牽引してきたベネディクト会の優位に影がさしつつあった。
    清貧論争をはじめとする異端論争。
    のちに近代科学へと繋がる新しい思想の出現。
    そして、俗世の新興勢力の台頭…。
    そんな中、イタリアの某僧院で、修道士が次々と奇怪な死を遂げる事件が発生する。ヨハネの黙示録になぞらえたかのような猟奇的事件に、フランチェスコ会の修道士ウィリアムと、その弟子アドソが立ち向かう。……

    ホームズ&ワトソンを彷彿とさせる、探偵と助手のコンビ。孤立した修道院というクローズド・サークル。ヨハネの黙示録になぞらえた猟奇的殺人は、童謡になぞらえた殺人を描いたアガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』や、ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』を連想させる。

    ミステリーファンを満足させる本格推理小説の形式を踏襲しながら、しかしこの小説の真価は、ミステリーの枠にとどまらないテーマの多層性にある。この作品を存分に味わうためには、作品そのものを読む前に、どれほど多くの教養書を手に取り、読み尽くさなくてはならないことだろう! 聖書は当然のこととして、中世ヨーロッパ史、思想史、科学史、美術史、哲学、神学、文学などなど。絢爛たる学術的知識が盛りこまれた、非常にペダンティックな作品なのである。(下巻へつづく)


  • 14世紀の中世が舞台
    見習修道士だったアドソが当時の出来事を振り返りすっかり年老いた今、ラテン語で当時を綴る…という洒落た設定
    手記として残した7日間、各一日が典礼時刻に合わせ区分されている

    7日間の出来事、それは北イタリアの修道院という特殊で閉鎖された環境で連続殺人事件が起こるのだが…
    これを修道士ウィリアムが事件現場の修道院長に解決を依頼され、シャーロック・ホームズ的に事件に立ち向かう(ワトソン役はもちろんアドソ)
    ウィリアムは対立する教皇側と皇帝側の間を調停するための密使として派遣された気持ちの良いほどのキレ者
    知力と論理的思考を惜しみなく発揮してバッサバッサと解決を試みていく

    後のアドソは「書物と共にあって、書物によって生きている人びとのあいだに起きた事件」としている
    なぜならば鍵を握るのが修道院の文書館のある1冊の書籍だからだ
    この修道院は世界最大のキリスト教文書館(今でいう図書館)があり、最上階の文書庫は立入禁止になっている
    ここは異形の建物で、仕掛けのある迷宮だ
    自分がどこにいるのかわからなくなるというミステリアスな場所
    本書の中に平面図があるのだが、ここに付箋をつけて読むのがおススメだ
    七角形の部屋が4部屋、窓のない部屋が…とこんな描写が続くので想像力が止まらない

    これだけでも十分ミステリーとして楽しめる
    ミステリー仕立てであるものの、ハッキリ言ってミステリーは二の次でいいんでしょ、エーコ様…
    エーコ様の中世研究者としての知識がさく裂する
    複雑奇怪な内容をエッセンスにしているが、本書に仕掛けた数々の知と教養、歴史背景、社会情勢をご覧あれ…(背景がわからなくてもキリスト教社会やそれに絡む出来事にたいする強い主張を感じることができる)

    前知識として以下がわかればだいぶ楽に読める
    (あくまで個人的見解)

    この本の14世紀っていつよ
    11~13世紀がキリスト教最盛期、教会が絶大なる力を持ち、皇帝と教皇の争いの時代にあたる
    (ちなみに有名な「カノッサの屈辱」ハインリヒ4世×グレゴリウス7世の時代は11世紀)
    本書にあたる14~15世紀はキリスト教の衰退期
    皇帝と教皇の争いは引き続くのだが、この頃は本来の意味から離れ、都市間の争いや、派閥抗争だった模様
    さらにいうと、フランス王は教皇庁を南フランスのアヴィニョンに移し(「ローマ教皇のアヴィニョン捕囚」)、以後約70年にわたってそれをフランス勢力下におき、その間の教皇はすべてフランス人という異常な事態を引き起こした
    この時のローマ教皇はフランス人ヨハネス22世であり、悪しき者としてエーコは結構ハッキリ描いている

    修道院について
    抑えておきたいカトリック修道院
    ■ベネディクト会…古参のお金持ち修道会(本書でいう事件現場)
    ■フランシスコ会(ウィリアム所属)とドミニコ会は新参の清貧を旨とする修道会

    フランチェスコ(フランシスコ)修道会が皇帝と結びつくのだが、この修道会は「清貧に関する厳格主義派」で、「富を拒む」という姿勢
    またこの「清貧論争」から異端論外が発生していく…
    といってもこじつけが多くハッキリいって権力争いに巻き込まれていく…と解釈しても差しさわりがない気がする
    この辺りはややこしい上、それぞれの思惑が複雑に絡み合うため、理解しきれない(泣)
    ちなみにウィリアムは元異端審問官(バランスの取れた判断が高く評価されていた)であった

    この「異端」や「派閥」に対する問題が非常に難しい
    何を以て異端なんだ…
    もちろん信仰深い敬虔な信徒だって多くいるのだろうが、なんせ野望と権力・派閥争いの下心アリアリ権力者が「異端」を振りかざして好き放題しているようにしか思えない
    この時代のキリスト教に対する深い深い考察をしたエーコの思いや考えがガッツリ顔をのぞかせる
    ここは日本人にはなかなか馴染みがないので詳しくない(私のような)人間にはピンとこないのだが、わからないなりに実に興味深いのです
    信仰って、真実って、神って…と考えさせられる

    ちなみに難しくない話しで時代を感じるのは
    「老眼鏡」や「方位磁石」がなにこれ?凄い!という時代です


    あとこの辺りの知識があるとベターかなぁ

    ヨハネの黙示録、アリステトテレス詩学、ホルヘ・ルイス・ボルヘス

    遺体発見の場は「ヨハネの黙示録」に描かれた世界終末の描写と酷似しているから

    「笑い」について
    アリストテレスの書物を引き合いに
    善きものとするウィリアムと
    虚偽の文句を使うのを悪しとし、反対するホルヘ

    で、ホルヘのモデルは
    エーコが影響をうけたと言われるホルヘ・ルイス・ボルヘス
    ボルヘスはアルゼンチンの国立図書館の館長で、盲目となった人物で、さらに「迷宮図書館」を主題とした作品がある
    (気になるけどなかなか難しそうである いつか挑戦)

    さて本書でもっとも人間の感情に迫ったと感じた内容がアドソの恋(なんでしょうけど、ブツブツ)
    年少の頃、敬虔であるにも関わらず異端と言われ、火刑されたミケーレの死
    「死の陶酔」と感銘を受けたのだが、これと同じ感覚に陥ったのが、恋に落ちた女性との経験というアドソ
    本来はかけ離れた現象であるのに、同じ言葉を用いることがある…と後に解説

    喜びは炎となり、炎が死となり、死が深淵となって、深淵が破滅となり、破滅が失神となって、失神が情念となる

    この辺りの描写は凄いです
    はい
    何ページもに及ぶアドソの考えと感情が文章になって波打ってくる
    高波に襲われそうになるし、時々渦潮に飲まれそうになったりもする…

    ミステリー、歴史小説、神学、言語文学、科学、哲学…
    あらゆる分野が満載でエーコ様の教養深さを見せつけられ、もうそれに触れるだけでも読む価値のある書籍である

    彼の凄いところはこの知力に負けず劣らずのユーモアのセンス
    これがないと読者はついてこれないことを知っているかのよう
    読者はまんまとエーコに乗せられているのだ
    このセンスの良さは、ユーモアにとどまらず…
    あらゆる教養と知識においても発揮されており、まぶしいほど!
    溢れ出す言語、言葉に飲み込まれながら(溺れそうなほどだ)、想像力を掻き立てられる数々の仕掛け、
    描写の緻密さ…
    さらには人間の本質にもググっと迫る
    あらゆる立場の人間の心の葛藤、揺らぎが描かれる
    完璧にさえ見える元異端審問官であったウィリアムさえも…
    さっきのアドソの心の葛藤なんかすごいんだから
    罪を犯したアドソの懺悔と素直な心の描写は一体何ページに及んだことか…

    教養があればもっともっと楽しめるだろうが、私程度の人間でも置いてきぼりを食らわずに済むような計算までしてある(気がする)
    が、読み込もうと思えばどこまでも奥深く読むことができる
    とにかく誰が読んでも、どんな知識の人間が読んでも、その各レベルと立場で楽しめるよう
    すべて計算づくなのではないか…思ってしまうほどだ

    先に映画を観ないと理解できないかとも思ったが、意外と読めた(気がする)
    もちろん完全な理解からは程遠いがストーリーを追う上では問題はない
    また先入観無で読むのも想像力を掻き立てられて面白い

    …なのだが
    が、しかし

    なんかそれだけじゃあもったいんだなぁ
    本の価値の半分以下な気がしちゃって…
    結局2回続けて読みました(笑)

    ショーンコネリーが大好きなので早く映画を観たいものだが、その前に下巻へ

    • アテナイエさん
      ハイジさん、こんにちは!

      おぉ~きましたね!! 素敵です、ハイジさん、エーコのこの本、ほんとおもしろいですよね(^^♪ それにしてもす...
      ハイジさん、こんにちは!

      おぉ~きましたね!! 素敵です、ハイジさん、エーコのこの本、ほんとおもしろいですよね(^^♪ それにしてもすごいです。2回続けて読まれたくらいですから、よほど楽しかったのでしょうね。

      冒頭、時代背景になじむまですこし忍耐が必要だった記憶のある本ですが、はまったら止まらなくなりました。
      この小説の醍醐味はたくさんあるけれど、なんといってもバベルの図書館、いやちがった、教文書館です。エーコの書物愛がほとばしっています。彼は実際に貴重な書物のコレクターのようで、それも何万点という膨大な数らしいです。
      書物が別の書物を呼ぶ、という彼の言葉も心に沁みます。

      映画は別の作品になっていて、これもしっとりとした芸術性の高い仕上がりだとわたしは思います。でもやはりオリジナルを先に楽しまれてからのほうが断然いいと思います。

      下巻レビューも楽しみにしていますね!

      2023/03/22
    • ハイジさん
      アテナイエさん こんにちは
      コメントありがとうございます!

      そうなのです
      最初は「一寸先は闇」…状態で不安でしたが、急に霧が晴れ視界が開け...
      アテナイエさん こんにちは
      コメントありがとうございます!

      そうなのです
      最初は「一寸先は闇」…状態で不安でしたが、急に霧が晴れ視界が開けました!
      登山と似てました(笑)

      書物が書物を呼ぶ…
      なるほど
      説得力がありますね!
      私はキリスト教とその背景の歴史が非常に興味深かったです

      アテナイエさんのレビューはピリッと締まっていて素晴らしかったです!

      では下巻も楽しみたいと思います!
      2023/03/22
    • アテナイエさん
      ハイジさん

      登山ですね。なるほど、おそらくエーコのこの山に下山はありません。ひたすら上りです(笑)。

      >なんかそれだけじゃあもっ...
      ハイジさん

      登山ですね。なるほど、おそらくエーコのこの山に下山はありません。ひたすら上りです(笑)。

      >なんかそれだけじゃあもったいんだなぁ
      本の価値の半分以下な気がしちゃって…
      結局2回続けて読みました(笑)

      ハイジさん、かわいい、おもしろいです(^^♪
      1回でも楽しければ十分にもとをとってますよ。それを2回ですからね。すごいな~。わたしも久しぶりに読みたくなってきました。

      ハイジさんはキリスト教とその背景の歴史に興味がおありのようですね。この本はほんとに読む人にあらゆる扉を開いてくれる本で、びっくりします。わたしはときどき泥沼にはまったりしますが、きっとハイジさんならエーコの「笑い」とともに下巻末まで駆け抜けてくれるでしょうね! ととと、あまりプレッシャーをかけてはいけませんでした。すみません(笑)

        

      2023/03/22
  • 感想は下巻に。
     
    あーーー疲れた。

  • 色んな読み方がある「開かれた」本のようだから、ある程度は難しいなと思わしきところはスルーしたって本筋は追えるが、老婆心的に(高校世界史レベルで拾える)事前に調べておけば"読み進めやすくなる知識"を以下に書いておきます。

    ・14世紀(中世後半)の欧州は(十字軍の失敗もあり)ローマ教皇の権威がぐらついた時代。教皇庁はフランスのアヴィニョンに置かれている。「教皇のバビロン捕囚」について調べておくとよい。
    ・神聖ローマ帝国(ドイツにある)と教皇は対立関係にある。イタリア(統一国家ではなく都市を単位に国家が乱立している)では教皇派・皇帝派が長らく争っている。「イタリア政策」について調べておくとよい。
    ・ルネサンスがフィレンツェにて先行的に始まった時代でもあり、作中でも『神曲』のダンテについて言及されている。なおダンテは先のローマ教皇と政治的に対立している。
    ・十字軍の盛んだった12世紀以降、イスラーム諸国の文献が欧州に輸入された。この事は自然科学の発達や、ギリシア哲学の「再発見」を促した。作中で「アクィーノのトマス」として度々言及されるトマス・アクィナスはアリストテレスの哲学と神学の調和を図った。同じく作中で言及されるオッカムのウィリアムも併せて「スコラ哲学」を調べておくとよい。
    ・作中に出てくる「修道会」のうち、ベネディクト修道会とクリュニー修道会は、14世紀時点ではそれなりに古参。探偵役のウィリアムが属するフランチェスコ会や異端審問に熱心とされたドミニコ会は「托鉢修道会」と呼ばれる。
    ・何度か出てくる「ソドムの罪」(ソドミー)とは、男性の同性愛のことで、旧約聖書でソドムの街が「みだらな行い」により神の怒りに触れ、滅ぼされた話に由来する。
    ・同じく何度か出てくる「黙示録」は、世界の終末について記載された新約聖書の章

  • 『バウドリーノ』『前日島』『フーコーの振り子』と新しいほうからエーコを遡ってきて、ようやく小説第1作目の『薔薇の名前』に挑戦。1987年の映画はテレビでやったときに見たと思うのだけど、僧服を着たショーン・コネリーとクリスチャン・スレータ―が中世の僧院でなんかやってたなあという漠然とした印象しか残っていなくて、オチは覚えていなかったので素直にワクワクしながら読み進める。

    14世紀初頭、北イタリアのベネディクト会修道院。ある任務のために訪れたフランシスコ会修道士のウィリアムと、その弟子でベネディクト会の見習修道士アドソ。この○○会とか○○派とかの同じキリスト教の中にある派閥や異端、教皇庁と皇帝の関係などが実は複雑に絡み合って事件に影響を与えているのだけれど、正直難しすぎて全部は理解できないので、ざっくり把握するだけで流すことにする。でないと前に進めない。

    物語の舞台になる修道院には膨大な書物を蔵した文書館があり、その建物は四角形の四隅に七角形の塔があり、中央に八角形の中庭があるという奇妙な形状、1階は厨房と食堂、2階は修道士たちが写本や造本をする写字室、さらにその上に迷路のような文書館、しかしこの文書館には文書館長の許可がなければ自由に出入りできない。

    ウィリアムとアドソは到着早々、修道院長アッボーネから、アデルモという細密画家の修道士が遺体で発見されたことを打ち明けられ、事件の真相解明を依頼される。ウィリアムと旧知のフランシスコ会修道士ウベルティーノ、文書館長マラキーア、文書館長補佐のベレンガーリオ、古典翻訳家の修道士ヴェナンツィオ、盲目の老修道士ホルヘ、薬草係の修道士セヴェリーノ、厨房係の修道士レミージョ、その助手のサルヴァトーレ等、次々と怪しい人物が登場、事件に関する目撃証言をしたり、ウィリアム&アドソに協力したりする。

    しかし二日目、ある人物が、豚の屠殺場の血のツボの中から遺体で発見される。最長老ですでに恍惚境にある修道士アリナルドは、一連の事件を『ヨハネの黙示録』に関連づけ、ウィリアムたちに文書館への秘密の入り口を示唆、その日の夜ウィリアムとアドソは文書館へ忍び込むが、そこは入り組んだ迷路のように小部屋が複雑に配列され、入口ごとに黙示録の文言が表札されていた。そして三日目、アドソが単独で文書館に忍び込んだ夜、怪しい人物が逃げ去り、一人の娘がアドソの前に現れる。その翌朝、ついに三人目の死者が・・・。

    上巻はここまで。ウィリアムとアドソの師弟探偵はキャラクターが親しみやすいし、暗号解読、迷宮図書館からの脱出、スケキヨ状態の死体、禁断のBLなど、エンタメ要素が多いので、今まで読んだウーコ作品の中でダントツに読み易い。清貧論争や異端については難しい宗教的な対話が繰り広げられたりもするけれど、ウィリアムは新しもの好きで、当時はまだ珍しかったメガネを愛用、ガラス細工師である修道士のニコーラに新しいメガネを造らせようとしたり、磁石についての知識など、修道士というよりは科学者の目線で近代的な推理を展開する。

    偶然にも直前に『ヨハネの黙示録』を読んだばかりだったので、お、これ黙示録のやつ!とすぐわかるので理解の助けになりました。

  •  修道士のウィリアムとその弟子アドソは、調停役として、二つの会派で起こった論争の調停が行われる巨大な文書館を持つ修道院を訪れる。しかし、そこで殺人事件が発生。二人は事件の調査に乗り出すのだが…。

     上巻読み終えた時点での感想ですが、最も印象的なのは夜にウィリアムとアドソが迷宮のような文書館に足を踏み入れるところ。これはRPGゲームで、未知のダンジョンに足を踏み入れた時のようなワクワク感がありました。

     謎めいた本に古代文字を使ったメッセージがまず最初に現れ、手に持った灯りだけを頼りに広大な文書館に足を踏み入れれば、そこに広がるはたくさんの書架。巧妙に計算され建築された文書館は、歩いていると方角が分からなくなり…

     文書館の探索の場面はそこまでページ数が割かれているわけでもないのですが、作中でウィリアムが時間の感覚が無くなってきた、というように、読んでいる自分も本を読んでいる感覚がマヒしてきたというか、
    このレビューを書くのに、改めて探索の章をパラパラとめくってみると、思っていた以上その場面のページ数が少なくてびっくりしました(笑)。それだけ、満足感が高く内容の濃かった場面だった、ということだと思います。

     そして二度目、アドソが一人で文書館に向かうシーンも印象的。そこでアソドが導かれるように本に出会い、また一人の少女と出会うシーンの幻想的かつ美しい。その場面と文章に魅せられてしまいます。

     正直なところ、作中の宗教関連の話は半分以上頭に入ってきません(笑)。それでも読ませるのは、やはりこの作品の引力が相当なものだということだと思います。下巻はどうなるのかなあ。
     
    1991年このミステリーがすごい! 海外部門1位
    このミステリーがすごい! 海外部門ベストオブベスト1位

  • エーコの「薔薇の名前」を再読し、 改めて恐ろしい本であることを認識する。ミステリーとして最初に読んだ時の面白さも、依然ある。但し、結末を覚えているので「知りたい」気持ちに急かされることなく、最後まで比較的じっくりと読む。再読のきっかけとなったボルヘスの短編集と比較して読み直してみたのだが、「薔薇の名前」が「紙葉の家」に与えた影響についても考えが及ぶ。オリジナルの手記があって、手記の話の中にも隠された写本があり、全体を著者が翻訳したメモを基に書き起こした、というスタイル。さらにどれかどうと言えない程あるパスティーシュや、古典の引用。「紙葉の家」のスタイルは、ここにあったのかと、ぼんやり思う。まぁホラーとミステリーの違いはあるけれども。

    ミステリー、と思うのは読者の、あるいは出版社の勝手な思い込みで、著者がそう決めた訳ではない。エーコといえば「開いたテキスト」で有名だから、そこに書き込まれている変数に、勝手に手持ちの数字を入れて出て来た答えを持って行ってくれ、という類いの本だろう。それに、ボルヘスと同じように過去の文学作品などへのリンクも多々あり、読む側がどれだけついて行くのかによっても読み取れるものは変わってくる筈だ。それはそうだが、これはよく出来たエンターテイメントであると思うし、ミステリーと呼ぶことに個人的に抵抗はない。

    そもそも、主人公のフランチェスコ会の修道士からして、バスカーヴィルのウィリアム、という名前だ。シャーロキアンでなくても、コナン・ドイルの「バスカーヴィル家の犬」が連想されるだろう。また、イタリアを舞台の中心におきながら、この修道士がイギリス人で背が高いことや、また、弟子のドイツ人見習い修道士とのコンビからして、ホームズとワトソンの構図がどうしてもちらついてしまう。そうしてみると、盲目の修道僧ホルヘは、さしずめモリアーティということなんだろうか。

    ところで、ホルヘといえば、ボルヘスのミドルネームでもある。もちろん、エーコはどことなくボルヘスを意識してこの人物を描いているのに違いないと思う。博覧の盲目の老図書館長。それだけでも充分だが、そもそも「薔薇の名前」は架空の写本を現代に復活させたという構図を取っていて、一度手元から失われたその写本についての資料を発見するのが、ブエノスアイレスの古本屋であり、そこはボルヘスが国立図書館長を務めていた町でもあるのだから、偶然の設定ではない筈。

    もっとも、前回読んだ時には、こういう記号は基本的に無意味な記号に過ぎなかったのだけれど、今回は、もう少し色んなことに気がついた。そう解ると、読みながら、あれ、ここは斜めに飛ばして読んでたなぁ、という部分も随分ある。例えば、ウィリアム修道士と弟子のアドソの間で語られる長々とした師弟の会話など。ウィリアム修道士いうと、オッカムの剃刀で有名な実在の修道士だし、この架空のウィリアム修道士の友達としても文中に登場する。そして、ウィリアム修道士の尊敬する自然哲学派ロジャー・ベーコン。その辺を意識して読むと、話の筋とは直接関係なくにも、理性というもののあり方についての興味深い話があることに気づく。

    異端論議に絡んで、中世に交わされた論議も繰り広げられるが、その頭でっかちな話のやり取りに苦笑しつつ、その裏でウィリアム修道士の持っている自然派の考え方にどうしても心情的には傾倒してしまう。そしてまた、そのことをエーコが意識して書いている感じも伝わってくる。多分、エーコはほとんどの読者がそういう気持ちになることを見越したうえで、それが現代という視点から歴史を見ているせいであり、その時の議論の連綿たる結果として我々が近代科学を奉じている現代人だから、そう見えるのだということをやんわり指摘しているのだと思う。

    それでも、経過を忘れて結果だけから過去を見ることは可能だし、ほとんどの人はそうして居るんだ、ということを覚えておくべきだろう。例えば、本の中には、訳出すべきではないと著者が指定したラテン語の文章が出てくるが、その意味を知らなくても話の筋には影響がないようにも思える。ただ、それを知っていることと知らないことによる差があるかも知れないことは、忘れない方がいいんだろうとも思う。この辺り考え方について、エーコはボルヘスに比べるとニュートラルな感じがするけれども。

    本の中ではいくつかの論争が繰り広げられるが、そのほとんどのものは、既知の知識は「反芻」するものか「探求」するものか、という態度の違いの問題であると思う。そして、そのことは決して過去においてのみ起ったことではなくて、現代にもある問題なんだということは今回の読書で一番意識させられたことだ。もちろん、エーコのことなので、「そんな哲学的な意味は勝手に考えてくれっ」て態度も匂うのだけれど、今回は何となく哲学書を読んでいるような感じで読み終えた。もっとも「開かれたテキスト」の目指しているものというのは、きっとそれが提供される状況によって変化するような「言明」のようなものなわけで、そういう意味ではエーコがどっちの立場に立っているかは、はっきりしているとは思う。さらに言えば、この話の中では「聖書」とか過去の聖人たちの「文章」などの解釈を巡る論争があって、暗にそれらの文章が開かれた意味を持ってしまっている、ということも皮肉っているのかもしれない。この辺は、エーコの「永遠のファシズム」を読んだ印象も混ざっている。

    それにしても、「薔薇の名前」というのは仕掛けの多い本だと改めて思う。残念ながら、解説で説明されているようなヨーロッパの古典に精通していれば解るツボ、というのは自分には相変わらず伝わらないポイントであるけど、今回は今回で新しい「薔薇の名前」に出会えたように思う。何よりボルヘスとの関連に付いても一読者として確認できたことは良かった。多分またいつか「薔薇の名前」を思い出させる本と出会った時、戻ってくるんだろうな、という予感がする。ラテン語の勉強をしようかなぁ。

  • 14世紀イタリアの僧院で起こる奇怪な連続殺人。老修道僧アドソの回想録。こてこてのキリスト教世界に慣れるまでに時間がかかったけど、一度ハマると癖になる世界観。文書館の雰囲気が良い。古今東西の貴重で美しい書物がひしめく、なにやらわけありな空間。主な登場人物は全員僧侶。細密画家、古典翻訳家、修辞学者、書物に関わる僧侶達が静かな写字室で仕事に励む様子にうっとりした。下巻にも期待。

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著者プロフィール

1932年イタリア・アレッサンドリアに生れる。小説家・記号論者。
トリノ大学で中世美学を専攻、1956年に本書の基となる『聖トマスにおける美学問題』を刊行。1962年に発表した前衛芸術論『開かれた作品』で一躍欧米の注目を集める。1980年、中世の修道院を舞台にした小説第一作『薔薇の名前』により世界的大ベストセラー作家となる。以降も多数の小説や評論を発表。2016年2月没。

「2022年 『中世の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウンベルト・エーコの作品

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