誘う森 (ミステリ・フロンティア 45)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017460

感想・レビュー・書評

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  • ある日突然、何の前触れもなく妻に自殺された男。
    街に残る妻の行動を探っていくうちに、謎に包まれた妻の過去を垣間見る。
    自殺の名所といわれる森と有名な造り酒屋のあるこの街で起こった真実とは?


    なかなかおもしろかったです。
    ちょっとずつ明らかになる真相が、なんというか、いいペースで緊迫感というか先を読みたくなる気持ちになれます。まあ発端が「妻の自殺」なのでどうしても明るい展開は望むべくもないってのがあれですが・・・・

  • 突然自殺した妻、そのことで不眠症に陥った主人公。自殺防止のボランティアをしていた妻自身がなぜ自ら命を絶ったのか?町おこしに使うような老舗酒蔵のある地方都市を舞台に繰り広げられるミステリー。

    重厚さ、陰鬱さがヨーロッパのやるせない系ミステリーのような感じで読ませる。ただし、やるせない系だけあって、後味はすっきりしない。ミステリー部分はミステリーとして作られた感があるが、その背景となった水質汚濁・環境汚染については、日本のどこにでもあっておかしくない事象である。
    美しい水、それを作る森林は守る意識をもって守らないとアカンのだ、ということ。

    親子ドンブリのくだりは不要だと思いました。

  • あり得ない設定(母子関係)は無視するとして、酒蔵の命を他人が握っているという怖さ。こういうことって意外とあるのかも…

    先が気になってあっという間に読めてしまいました。

  • 怖いお話でした。実の母は、必要なかったかもと思ったけど、最後の鍵として、あの手紙が必要だったんでしょうね。

  • 面白いのだけれど、展開が遅かったのが残念

  • 2014/9/27図書館から借りてきた。
    酒蔵の物語

  • 自殺とされた妻の死の真相を探る男。
    森の深い霧に覆われたような世界観。
    読み進めるのに時間がかかった。

    【図書館・初読・7/1読了】

  • 何の前触れもなく妻に自殺された男。どうしても自殺だと納得できず、独自に死の真相を調べ始める。果たして真相やいかに・・・とうストーリー。丁寧に書き込んでいる印象はあるけど、どうにも辛気臭い。妻の自殺がスタートだから明るくようがないんだけど、グチグチしたかんじがあまり好みではないかな。そのおかげで入り込むのにかなり時間がかかった。後半に入ると、一体どう転ぶのかとページを捲る手が止まらず。ちょっと無理がある気もする設定ではあるけど、なるほどそうきたかという感じ。比較的都会で育った身としては、この「家を守らねば」という感覚が実感として迫ってこない。
    家族愛やら兄弟愛、自分の周りにいる人について考えさせられる作品でした。

  • +++
    一年前のあの日、香映は自殺してしまった。何の前触れもなく。未だに妻の死を受け入れられない洋介。不眠症を患った洋介は歩くことで、この状態から脱しようと試みる。しかし、彼女の過去の断片が、町のあちこちに散らばっている―。謎に満ちた妻の過去から、死の真相を探る決意を固める洋介。自殺の名所と呼ばれる森で、自殺防止のボランティア活動をしていた彼女に、いったい何が起きたのか。少しずつ暴かれる真実は、かの森へと洋介を導く。期待の新鋭が描く精緻なミステリ。
    +++

    腑に落ちない妻の自殺が洋介に残したものは、あまりにも常識から外れた――しかし当事者にとっては死活問題である―― 一族の真実と、それに利用された人たちの歪んだ事実だった。驚愕の事実!とでも言いたくなるような驚くべき内容が次々に明らかになるのだが、なんとなく冗漫な物語の運びで集中しきれないのがもったいないように思われる。物語が終わっても何も解決せず、後味が悪いのも残念な一冊である。

  •  何とももやもやした読後感。

     というか、読後それほど時間が経っていないにも拘わらず、ほとんど印象に残っていないかったりする。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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