折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 507
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017651

感想・レビュー・書評

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  • このミステリーがすごい2011年2位☆
    期待して読みました(`・ω・´ )
    中世ヨーロッパ好きのあたしは読んでよかったです
    オススメします☆

  • "理性と論理は魔術をも打ち破る。それを証明するんだ。そして、時が来たなら迷わず義務を果たせ"

  • 本当は星6個です。
    これからは特殊設定ミステリだ!

  • 魔術のある世界でどうやってミステリーにするのかと思ったけど、空を飛んだり姿を変えたりはしないので、「何でもアリ」ではない。
    ファンタジーとミステリーのバランスが良くて面白かった。

    デーン人の襲撃のシーンはファンタジー物の洋画みたい。

    ラストは哀しい。アダムがろくでなし過ぎて今後が心配。アミーナが幸せになれますように。

  • 魔術が存在する世界観でのミステリ。

    舞台は十二世紀末のヨーロッパ、北海に浮かぶソロン諸島。
    獅子心王リチャードの時代。十字軍遠征とかしてる時代。
    史実的な時代背景は曖昧でもなんとなくファンタジックで心躍る時代でもある。

    恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士の魔術によって命を狙われた領主。
    その魔術に操られ、領主を殺した〈走狗〉は誰か。
    暗殺騎士を追う騎士ファルクとその従士ニコラの調査が始まる。
    そこに絡む「呪われたデーン人」の襲来・・・・・・めっちゃファンタジー(笑)

    魔術師がナチュラルに登場する設定の中で、しかし確かにこれはミステリ。ちゃんと容疑者たちの前での推理ショーがあるのに笑った。

    ニコラと「師匠」ファルクの関係がすてき。

  • ファンタジー的と言っても良い~
    ミステリでもあるし、歴史物でもある…
    それも好きな私には好みに合っていました。
    こんなのも書けるんだねーっ!
    ていうか、カドフェルのファン?(にっこり)

    12世紀のイングランド。
    リチャード(獅子心)王の時代。
    かって王女モードと王の甥が争った戦乱の傷もまだ癒えきっていない頃。
    ソロン諸島の領主エイルウィン一家の娘アミーナがヒロイン。
    「呪われたデーン人」が襲ってくると父ローレントが傭兵を集め始めます。
    平和が続いていたソロンの民に軍備らしい物はなく、騎士も数えるほどしかいないのです。
    もともとデーン人の土地を戦いで奪い取ったのが祖先。
    「呪われたデーン人」とは不死の存在。古い塔には捕虜となっているデーン人トーステンもいました。
    いつかはソロンを奪いに来るという言い伝えもあり、教会の鐘で封印されていたのですが…

    その翌朝、父が剣で刺された死体で発見されます。
    元気なヒロインですが、最愛の父亡き後の人生は厳しくなるかも知れないという不安。
    娘は政略結婚に出されるのが普通ですが、姉は父が年齢や人柄も見てお似合いの相手に嫁ぎました。
    跡を継ぐ兄アダムには父ほどの度量や心配りがありそうもないからです。
    しかし、それどころではなく、デーン人の襲撃を恐れながら、父を殺した犯人を突き止めるために、騎士ファルクを案内しながら行動します。
    聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士ファルク・フィッツジョンは、暗殺騎士のエドリックを追って、従士のニコラと共にこの地に来たばかり。
    領主の死は、暗殺騎士の魔法に操られた人間が行ったものと断言します。
    本人さえもしらないうちに実行しているという‥
    集められた傭兵は、ウェールズ人の弓名人イテルとその弟。
    マジャル人の女性戦士ハール。
    サラセン人の魔術師ナズィ-ル。
    ザクセン人の遍歴騎士コンラートとその仲間。
    ほかに館にいたのは信頼できるはずの領主の身内や家令、吟遊詩人‥
    その中の誰かが、操られていた?!

    後半、唐突に霧の中から船が現れて、ろくな備えをしていなかった町民達が襲撃され、アダム達の兵はとても間に合わない。
    撃破するのは無理に思えますが、なかなか手際よく、戦闘シーンも展開していきます。
    設定が変わっているから推理しにくいけど、ヒントはちゃんとそこかしこに出ていて、ファルクが一同を集めてのシーンになる推理物のお約束な展開に。
    勇敢な少女は感じが良い。
    ドラマチックで、盛り上がります。

  •  超好み、かつ面白かったです。米澤さんのは現代ものを読んでたんですけど、今回が初のファンタジー設定だったらしく、私はこっちのほうが好きでした。
     中世ヨーロッパのイギリスに属する島が舞台。領主の娘・アミーナが主人公で、父がなぜか傭兵を増やして不穏に思ってたところに、放浪の騎士とその従者がやってきて、島に危険が迫ってることを知る、という感じで物語は始まります。
     中世ヨーロッパが舞台だけど、魔法もはびこってて暗黒騎士が暗躍し、魔術で人操っちゃうし、パイレーツオブカリビアンみたく呪われて死ぬことのできないデーン人が来襲したり、とファンタジー要素ががっつり。しかし、基本はキチンとミステリーなので、最後は大広間に容疑者集めて犯人はお前だ! とかやってくれたので感動した。魔術盛りだくさんでも、その情報がきちんと提示されているのでフェアなんだよね。デーン人が攻めてきた戦闘シーンも迫力があって面白かったし、クールなアミーナ様も凛々しくて素敵。キャラクターもみんな魅力的でよかったし、最後、アミーナ様、ついてかねぇかなと思っていたのですが、領主の娘として適当にほっぽり出せないですよねーちぇ。あとひとつ恋愛要素最後にちょっっっとだけ匂わしてくれたら床ローリングだったんですけど、多くは望みません。しかし、かっこ良く成長したニコラと美しくなったアミーナ様の再会話が超読みたい。コンラートとかもいいキャラだったからまた出してもいいんじゃないかなと思うの。ミステリーと中世ヨーロッパファンタジーが好きなら問答無用でおすすめです。続き読みたい。

  • 読み始めて最初の世界設定の描写の部分から、うわぁ!カドフェルじゃんと一人心の中で思っていたのだけれど、あとがきの中にも作者がその点言及されてて、ちょっと嬉しかった。

    魔法により操り人形と化した者が行った殺人。本人は犯行を行ったことすら記憶に無いため、動機はアテにできない。では誰がこの殺人を行うことが可能だったのか、というハウダニッド、フーダニッドにより、論理的に犯人を絞り込んでいく。

    ある意味、何でもアリの魔法がある世界観の中で「論理的」に犯人を絞り込むため、随所でいろんな細かい設定や理由(=作者の考えているお約束、制約事項)がセリフの中で説明され、時々煩わしかった部分はありますが、世界観の雰囲気と設定、伏線を上手く駆使してまとめていたと思う。

    お話のノリ的に、ぜひ中高生に読んでもらい、ファンタジーの世界に夢を馳せて欲しい作品。

  • 舞台が外国、カタカナ名前、魔法…
    見事に私の苦手な要素が満載。
    いや〜そんな苦手意識なんて吹っ飛ぶぐらいおもしろかった。
    なんかめっちゃ、ちゃんとミステリー。

  • ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げる。警告もむなしく、自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗ミニオン」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来。魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?

    面白かった!!魔法とミステリを組み合わせるって魅力的だけど、上手くやらないとひどいオチになる可能性もあってハイリスク。でも米澤先生は完璧にやってくれた・・・と今はひたすら感動してます。最後の最後まで丁寧な謎解きで綺麗な読了感を味わえました。走狗の正体は自分でも絞れたのですが、呪われたデーン人の呪いの話は分からなかったなー。ラストシーンでのファルクが一番印象的。弟子を心から愛してたんだなと涙腺ヤバかった・・・。それにいくら操られたといっても、アミーナの心も慮ったのじゃないかなと思う。気づいた時点で自分の逃げ道をなくしたかったのかもしれないと。彼はそういう騎士だと思うんだ・・・切ない><とにかく何重にも謎をめぐらせてページ数もたっぷりなおいしいミステリでした。ありがとう。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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