ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017804

作品紹介・あらすじ

人気シリーズの名探偵同士がいよいよ出会う! 波瀾万丈の書店大賞授賞式の一日を描いた「成風堂書店事件メモ」×「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 成風堂シリーズと出版社営業シリーズの初コラボ。
    「書店大賞」をめぐる事件で、いつものメンバーが一堂に会するのがお楽しみ。

    本屋大賞がモデルとおぼしき「書店大賞」発表の日。
    投票した書店員もパーティー会場に集まってくる。
    成風堂に勤める杏子と、バイトの多絵は、初めて授賞式に参加するため、いそいそ準備していた。
    そんなところへ、福岡から上京した若い書店員・花乃が訪れ、「書店の謎を解く名探偵」つまり多絵に会いたいと申し入れてくる。
    それは、書店大賞をめぐる謎‥
    一緒に会場へ向かう途中に、ヒントになりそうな場所へ向かうことに。

    一方、明林書房の営業マン・井辻智紀も、他社の営業マン・真柴から呼び出しを受け、書店大賞事務局長が悩んでいるという相談を持ちかけられる‥
    なぜか、書店大賞の成り立ちにまで関わることが‥?

    華やいだ雰囲気の中、本屋の抱える問題や、書店大賞の成り立ち、運営が丁寧に語られていきます。
    こんなふうに行われているとは、知らなかったですね!面白かった~本屋大賞とはどこまで同じなのか知りませんが。
    本屋というのは同業のライバルなので、もともとは協力しての賞などあり得なかった。本が売れなくなっていく時代に、画期的な協力体制が出来たのですね。
    大勢の人が投票すると、元々売れている本が受賞する結果になって新味に乏しかったり、問題や批判も起きては来るのですが~。

    最初は五里霧中のまま、あっちへこっちへと動き回る面々。
    当然ながら本屋の話ばかりで、登場人物が多いので、事件の成り行きはわかりやすいとはいえないけど~
    営業マンの脇役は個性的でドタバタしつつも目立ってます。
    多絵は名探偵ぶりを発揮します。杏子もはっきりしたキャラですね。
    今回の事件の核となる優秀な書店員も、なかなかカッコイイ。
    ‥比べると、井辻くんは印象が薄い‥
    普通なのが特徴? それとも、次作では案外別な面を見せるのでしょうか~楽しみです☆

  • 今回の話は、書店大賞授与式を脅かす問題を解決する話。本屋スタッフ(杏子と多絵)と出版社の営業マンがタッグを組んで問題解決のため東奔西走する。面白かった。
    特に面白いと思ったのが、出版社の営業マンの男性陣。『マドンナの笑顔を守る会』というのを結成してるんだけど、これが笑える。営業先の女性スタッフの話で盛り上がったりと下心が見え見えで、男子学生がギャーギャー騒いでる感じなんだけど、なんか憎めない。なんだかんだ言ってるけど、ただの本好きの集まりというのが良いんだな。
    この男性陣たちのキャラが強すぎて、杏子と多絵が霞んでしまった気がする。でも最後は、多絵が気持ちいい位に解決してくれたのでスッキリ。多絵がすごいのは、今回のキーパーソン"佐々木花乃"が成風堂書店に来たときから、何となく色んな事が分かってた事。さすが。
    私は、本屋大賞みたいな◯◯賞にあまり興味がない。どの本が賞を取ったかは気になるのでチェックはするけど、その本を絶対読みたいとはならない。気になった本は、たまに読んだりはするんだけど。今回、書店大賞を舞台にした話だったんだけど、今話題の本屋大賞をモデルにしてるのかな?だとしたら本屋大賞の舞台裏みたいなのが分かってよかった。"本が大好き"という気持ちで運営してるんだというのが伝わってきた。(物語はそうだった)

    違うシリーズの「平台がおまちかね」の井辻智紀が登場した。その本も読もうとしてたので、予習ができて良かった。

  • 最初のうち、頭に入ってこなくて、登場人物が書店員か営業さんかわからなかった(汗)それが杏子と多絵がお店を出発したあたりからスピードアップ。みんなそれぞれに聞いて回って情報を得て、会場に集合。妬みはかなしい事件を引き起こしたけれど、8年前の真相がわかって飛梅書店や当時の書店大賞の実行委員はほっとしただろうな。花ちゃん、よかったね。
    平台シリーズの彼が出てきたよね?平台シリーズはまだ見ていないけれど。

  • 登場人物が多く、並行して話が進むので、こんがらがってわかりにくかった。登場人物が多く、並行して話が進むので、こんがらがってわかりにくかった。

    ミステリーとしては、ツッコミどころが多く、イマイチ。

    これで一応、成風堂シリーズ4冊読み終えた。処女作の「配達あかずきん」が一番良かったな。書店ネタも最初は興味深かったが、だんだん飽きてきた。そして、主人公の杏子(そして作者の大崎梢さんも?)は、本が好きなんじゃなくて、本屋が好きなだけなんだな~というのがはっきり出てきて、共感できなくなった。

  • 書店ミステリシリーズ。
    今回は書店大賞の授賞式の日に起こる事件のお話。

    営業さんたちのボケ合いが好き。
    事件の真相は…あまり意外性がなくて、ちょっと残念。
    でも書店大賞の受賞式とか、覆面作家さんとか、トキメキ要素も多かった。

    書店大賞は脳内では本屋大賞に置き換えて読んだ。
    アンチ派とか、本屋大賞にもいるのかな?
    いや、きっといますよね。
    私はあまり大賞作だからという理由で読まないので、実行委員の方の苦労を思うとあまりいい読者ではない。
    参考にはするけど、1位だから「好き」になるというものでもないし、読みたい本はいつも山積みなのでそこに割り込ませるのが難しいこともある。
    でも、自分からはなかなか近付かない本や、そもそも(本当に不思議だけど)視界に入らない本を知るきっかけになるから本屋大賞は好き。
    好きな本がノミネートされたり、大賞を取った時の喜びも格別だ。
    やっぱりたくさんの人に愛されてほしい。

    好きなものを応援する方法は一つだけじゃない。
    この物語の中で熱烈に愛されているのは「本」。
    私も本を愛する(いや、まだまだなのは百も承知ですが)人間の1人として、皆の努力が実を結ぶことを心から祈る。

  • 脅迫者の正体と、覆面作家の正体と、花ちゃんが謎解きに固執する理由。
    一遍に提示される謎は徐々に解けていくものの
    完全に明らかになるまではほぼ絡まずに最後に一気に繋げる、
    という構成が見事。
    ふたつのシリーズのコラボ作品ということだが
    無理矢理絡めた感じとか取ってつけた感が全くなくて
    成風堂の多絵ちゃん(と杏子さん)も明林書房の井辻くんも
    ちゃんと必要なキャラとして機能してたのも見事。

    今回読んでいて気が付いたのは
    各々のシリーズにおける杏子さんと真柴さんの役割が共通しているということ。
    要するに混ぜっ返し要員。
    個人的にこのふたりが苦手な理由も何となくわかった。
    そして、大崎さんの作品にはかなり高い頻度で
    何らかの悪意を内包した人物がひとりは登場するんだということ。
    今回のそれは脅迫してた犯人だったわけだけど。

    『本屋大賞』もとい『書店大賞』の裏側を見せてくれる趣向も面白かった。
    運営費の捻出方法とか、得票数のカウント方法とか、目から鱗な気分。

  • 少し大がかりな設定にはなっているが、ライトに楽しめた。日常ミステリー+αの感じがミステリー好きに平和でよい。続編は出ないのだろうか。

  • 「成風堂書店事件メモ」シリーズと、「出版社営業・井辻智紀の業務日誌」シリーズが合体!

    メインキャラだけでも大人数な上、つぎからつぎへとキャラクターが登場し、メモを取りながら読みました。

    始まりは、『書店大賞』事務局に届いた、不審なFAX。
    一つずつ手掛かりを手繰り寄せるたびに、どんどんと謎が広がっていくような感じで…
    キャラクターも二作品分なら、ややこしさも二作品分。
    これまでも、出版業界や書店の内幕が描かれてきましたが、『書店大賞』とは、また思い切った題材です。
    ややこしさも二倍でしたが、スリルも二倍で、いきおいにぐいぐい引き込まれて読みました。

    謎は大河のように大きく広がりましたが、辿って行けば、始まりは小さなせせらぎ…
    本の好きな人の正義が勝って、ホッとして読み終わりました。

  • 成風堂メインでひつじくんたちも絡んできます。どっちかっていうとひつじくんシリーズの方が好きなので、謎解き場面に出版社メンバーの出番少なくて残念。本の内容も成風堂寄りでミステリー部分が強かったです。最後に色んな登場人物が繋がって謎が解けるのが気持ち良かったです、 が 、うわーん、これで終わり?ここからがスタートでしょ、と悶えるのは私がひつじくん好きだからなのでしょうか。後一冊で良いので続編書いて下さい。

  • 図書館より。
    ようやく読了。
    好きな二つのシリーズがかち合う!
    ドキドキしながら読んだせいか、いまいち事件にのめり込めず。
    本屋さん関係の本を読むたびに、自分は本が好きだとつくづく思う。お小遣いが少ないから買えないのが申し訳ない。

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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