虚無への供物

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著者 : 塔晶夫
  • 東京創元社 (2000年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488023621

虚無への供物の感想・レビュー・書評

  • 日本三大奇書とはどれほどのものかと思って読んでみた。おもしろかった。びっくりするくらいおもしろかった。

  • 面白かったよー!
    けっこう好き嫌い分かれるらしいけど、自分は好き派。文章のかっこつけ具合がとても良かったので何もかも許す派。今作った一人派閥だ。




    推理小説だと思って真面目に読むとイライラする部分もあるかもしれないです。
    私も、後半、「新機軸の推理が登場→新事実判明で空振り」の繰り返しにはちょっとうんざりしましたし。牟礼田さんのドリーム小説にはキレかかりましたし。

    でもそういう「もっとこう、驚愕の事実ってやつを見せなさいよ!」とか思うことが既にこの小説の術中にはまってる状態なんですよねー。
    その部分を作者によるトリックとして捉えるかどうかが、好き嫌いの分かれ目か。

    推理小説としてどうこう、っていうのから離れると、文章も素敵だし登場人物も良かったです。
    最初、これは人物が多いから後々忘れそう…って思ってメモ取りながら読んでたんだけど最終的に必要なかった。確かに多いけど、いちいちキャラが立ってて判りやすいんだ。
    お気に入りは久生さん! 彼女のお召し物の描写だけでご飯三杯はいけます。「UN-GO」みたいにアニメ化されたら「久生さんの荒ぶる場面集」みたいな動画見てニヤニヤしたい。

    しかしアンゴがやってるような、時代を現代だか近未来に移してどうのこうのっていうのは難しいかもね。
    1954年から55年が小説の時間なんだけど、戦争とか洞爺丸事件とか、当時の事件や世相が物語にガッチリ食い込んでるものねえ。

    っていう一方で、何度か出てくる「この時代とはどういうものなのか」っていう語りの内容は、不思議なくらい2011年3月以降の様相と重なるような気もする…

    もっと思い切って推理小説から離れてみると、切ない恋愛小説として読むことも出来そう。
    いやそれらしい描写はないよ。ラブシーンどころか恋愛っぽいシーン全然ないよ。でもそこはかとなく妄想させるものがあるんだよ! 私だけですか?

    何故、亜利夫はゲイバーに通ってたのかな。藍ちゃんに蒼司の面影を見ていたんだろうな。蒼司のことはかなり好きで、何とかしてあげたい心境だったんだろうなー。
    久生さんが探偵ゲームに執着したのも、このまま結婚して良いのだろうかって悩んでた部分があったから、かも。牟礼田のことは好きだけど、彼が自分を見ていないことに気づいてしまったのでは…

    結局この二人がガッチリ振られて牟礼田邸を後にする場面で小説は終わっているのですが、ひっくり返すと物語を経て結ばれたカップルは蒼司と牟礼田ってことか。
    この二人のやり取りってあまり作中には出てこないんですけど、全部読み終わってみると舞台の裏側にはカップル成立までのあれやこれやが存在したことがクッキリと想像されますよね! ますよねー!

    つまりあれだ、牟礼田の書いた小説にあった、眠りながら涙を流す蒼司を亜利夫と久生さんが目撃してしまうっていう所。
    あの実際の目撃者は牟礼田なんだろうな、と。

    切ないじゃないか…
    誰かこの視点でお話を書いてください。 

  • 耽美にのれなかった。

  • 『虚無への供物』、こんな装丁のもあるんですね。
    …って4200円!?高い!!こうなると俄然見たくなるけれど、近くの本屋で売ってるんだろーか。

    ところで仲村トオルさんも出演なさったドラマ『薔薇の殺意~虚無への供物~』ですが、ひょんな事から見られそうな流れに/// 深津絵里ファンの友人が、余所から譲って頂いたとかで。たなぼたー

    最近は良いことも悪いことも順繰りに起こるので、バランス取れてるなあと妙に納得しています。流れがあるんだねえ。

  • 作品の最初の一行、最後の一行の特別な美しさ
    紅司一人の中の世界が私は好きだった

  • 別格すぎてコメントなし。サロメの夜に合わせて毎年読み返すのが何よりの楽しみ。蒼司大好き。

  • 無反省に”刺激”ばかりを追い求める人々への痛烈な警鐘。

    人は自分の身を切られなければ、人の痛みが分らないものなのでしょうか。
    そんな事は無いと言いながら、当事者にならなければ分らない苦しみは確かにあるのでしょうし、その苦しみが無くなる事はありません(癒える事はあったとしても)

    安全な場所にいて、自分は痛みとは無縁なところにいれば、人はどんな痛ましい出来事にも、勝手知った顔をして色々と口を出すことが出来るものなのでしょう。

    虚無への供物

    読後詩的な響きのこの言葉がとたんに深い意味を持つようになります。
    この言葉を思い浮かべる度に自分を省みてしまいます。


  • 脳内にガツンと衝撃を受け、それでいて余韻が美しいだなんて作品、そうそうめぐり合えるものではありません。

  • 加筆された講談社文庫版ではなく、初刊時の文章で再刊されたもの。口絵、著者の言葉も再現。著者名が「中井英夫」ではなく「塔晶夫」、奥付の刊行年月日が「二月二十九日」というこだわりぶり!さすが東京創元社!

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虚無への供物の作品紹介

1841年、エドガー・アラン・ポオの「モルグ街の殺人」により幕を上げた近代ミステリーの歴史は、1964年、わが国の一冊の書物によって本質的にその終焉を告げた。スタイルを探偵小説に借りて時代に捧げられた一冊の供物。絶対主義から全体主義、二つの世界大戦、アウシュヴィッツ、広島・長崎を経験した激動の二十世紀は、ステファヌ・マラルメの「世界は一冊の書物に到達するために存在する」という悲願を、本書によって実現したのであろうか…。中井英夫ならぬ塔晶夫畢生の大作『虚無への供物』が、建石修志の衣装を纏い三十六年ぶりに復活する。

虚無への供物の単行本

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