千年の黙―異本源氏物語

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著者 : 森谷明子
  • 東京創元社 (2003年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488023782

千年の黙―異本源氏物語の感想・レビュー・書評

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  • 「白の祝宴」の少し前のおはなし、こっちが先だったのね。
    彰子はまだ入内する前、式部がまだ女房として使える前のおはなしで、
    登場人物はかなりかぶっているのだけど、呼び名や役職が変わったりでややこしい。
    こっちにも相関図つけてほしい。

    第一部の「上にさぶらう御猫」では、香子(式部)とあてきが帝のご寵愛の猫が消えてしまった謎を解いていきます。
    出産で宿下がりしている定子中宮と入内を控える彰子様が、とても素敵で本当にこんな関係だったらいいなぁと。
    幼いあてきの恋心もほほえましい。

    第二部の「かかやく日の宮」は、消え去った「源氏物語」の幻の巻を巡るお話で、すごくおもしろかった。
    物語の内容と時代背景と合わさって、とても興味深い展開になっています。
    紫式部の聡明さと思慮深さはもちろん、あてきが小少将と名を変えてすっかり女性ぽくなっているのもよいですね。

    どちらも、その裏には結構いやらしい思惑や切ない思いが交錯していて、やるせない部分もありますが、女性たちがなかなか逞しくて凛々しいとこがいい。
    政の道具にされても強かに生き抜いてほしいと応援したくなります。
    源氏物語を、改めて読んでみたくなりました。
    今読むと、いろいろ印象が変わりそうです。

  • 源氏物語に失われた巻がある。
    その謎を解くミステリー仕立ての時代小説。
    作者・紫式部に仕える女童あてきが主人公で、紫式部は宮仕えしてない設定。
    あてきの子供の頃から中年までの期間を、史実を含めつつ描かれている。
    都で起こるミステリーを紫式部が解決しつつ、源氏物語の謎に進んでいく。
    平安時代を舞台にしたミステリーは珍しいのだが、これは読み始めたら止まらなかった。
    伏線もあるのに全然気づかなかったw
    源氏物語知ってても知らなくても楽しめます。

  • 面白かったです。
    紫式部が探偵役で、第1部の帝の愛猫が失踪した事件、第2部の『源氏物語』の『かかやく日の宮』の帖が消失した事件の謎を解き明かすお話です。ワトソン役の式部の女房あてきが溌剌としていて読んでいて楽しかったです。
     “かかやく日の宮”が何故無くなってしまったのか、その背景や『源氏物語』がどのように広まっていったのか等、当時の様子を想像出来てとても興味深かったです。藤原道長や中宮定子、中宮彰子も登場しましたが、抱いていたイメージとは違っていて、益々この時代に興味を持ちました。

  • 紫式部に仕える少女の目を通して描かれる真実の歴史?
    式部が探偵役の平安ミステリーの形にまとまっていますが、それだけが魅力ではありません。

    知的な大人の女性でしっかり者の式部像がさりげなく丁寧に描かれて、好印象です。
    時の権力者でパトロンのような道長との関係も、「輝く日の宮」よりもだんぜん、納得がいきます。
    もっと書いて欲しい作家さんですね。

  •  読み終えました。
     この人は上手だ、と思いました。小説なのだから、やはり文章を読ませないといけない。この人は文章がうまいなあ、と思いました。だから、登場人物がとても魅力的。人物の造形と表現がマッチしてる。
     源氏物語については学生時代にいろいろな本を読んだことがおさらいができた感じで嬉しかった。
     終末に近く、左大臣の気持ちに共感するところが多くて、あー、そうだったのかもしれないなあ、と首肯しました。きっと二人の関係はこうだったのだろうと。
     この話は2冊で終わりなのだろうなあ。もっと読みたい気もします。また、再読してもいいな。繰り返し読みたい話となりました。
    以下は、第一部を読み終えたところでの途中の感想です。
     
    第一部を読み終えたところで、これから第2部に入るのですが、その前に。
    「白の祝宴」から先に読んだので、順が変わってしまったのですが、それゆえ、かえって楽しめたところも多かったように思います。順を考えずに楽しめる本です。ああ、そうだったのか、と楽しくなる。
    登場人物が本当に一人一人、そうだよね、そうだよね、と納得できる動きをしています。とても魅力的です。
    なんだか、イメージしていた宮廷サロンとは一味違う感じがする部分、そして、女官たちの会話からはイメージ通りだな、と思う部分。そのバランスがとても良い感じです。
    猫の行方不明という重大かつ些少な事件の鮮やかな解決。
    とても、人物を動かすのがうまい作家さんだなあ、と思いました。

  • 2015年10月16日読了。
    とても良かった!源氏物語を少し勉強した者にとっては、驚きと感心がたっぷりある。描写の現代よりなところは、読みやすさ、ということで。

  • 【資料ID】38620
    【分類】913.6/Mo72

  • 続編を読む前に再読。
    やっぱり凄い。

    香子は勿論のこと定子も彰子も、出てくる女の人たちが素敵。
    あてきといぬきは可愛くて和む。岩丸も。

    道長は悪い人ではないけど、嫌な人だな。
    子供を使うなんて最低。それに対する式部の意趣返しが凄い!流石!

  • 平安時代を舞台にしたミステリー。探偵役は紫式部。
    いわゆる「日常の謎」を題材に、紫式部が冴えた推理で解決します。
    一番の眼目は 源氏物語の「かがやく日の宮」の巻消失にかかわる謎でしょう。源氏物語を少しかじったことがある方なら、たいへん興味深い内容になっていると思います^^ 

    個人的には 要所でちらりと登場する藤原実資が いい味出してるなあ・・と(笑)

  • 紫式部が探偵でミステリで、時代は当然平安時代。
    読むのにどこか不安を抱いてしまいそうな要素ですが、現代的に色づけされた登場人物たちと、わかりやすい謎と謎解きの設定、そして舞台装置として興味を持たせるこの時代ならではの様相がそれぞれ良い具合に混ざり合って、とても楽しく読めました。
    源氏物語をあまり知らなくとも、知りたい、読みたい、と興味を抱かせてくれるつくりになっています。それはまあ、なかなか難しいことですけど、さすがに。
    全体を読みきって見えてくる真相の深さには、なかなか余韻があって後を引きます。彼女のそのひとへの深い愛情を考えさせられます。なぜ、「かかやく日の宮」は散逸したのか。その命題のとても魅力的な答えとして、この真相は覚えていたいなと感じました。

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千年の黙―異本源氏物語の作品紹介

闇夜に襲われた中納言、消え失せた文箱の中身-。幾重にも絡み合った謎を解き明かす紫式部の推理を描いた第一部「上にさぶらふ御猫」、『源氏物語』が千年もの間抱え続ける謎のひとつ、幻の巻「かかやく日の宮」-この巻はなぜ消え去ったのか?式部を通して著者が壮大な謎に挑む第二部「かかやく日の宮」。紫式部を探偵役に据え、平安の世に生きる女性たちの姿を鮮やかに描き上げた王朝推理絵巻。第13回鮎川哲也賞受賞作。

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