赤朽葉家の伝説

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著者 : 桜庭一樹
  • 東京創元社 (2006年12月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488023935

赤朽葉家の伝説の感想・レビュー・書評

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  • この本を読んでいる時、新型インフルエンザで高熱で…熱にうなされながらも、一気に読んだ。
    (もう3~4年前なので内容はしっかりと覚えていない…)

    登場人物の名前がみんな変っていて…変なの…と思いつつ
    (名前がヤンキーくさい~と思いながら読んだ)
    そして、どっぷりとハマった。

    マンガ作家の現実や暴走族抗争とか…千里眼のおばあさんが
    自分の祖母と重なって、印象深かった。
    なによりも特殊能力系が好きな私には、かなりツボな作品だった。

    万葉、毛鞠、泪、鞄が特に好き。
    独特の設定と世界観。
    (70年代からバブル期の四国ってこうだったのかな…。)

    今までの桜庭作品と世界観がひと味違っていて、これで一気に
    ファンになった。製鉄天使とともにもう一度読み返したいな。

    表紙も紅と漆黒で、きれいだな…と思う。

  • 山陰地方の製鉄会社の城下町を舞台に、その製鉄会社を経営する名家に輿入れした女から始まるその孫娘までの三代記。

    何しろ製鉄会社なので、日本が戦後復興する流れが、実にドラマティック。
    戦後の経済情勢が、地方の視線から実にうまく捉えられていて、製鉄業を生業とする名家の浮き沈みとともに、個性的な登場人物達も山あり谷ありの過酷な運命に翻弄される。

    地方にまつわる伝説を下敷きとしたファンタジー的要素が満載なのに、不思議とリアルに物語が迫ってくる。それはそんな時代背景が適切に描かれているためであろう。
    悲惨なエピソードだらけなのに、作者の目線がどこまでも優しい。

    また、赤朽葉万葉とその親友みどりが家族の遺体を探しに二人で山に入り、一面に鉄砲薔薇が咲いている場面が幻想的でため息がでるほど美しい。オイラ的ベストシーンです。

    最終章の孫娘の物語は悲惨で暗い現代の若者にエールを送る物語となっているように感じた。
    読み終えて、清々しい気持ちになれた一冊。

    今を受け入れ、そこから何とか明日を見いだそうとする人には救いになるのではないかなあ。

  • 『本の感想』
    この本も「何かお薦め本ありませんか」と聞かれた時に薦める本です。今日は2年生女子に笑われました。
    「お薦め本いっぱいやなぁ」と。

    「赤朽葉家の伝説」は女性3代におけるお話で

    第1部
    赤朽葉(あかくちば)万葉(まんよう)
     万葉の子ども時代から話が始まります。
     捨て子で、未来が見える力を持った不思議な子どもでしたが、上の人と呼ばれているその地方の名家に嫁にもらわれて・・・。
    第2部
    赤朽葉毛毬(けまり)
     万葉の娘。
    あの万葉の娘なのになぜにこんなに不良に?と思うほど悪なのだけど、性格は良い。
    第3部
    赤朽葉瞳子(とうこ)
     毛毬の娘。
    この瞳子でやっと今の現代社会で普通の生活を送る娘が出てくる。

    私は特に万葉が好きですが、読む人によって好きな主人公が違うようです。
    2008年11月に配架してから24人の貸出があります。
    ま、私が薦めたから読んだ人も多いのですが、けれど皆(大げさでなく)皆が「面白かった」と言って返却してくれました。

    お薦め本を貸したときは、返却時に少し「どうだった?」と聞くのですが、この本は皆が満足してくれたようです。

    薦めた本を「良かった(*^_^*)」と言って返却してもらった時、つくづくこの仕事をしていられる幸せを感じます。

    『司書の日記』
    今日は2時間目と3時間目、図書室で授業でした。
    保健の授業で環境問題について。
    皆、真剣にレポートを書いていました。
    放課後も数人がそのレポートの続きを書きにやってきて、今もまだ書いています。
    本当は5時閉館なのですが、宿題や課題で残っている生徒がいるときは、おまけで遅くまであけています。
    図書室に残って真面目に勉強している生徒というのはいいものです。

  • 戦後から現代。祖母、母、私の3代の女性から見た世界が鮮烈に描かれている。古い時代が去り、新しい文化を築いていく人々の情熱や喪失。読み終わった時、まるでその時代を生きてきたかのような錯覚に陥った。
    2015.1.7


    戦後という今では神話に近い時代から、近代の波が襲いかかり、そして話は現代につながっていく。祖母、母、私の3代の女性から見た世界が鮮烈に描かれていた。
    戦後の日本は同じものを目指し登り続けていた。やがて生活は豊かになるが、同じ文化を皆が共有できない時代でもあった。ある生き方が、その時代の自明の理ではなくなっていく。

    古い時代が去り、新しい文明を築く人々の情熱や喪失が伝わってくる作品だった。
    現代特有の無気力や空っぽな感覚が時代の流れにつながっていたのだと分かった。
    読み終えたとき、まるでその時代を生きてきたかのような錯覚に陥いったことは、貴重な体験のように思う。
    知らない時代、知らない価値観に触れ、心を動かされ、小説の力を改めて認識させてくれた一冊。

  • 女三代期。というより、激動の昭和の話。いろんな説明が長くてちょっと退屈した。

  • 鳥取の旧家、赤朽葉というネーミング、千里眼など、横溝正史の世界を彷彿させる陰鬱さが大好物なので、第一部はワクワクしながら読んだ。万葉という特異な人物が魅力的ですっかりのめり込み、黒菱みどりとのエピソードも忘れられない。
    ところが第二部は趣きがガラッと変わり、毛毬の破天荒な性格同様に突っ走るように駆け抜けて終わった。だが印象は強い。
    第三部の瞳子は万葉、毛毬に比べたら普通で平穏だったが、そこに謎解きを持ってきたので、最後まで飽きずに読めた。かなりの長編だったが一気に読めたのは構成がうまいのと、登場人物の個性がしっかりしてたから。他の登場人物たちも魅力的だった。
    それぞれの女の生き様や性格がその時代を反映していた。自分の母親、祖母のことを思い浮かべ対比しながら、その時代に思いを馳せて懐かしかった。
    女ばかりでなく職工さんのように男も時代の波にのまれ、昭和という時代が終わったのだなと、哀愁と郷愁の思いが心に残った。

  • 赤朽葉家の万葉、毛毬、瞳子の女三代記。桜庭一樹らしい淡々とした文章の中に、女の禍々しさとそれぞれの生き様が描かれていた大作だった。女三代記ではあるがこれって結局は万葉の物語なんだろうなとも思う。毛毬の生き方は刹那的。でもきっと彼女はそうじゃないと生きられない少女のような女だったんだろう。万葉、毛毬の章に比べると瞳子の章は物足りなく感じたが不肖の孫娘。そこでうまくバランスを取ってるのだろう。一ツ目の飛ぶ男の正体になんだか切なくなる。2段組の本だったので読了にかなりの時間を要したが良かった。2011/206

  • 高度成長期に製鉄という象徴的な産業、そこへ嫁いだ、千里眼の娘。迷信と科学が入り混じる祖母万葉の時代だった。娘の時代は高度成長期。そしてバブル。ひとのこまやかな感情をあえて表に出さず、理不尽なまでに事実だけが物語をすすめていく。赤朽葉家という山を背負った、たたら場が、おどろおどろしく思われたのは祖母の語りのうまさか。現代に近づくにつれ、最後が淡々としてくるのは、最初の章は聞き書きという理由があった。聞いているのは現代の孫娘。書いているのは現在。聞き手が本当のことを言っているのかはわからない。何かを隠しているのかもしれない。それが、この手記のはじまりだったのだろう。個性的な人物が数多く出てくるが、混乱はしない。それほど、キャラクターがたっている。最後まで楽しめた。

  • 独特ですねぇ。
    前半部分、なかなか馴染めずに
    ちょっと不安な感じでしたが、途中から面白みが増してきました。
    独特な世界と現代の日本の高度経済成長、バブル景気、平成の世の背景をブレンディング。
    鳥取の旧家の三女の伝記ストーリー。

  • 泪と百夜がどういうことを考えて生きてたのか気になる。泪は、万葉の視線をどういう風に受け止めてたんだろうなあ。


    この人のネーミングセンスやっぱりすごい。特に鞄。

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赤朽葉家の伝説の作品紹介

"辺境の人"に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の"千里眼奥様"と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。-千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

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