空色メモリ

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 354
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024512

感想・レビュー・書評

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  • まさに、「空色メモリ」に収められるべき青春の日々!
    もう、高校生たちがかわいくて、いじらしくて♪

    私も、靴泥棒捕獲のために水の出ない水飲み場の陰で一緒に張り込みしたり
    友達に付き纏う卑劣なヤツを懲らしめるために
    身を潜めていた押入れやベランダから「せーの!」で飛び出したい!
    なんて年甲斐もなく思ってしまうほどに。

    98キロの体から滲み出る汗を気にして、2時間毎にトイレの個室に籠り
    デオドラントシートで汗を拭き、これでもか!というほど消臭スプレーを振りかけ
    学校内で無駄な摩擦を生まないよう、悲しいくらい気を配って生きてきたのに、
    気になるサキを守るために雄叫びをあげて押入れから飛び降りて見事に骨折する陸も

    陸が会話を必死に繋いで、なんとか校外でのデートを成就させようと提供した話題を
    無駄に詳しい豆知識を羅列して呆気なく潰してしまうKY度120%のハカセも

    陰湿ないじめには諦めの境地で耐えるもの静かな文学少女なのに、
    「面白さを求めないでなにが小説ですか。」と、美形の男性キャラ登場に関しては
    ぜったいに譲らない野村さんも

    「いたたまれない」を「いたたたまれない」と、「た」の大盤振る舞いで発音し
    友達を守り、正しいと思うことを実行するためなら
    着陸方法を習う前に離陸してしまう無鉄砲少女、サキも

    クラスの主流から外れようと、空気のように存在感が薄かろうと、
    みんなそれぞれの輝きを放ちながら、精一杯生きている。

    ようやく奪還した空色メモリを卒業した陸によって
    桃色メモリにこの先綴られる物語が、幸せに満ちていますように。
    でも、ちゃんとパスワードは設定してね♪

    • まろんさん
      hetarebooksさんのおすすめ本だっただけあって、とても楽しく読めました♪
      曲がり角ごとに体のあちこちを
      ゴツンゴツンぶつけて歩いてる...
      hetarebooksさんのおすすめ本だっただけあって、とても楽しく読めました♪
      曲がり角ごとに体のあちこちを
      ゴツンゴツンぶつけて歩いてるようなところが、ほんとにかわいくて。

      越谷オサムさんは、会話が生き生きしていて引き込まれますね!
      陸とサキのテンポのいい会話にも、ハカセと野村さんのズレまくった会話にも
      クスクス笑いっぱなしでした(*'-')フフ♪
      2012/09/26
    • みなさん
      コメントありがとうございます☆越谷さんの本に最近はまっていて、空色メモリも青春な感じがして楽しめました~。一生懸命さが好きです。言葉足らずで...
      コメントありがとうございます☆越谷さんの本に最近はまっていて、空色メモリも青春な感じがして楽しめました~。一生懸命さが好きです。言葉足らずですが、すいません。。
      本棚の写真は、実家で買っている猫で今ではだいぶ年寄りです(笑)猫好きみたいで、親近感わきますね。また遊びにこさせてください。ありがとうございます(*^^*)
      2012/11/14
    • まろんさん
      みなさん☆

      こちらこそ、コメントありがとうございます!うれしいです♪
      越谷オサムさん、会話が生き生きしていて、楽しくて、大好きな作家さんで...
      みなさん☆

      こちらこそ、コメントありがとうございます!うれしいです♪
      越谷オサムさん、会話が生き生きしていて、楽しくて、大好きな作家さんです。
      最近では、『いとみち』がとても面白かったのですが、みなさんも読まれましたか?
      写真の猫ちゃん、お年寄りなんですね。なるほど、可愛い中にも風格があります!
      2012/11/15
  • 観察眼鋭いおデブちゃん 陸と、知識は膨大なのに空回りしまくりのハカセ。
    さえない男子二人の文芸部に、うら若き乙女 野村さんが入部。色めき立つ男子!
    しかし彼女が文芸部に入部したのには何か理由がありそうで…

    おデブちゃんとして自虐しつつ気のいいキャラを演じることで他の生徒との距離をはかっている陸の目下のお楽しみは<空色メモリ>。ただの日記ではなく小説風に周りの出来事をこっそり綴った水色のUSBメモリ。

    バスケ部期待の新人で見目麗しい男前の新谷くんをめぐる女子の騒動、野村さんに恋してしまったハカセ、でも野村さんは新谷くんとただならぬ仲…!?

    と、ここまで書きあげた<空色メモリ>を何者かに奪われ、脅迫メールを毎日送りつけられる陸。
    野村さんは何者かによって靴を隠され、嫌がらせをされ…ハカセをはじめ、陸と新谷くんの元ファンで野村さんの友達でもあるサキによって犯人探しが始まります。

    緊張すると声が裏返ってしまったり、女の子となかなかうまく会話できないハカセ。それでも好きな子が嫌がらせにあっていると知って怒り狂い、そんなバカは「とっ捕まえて折り畳んで下駄箱に詰め込んでやればいい」と息巻いて必死に犯人探しをするハカセは最高にかっこよかったです。


    いいぞいいぞ!いのち短し恋せよ男子!!

    陸は今後<桃色メモリ>に何を綴るのか…私、気になります!

    • まろんさん
      ふふ♪hetarebooksさんも、
      「私、気になります!」のフレーズに魅入られているのがうれしい今日この頃♪

      なんとこの楽しそうな本、『...
      ふふ♪hetarebooksさんも、
      「私、気になります!」のフレーズに魅入られているのがうれしい今日この頃♪

      なんとこの楽しそうな本、『陽だまりの彼女』の越谷オサムさん作ではありませんか!
      これは読まねば!
      読む意欲倍増(当社比)の素敵なレビューをありがとうございます(*^_^*)
      2012/09/11
    • hetarebooksさん
      まろんさん
      ふふふ♪気に入ってしまうとしばらくそのフレーズ使ってしまいますよね♪

      『空色メモリ』はハラハラしながら読んだのですが最後...
      まろんさん
      ふふふ♪気に入ってしまうとしばらくそのフレーズ使ってしまいますよね♪

      『空色メモリ』はハラハラしながら読んだのですが最後は痛快で☆
      『陽だまりの彼女』も面白いのですね!これは読まねば!

      こちらこそありがとうございます!!
      ちびっこはお母さんのような愛情でくるみ、凛としたヒロインには親友のように、素敵な男性には少女のようにはにかみながら、登場人物それぞれに愛情を込めたまろんさんのレビューで、読む意欲倍増させていただいています(*^_^*)
      2012/09/11
    • まろんさん
      わあ!最後の3行があまりにうれしくて
      娘が帰ってきたら「見て見て!すぐ見て!」と
      PC前に強制連行して、はりきって読ませます!
      身に余る素敵...
      わあ!最後の3行があまりにうれしくて
      娘が帰ってきたら「見て見て!すぐ見て!」と
      PC前に強制連行して、はりきって読ませます!
      身に余る素敵なお言葉、ありがとうございます♪
      2012/09/12
  • 爽やか~。ミステリとしてはちょっとパンチが弱いけど、その分友情度合いでカバー!読み始めは主人公の陸に対して特に興味は持てなかったのに、中盤辺りからいい人オーラ炸裂で大好きになった。文芸部に幸あれ。

  • 越谷さんらしい話で、とても面白かったです。一般的には星マイナス1かもしれませんが、私にはストライクど真ん中でした。

  • ギャー!そこで終わる!?そりゃあハッピーエンドになるだろうさっ。それ以外の結果なんて考えられない。余韻を持たせる終わり方もいいけど、きちんと結末が知りたいよねー。ま、楽しめたからいいんだけど。

    陸とハカセに幸あれ!

  • 冴えない文芸部に入部してきた新入生の女子。彼女の周囲にいやがらせが起き始め、彼らは解決するために調査を始めるが?ラストの展開が楽しかった。ぐはは。あんなことになるとはなあ……。四人の楽しくやっている感じがとても好印象。青春部活ものとしておすすめです。(あまり部活はしてないけど)

  • 悪い意味ではなく、いい意味で軽い文章。とっても読みやすい。コンプレックスにこれほどまでに悩む主人公ははじめて。

  • 越谷さんの作品を読むのは初めてだったのですが、とっても面白くて満足でした!内容も良かったし、キャラクター設定も好きでした。新谷くんがシスコンっていうところが個人的にツボです(笑)話の締め方が素晴らしい!

  •  人の往来の少ない校舎の隅や壊れた蛇口の水飲み場、きっとどの学校にでもある場所。華やかな運動部のスター選手も一握りだけどきっといる。それ以上に埃っぽい部室の片隅で細やかな友情と小さな恋を育んでる奴もきっといる。
     笑ちゃうくらい冴えなくて、勘違いも多いけど恋と友情は青春という名の得体のしれない期間を走り抜けるための強力なエンジン。
     きっとたくさんの時が過ぎて空色メモリをUSBに差し込んだら、懐かしさと愛おしさに胸が満たされる。
     

  • 私、誤解していました。
    表紙の女の子って。。。
    :::::::::::::::::::::::

    さえないデブとメガネの男子。
    2人だけの文芸部に「野村さん」という女の子が入ってきた!

    何で1人で? それもこんな地味な部に。
    うわさのイケメンとの関係は?
    彼女の靴を隠したのはだれ?
    脅迫状の主は?

    コンプレックスを抱えながら、ぎりぎり明るいデブ路線を演じる主人公、
    そして、一緒に謎解きをしていくようになる「サキ」。
    主人公の「空色メモリ」の盗難から
    一気に問題は「野村さん」から「空色メモリ」に移っていく。

    最初、表紙の女の子は「野村さん」だと思っていたんです。
    だけど、ヒロインは「サキ」だったんですね。
    表紙の女の子の謎も解けました。

    思い切って1歩超えれば、いろいろうまくいく。
    爽やかに切り開いていく物語、とってもよかったです。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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