メグル

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024536

作品紹介・あらすじ

「あなたはこれよ。断らないでね」奇妙な迫力を持つ大学学生部の女性職員から半ば強要され、仕方なく指定されたアルバイト先に足を運んだ大学生たち。そのアルバイトは、彼らに何をもたらすのか?五人の若者を通して描かれるのは、さまざまな感情を揺り動かす人間ドラマと小さな奇蹟の物語。小説の楽しみを存分に詰め込んだ愛すべき傑作、鮮やかに登場。

感想・レビュー・書評

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  •  ある大学の奨学係、何とも不思議な雰囲気を醸し出すユウキさん…彼女から「あなたは行くべき、断らないでね」と半ば強引にアルバイトの斡旋を受けた大学生達、そのアルバイトは一風変わったものばかり…そんなアルバイトについての5編の連作短編集です。

     「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」…どのお話も言葉では説明が難しい出来事もあったりしたけれど、すごく面白かったです!「ヒカレル」「メグル」は起こることは、オカルト??でも、なんか読後がいいっ!「アタエル」は、怖いなぁ…イヤミスチックな感じかな…ドキドキしました。一番読めて良かったのは「タベル」だなぁ~なんかラストシーンが、こっちまで嬉しくなってくるような感じで(^^)

     学生に適したアルバイトを斡旋するユウキさんって何者なんだろう??ちょっとだけ、青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」か、辻村深月さんの「ツナグ」みたいな感じかな…でもこの作品の方がちょっとだけいい意味で人間くさいような~私は好きですね♪アルバイトを経験することでそれぞれの大学生がそこから学び成長を遂げるような…もともとは、この作品本屋さんで書店員さんが、おすすめする作品コーナーにあったのを目にして、でも図書館から借りました。この作品、続編もあるようで「わたしの忘れ物」、読むのが楽しみです♪

    • かなさん
      辛4さん、こんばんは!
      コメント、ありがとうございます。
      元気ですと言いたいところですが
      ここのところの暑さでバテ気味(^-^;)
      ...
      辛4さん、こんばんは!
      コメント、ありがとうございます。
      元気ですと言いたいところですが
      ここのところの暑さでバテ気味(^-^;)
      辛4さんは変わりないですか?

      この作品って、レビューに書いてあるんだけれど
      書店員さんがめっちゃ、
      力入れて紹介してる本屋さんがあって
      で、辛4さんも高評価だったし、
      図書館であとから借りたんですよ(*^^)v
      結構面白かったですよ♪

      猫ひろしさん、マラソンの下見で見られたんですね!
      最近はあまり観ないけどどうされてんでしょうねぇ…
      それとも私が本ばっか読んでて
      テレビ観る時間は減っているから
      私だけが観てないのかな…
      2023/07/17
    • 辛4さん
      そうですよね、もう暑いですからね(こちらはそうでもないです)。
      のりきりましょう~

      私はこの1Wかぜでダウンです。ちょっとまいりまし...
      そうですよね、もう暑いですからね(こちらはそうでもないです)。
      のりきりましょう~

      私はこの1Wかぜでダウンです。ちょっとまいりました。
      ちょっとゆっくりしました。今日からまたお仕事いこうかと。

      私、高評価でしたね、いつも読んでいただき、またいいねありがとうございます。最近は世界が間もなく変わると思って毛色の違う本を読んでいますが、世界が落ち着いたらまた昔の本に戻りたいとおもっています。
      大量の本を抱えています。

      またよろしくお願いしますね。
      2023/07/18
    • かなさん
      辛4さん、おはようございます!
      今日もすでに朝から暑いです((+_+))
      いいですね~北海道、そこまで暑くはないいって…

      でも風邪...
      辛4さん、おはようございます!
      今日もすでに朝から暑いです((+_+))
      いいですね~北海道、そこまで暑くはないいって…

      でも風邪でダウンって…
      もう大丈夫ですか?
      今日からお仕事もお気をつけて…
      無理をせずに乗り切りましょうね!

      そう、辛4さんの評価も
      この作品を読むきっかけをくれました!
      今辛4さんが読まれてレビューしている作品も
      レビューはコメントしなくても読んでいますよ。
      こちらこそ、またよろしくお願いします(^^)
      2023/07/18
  • 結婚して間もないころ、通っていた歯医者さんが、あまりに人手不足だったのか
    「受付のアルバイトをしませんか?」とスカウトしてくれたことがありました。

    憧れの、ピンク色のナース服♪
    あれは、七難隠すどころか百難くらい隠してくれる魔法のアイテムですね。
    常連患者さんからの電話を取ったら、いきなり「付き合ってる人いるんですか」と訊かれたり
    (「あの・・・結婚してるんですけど」と答えたのを聞いて、
    患者さんの歯を削っていた先生がぷぷっと笑ってしまい、
    治療中の歯、危機一髪でした)
    診察券と一緒に手紙やプレゼントを渡されたり、生涯で一番モテた半年間でした。
    私なんかでもそんな状態だったのですから、
    どうせバイトするなら可愛い制服でちやほやされたい♪ 
    という女の子には、超オススメのアルバイトです。

    。。。と、こんな私のオススメでは歯医者の受付のバイト人口が増えるはずもないけれど
    この本に出てくるH大の学生部奨学係の女性職員、悠木さんが薦めてくれるバイトは
    絶対に引き受けたほうがいい。
    たとえそれが、亡くなったお婆さんの手を握ってお寺でひと晩過ごすとか
    豪華な食事を、作った人にじいっと見つめられながら食べた後、頬ずりされるとか
    幽霊と和やかに会話しながらガーデニングにいそしむとかいう、摩訶不思議なものでも。

    「あなたは行くべきよ。断らないでね」と悠木さんが断固として押し付けるバイトは
    自分でも意識していない、その人が今いちばん必要としているものを
    最後に必ず与えてくれるのです。

    5件のバイトのうち、悠木さんが唯一「行くべきじゃないわ」と言った
    「アタエル」というバイトは、肌が粟立つほど怖かったけれど
    その後に続く「タベル」と「メグル」の温かさに救われます。

    学生に戻って、H大学生部の古びた廊下を辿り
    奨学係窓口のガラスをコンコンとノックして
    静かに振り向く悠木さんをひと目見てみたい! と願わずにいられない物語です。

    • まろんさん
      noboさん☆

      まあ、なんと!
      noboさんはあの、魔法のアイテムを常日頃身につけるお仕事だったんですか!
      お家でも着てほしいというリクエ...
      noboさん☆

      まあ、なんと!
      noboさんはあの、魔法のアイテムを常日頃身につけるお仕事だったんですか!
      お家でも着てほしいというリクエスト、可愛くてきゅん♪としました。
      でもnoboさんなら、白衣なしでもじゅうぶんやさしそうな気がするのですが(*'-')フフ♪

      「てふてふ荘」が100円だなんて、ビバ!ブックオフ☆ですね。
      てふてふ荘の新たな住人になったつもりで、存分に堪能してください。
      そしてnoboさんのレビュー、楽しみに待ってます♪
      2013/04/08
    • macamiさん
      受付にスカウトだなんて、まろんさんすごい!
      でもまろんさんが受付だったら行くのが楽しみになりそうです^^

      なんだか怖い部分があるようで・・...
      受付にスカウトだなんて、まろんさんすごい!
      でもまろんさんが受付だったら行くのが楽しみになりそうです^^

      なんだか怖い部分があるようで・・・
      書かれていない「アタエル」にドキドキしています。(笑)
      2013/04/10
    • まろんさん
      macamiさん☆

      いやいや、ほんとに人手不足だっただけなんです、たぶん!
      でも、人とおしゃべりするのは好きなので、引っ越すまでの半年間、...
      macamiさん☆

      いやいや、ほんとに人手不足だっただけなんです、たぶん!
      でも、人とおしゃべりするのは好きなので、引っ越すまでの半年間、
      とても楽しいアルバイトでした。
      macamiさんがもし患者さんだったら、受付で話が弾みすぎて叱られちゃったかもしれませんね(笑)

      「アタエル」は心理的に怖いんですが
      いちばん最初の「ヒカレル」は、いいお話なんだけど
      もう、皮膚感覚的に痛いというか怖いというか
      怖がり屋さん仲間のmacamiさんには、とても詳細を語れません(>_<)
      2013/04/10
  • 「あなたはやるべきだと思います。断らないでください。」
    始まりはそんな言葉だった。
    少し不思議で、少し怖くて、少し温かいものが刻まれる小説でした。

    お話は…
    奇妙な迫力を持った大学学生部の女性職員から半ば強要され、仕方なく指定されたアルバイト先に足を運んだ大学生たち。
    そのアルバイトは、彼らに…もたらしていく…

    ユウキさんが大学生に手渡すアルバイトを通して紡がれる短編5つ。
    「ヒカレル」「モドル」「アタエル」「タベル」「メグル」

    「ヒカレル」、「モドル」、そして「メグル」がよかった。

    「ヒカレル」ミステリーな要素もよかったし緊迫感もあった。読んでて様々な痛みを感じた、様々な人の心の。

    「モドル」最後にとけたシーン。光と音を一気に取り戻した感じがした。

    「メグル」ユウキさんのやさしさに触れることができる。
    爽やかな風がそよいでいく空を感じた。


    この本はブクログでフォローしている人のレビューで知った。
    読んで良かったと思った、本の波長があう人だとうれしくなった。
    ブクログで繫がる、ブクログが結んでいく、ステキな本が増えていく。
    温かい。

    • まろんさん
      怖がり屋の私には、涙目になってしまうような怖いシーンも多かったのですが
      生きているひとも、この世を去ったひとも
      分け隔てなく温かく見つめる、...
      怖がり屋の私には、涙目になってしまうような怖いシーンも多かったのですが
      生きているひとも、この世を去ったひとも
      分け隔てなく温かく見つめる、乾ルカさんの視線が素敵な本でした。
      これから追いかけていきたい作家さんです(*'-')フフ♪
      2013/05/01
    • decoさん
      一話目は迫るものありましたね( >◡<)
      乾ルカさんの作品私も読んでみたくなってます!
      一話目は迫るものありましたね( >◡<)
      乾ルカさんの作品私も読んでみたくなってます!
      2013/05/01
  • こちらを読む前に「わたしの忘れ物」を読んでしまい、以前のユウキさん読みたさに手に取った。大学の学生部で「あなたは行くべきよ。断らないでね」とバイトを紹介され行った先では自分に必要な出会いが待っている。どの話も怖かったり、じんわり温かい気持ちになったりする不思議な話たち。死体と寝る、猛犬にへの餌やり、ただ食事をする・・・本当にこんなバイトがあったら驚くような内容で怖いもの見たさが刺激される。何よりユウキさんの過去が分かり全てが腑に落ちた。ただ怖い、不思議ではなくバイトを通じて成長したり前に進む姿が良かった。

  • 大学の学生にアルバイトを斡旋する奨学係。
    そこを訪れた学生たちに、その人にぴったりのアルバイトを紹介する謎の女性、ユウキさん。
    「あなたはこれよ。断らないでね。」
    そのアルバイトは学生達に、いろいろなことをもたらすこととなる。

    5つの話からなる連作短編。
    オカルトチックだったり、不思議系の話だったりでしたが、総じてどれも「いい話」ばかり。
    学生たちは、それぞれに、何らかの問題を抱えていて、そのバイトに行くことで、最後は解決を見るという、良く出来たストーリーです。

    ふむふむ、なるほどと、サラリと読了。
    『アタエル』が不気味でしたが、面白かった。

  • 5つの短編集。どれも、ホラー?ミステリー?要素が入ったストーリーなのに、なぜか心が温かくなる話で二晩で一気読み。
    雰囲気はは辻村深月さんの『つなぐ』と近い感じかな。

  • 2014.8.8 読了

    大学の学生部の アルバイトを
    斡旋してくれる部署にいる
    女性職員。
    。。。が、学生に アルバイトを
    紹介するのだけど、
    「あなたには この仕事よ。
    断らないでね」
    と 半ば 強制的に 紹介する。

    不思議な設定で ありえないのは
    わかってますが、
    不思議と その仕事が その学生でないと
    いけなかった理由や 意味があって、
    なかなか よくできた話だなあ!と
    思いました!

    5編からなる短編で、
    どの話も おもしろかった!!

    特に ちょっとパターンが違った
    3篇目の 「アタエル」が おもしろかったかな。

  • ライトノベルと言いましょうか、ミステリーと言いましょうか、微妙。とってもわたし好みのテイスト。とある大学(たぶん北海道大学)を舞台に、学生にバイトを紹介する奨学係の悠木さんを軸に展開する短編というか中編集。悠木さんに強引に紹介されたアルバイト、ちょっと難ありな雰囲気なんだけど、結果的に、紹介された学生にジャストフィットなワケアリ物件という設定で…。悠木さんの雰囲気、大好き。一つ一つのストーリーがちょっとホラーとかミステリーっぽくって、なんとも素敵な雰囲気。

  • 世にも奇妙な物語的な・・・
    大学学生部の不思議な女性職員から半分強要されたアルバイト・・・とても心動かされた!
    良かったです。

  • 【ヒカレル】
    一晩寺で寝るだけで報酬は5万円、交通費は別途支給、夕食・朝食付き――あなたならこのバイトを引き受けますか?ただし、寝るのは死人と一緒ですが・・・。
    大学4年の高橋健二はバイトを探そうと学生部の建物に入ると、いきなり奨学係の女性職員から声をかけられる。「あなたは行くべきよ。断らないでね」と言われ、高橋はその怪しいバイトを引き受ける。
    【モドル】
    飯島涼子が引き受けたのは自分が通う大学の付属病院内にある売店の商品入れ替え作業。10時から18時、昼食付きで1万円。やはり「あなたは~」のセリフを言われる。数ヶ月前に父が入院し、それがきっかけで父は人が変わったように母に対する態度が酷くなった。それがストレスになったのか、母は涼子に八つ当たりするようになり、そんな環境に嫌気が差した彼女はなるべく家に居ないで外出することが多かったため、出費がかさみバイトをする必要にさまられた次第であった。母が結婚指輪を失くした一件以来、家族間の空気は気まずいものになっていたが・・・。
    【アタエル】
    「本当ならあなたは行くべきじゃないわ。後悔しないでね」
    前の2人とは違い、高口康夫が目をつけたアルバイトをしぶしぶ了承した奨学係の女性。14日間、犬に一度餌を与えるだけで14万円もらえるバイトの裏に隠された秘密とは?
    【タベル】
    アルバイトの求人を見るためではなく、ゼリー飲料の容器を捨てるために学生部庁舎に入った橋爪啓太。そこで例によって有無を言わさずアルバイトを引き受けさせられる。内容は「食事」。2時間で時給5千円、7日間。依頼主の佐藤が住んでいる豪華なマンションに着くと、一流シェフ顔負けの料理が机に所狭しと並べられていた。自分は食べずに橋爪が食べるのをじっと見ている佐藤。そして、食べ終えた後に頬をくっつける意味は?
    【メグル】
    学生部にある学寮係の大橋冬樹は5年前あるバイトをした。今回、奨学係の女性に打診された内容は5年前と同じだった。住所を確認すると、そこは自分の住んでいるところだった。バイト当日に庭先に出ると、そこには三瀬みゆきという見知らぬ女性が立っていた。「ここは私の家よ」と言われ、頭が混乱しつつ庭仕事を手伝うが・・・。

    40~50ページほどの短編が5つ収録されており、ミステリーをベースにファンタジー、家族もの、ホラー、青春もの、と多彩なジャンルを書かれるんだなあという印象をもった。一つ一つは悪くはないけど、ミステリー要素がもうちょい!とか長編化したらもっとおもしろくなりそうだなあとか思ったり。まあなんにせよ、追いかけていきたい作家さんがまた一人増えたのは事実だ。

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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