夜の国のクーパー

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 東京創元社 (2012年5月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024949

夜の国のクーパーの感想・レビュー・書評

  •  これはなんというか荒唐無稽な寓話というべきか。この作者もともとそういう指向はあったのだけれど最近はそれが色濃くでてきて前衛的というか破調というかまあファンタジーなんだろうな。評の書きにくい小説だ。クーパーという謎の杉の木の化け物退治の伝説をもつ国が隣接する鉄国と戦争して敗れ支配者がやってくる。そこでは物語の主人公でもある猫がしゃべり鼠と会話したり、ひょんなことからその国に流れ着いた私という外部の人間に事情を説明したりしている。などとあらすじを書き綴ってもまさに荒唐無稽にしか思えないな。猫との意思疎通は別として、終末部では現実離れしたクーパー伝説や鉄国との戦争に意外と合理的な種明かしがされて、さらには外部者の私とその国の住民とのあっという関係も明らかになり、めでたしめでたしとなる。ん、これは一種のミステリだったのだろうか。いやそうじゃなくてやはり寓話としかいえないものだろうな。ネタバレになるので書けないけどある有名な童話が下敷きだろうし。

  • 面白かった。
    図書館で借りてきて、次の日には読み終わった。これは☆5でも足りねぇぜ!とか思ってたのに、他の人の評価が意外にも低くて驚いてる。

    最近では伏線を回収し切らないお話も結構あったけど、今回は久しぶりにこれでもかってくらい回収してってたので、とてもスッキリしました。


    ココカラネタバレアリ〼(´・ω・`)


    最初から何かと、裏がありますよー!って主張してる感じだったので、いろいろ予想しながら読むのがとても楽しかったです。

    冠人は登場早々に悪いやつな気配がすごかったし、クーパーはきっと存在しないだろう感じもあったし、トムとの出会いからしてガリバーな雰囲気がじわじわ出てたし。

    トムの語る世界は、人間を客観的に見られているようでもあるけど、その実は一匹の猫から見た思いっきり主観的な世界だから、それがとてもよかった。トムの見る世界は実際と違うだろうことは容易に想像できるし、どれくらいずれているのか考えたらぞくぞくして、早く真実を知りたい気持ちでいっぱいになりました。

    壁の中に住み、外の世界を知らない人たちと、そんな国民を騙しながら保身に必死な王様。知らないことのこわさというか、隔絶された世界の独特な気味の悪さみたいなものが最高でした。また、最後にはちゃんと救いがあるのが伊坂さんのいいところだなあって思いました。

  • ハズレかと思ったけど最後まで読んだら面白いなって思った

  • 裏切らないわあ
    なるほどねえ

  • 舞台というか、時代背景があまり好きじゃないなと序盤は飛ばし読み気味でページを捲る。伊坂のファンタジーねぇ…どうなの?と思いつつ読み進めていったのだがちょっと面白いかも!と結局は最初から読み直すことに。なんとも微笑ましいオチでなかなか楽しめた。にしてもなー猫とお話し出来るなんて、いいな。羨ましすぎる。

  • 猫視点で描かれていて、猫の気持ちと尻尾の関係の描写が素敵。
    オーディボンの祈りに似たような、閉鎖した国の話。

    どんどん明らかになっていくストーリーの、ラストが良かった。

  • 『いざという時のために準備をし、責任を取る覚悟持っていることが、偉い人間の唯一、やるべきことだろう。』

    「人間というのは、困ったら、まわりの誰かと相談したくなる生き物なんだ。『相談した方がいいかしら?』ということすら、相談したくなるらしいぞ」

    『自分の役割を果たした達成感で、体の芯が快く震える。死ぬのではない。透明になるだけだ。』

    『少なくともこの町は、夜の闇に沈んだ重苦しさに満ちていたが、そこに仄かな陽が射し込んだ。その場にいる人間たちの表情が、若干とはいえ、明るくなったからかもしれない。朝が来るのも、夜が長いのも、人間の表情次第ではないか、と思いたくもなかった。』

    「任せておけよ。俺の身体を割いてみろよ、骨と肉と自制心しか詰まってないから」

    「俺を信じるかどうかは、おまえたちの自由だ。どんなものでも、疑わず鵜呑みにすると痛い目に遭うぞ。たえず、疑う心を持てよ。そして、どっちの側にも立つな。一番大事なのはどの意見も同じくらい疑うことだ」

  • 3
    鉄国という大きな国の中にある小さな国でのガリバー旅行記的な物語。猫の目線と人目線で話が進む。実態は鉄国に支配されているのに、小さな国の王がクーパーという虚像を使って支配している。支配するされるの関係が鉄国と冠人、冠人と国の住人、猫と鼠など色々出て来て、その方法も、一部の鼠や人を差し出すなど対比されていて、ガリバー的な主人公が来て状況が一変する。歩み寄りが大事的な感じ。物語が明らかになっていく感じはなかなか面白い。

  • オーデュボンの祈りに似た雰囲気がある作品。ただ、推進力に乏しく、話の魅力も今ひとつでした。伏線は張ってあるのだけど、筋も読みやすく、最後ではまった喜びも感じられませんでした。

  • 猫 → ネズミ 襲う。

    これって当然なの?!
    これって本能なの?!
    本能だったらそれでいいんじゃね!?
    当たり前ってことは何もねーんだよ!?
    って自問自答しながら答えに届かない…

    うー なんかすっきりしねーまま
    クーパーの事で話し進んじゃった…。

  • 「ちょっと待ってほしいのだが」私は、トムという名の猫に、話しかけた。猫に喋りかけていること自体、眩暈を覚える思いだったが、致し方ない。

     銃により頭をふき飛ばされ、壇上に倒れ込んだ冠人は死んだ。死んでから倒れたのか、倒れてから死んだのか。

    「前にそう呼ばれる樹を見たことがあるんだ」ハワイのオアフ島へ旅行に行った時に、背の高い尖った杉を見たことがあった。ガイドの男性が説明するには、「キャプテン・クックが見つけたため、クックパインという名前だ」とのことであったが、私は、杉であるのに、「パイン」という名前であることが不思議で、そこで反射的に、ヒマラヤ杉が「杉」と名がつくにもかかわらず、マツ科である事実も思い出したものだった。

    あとがき
    登場人物の命名について最上のお手本は、(僕にとっては)大江作品以外にありませんから、他の僕の作品もたいがいが影響を受けていると言っていいかもしれません。

  • 2015.10.妻の浮気に悩んだ私は,釣りに出かけたところ舟が転覆する.気が付いたら手足を縛られていた.そして,猫のトムが話を始める.毎年,杉の木の怪物クーパーを退治するために複眼隊長が数名を連れて行く.そのクーパーの液を浴びた者は透明になってしまうという言い伝えがある.鉄国との戦争に負けたために鉄国の兵士がやって来て国を支配した.そして,国王の冠人を殺害した.新たな鉄国の兵士がさらに来るので助けて欲しいとトムは私に依頼する.実は,鉄国との戦争は嘘で,ずっと前から鉄国から国は支配されており,冠人が自分の身を守りたいためだけに鉄国に毎年クーパーの兵士を差し出していたのだ.それに嫌気が差した複眼隊長がクーパーの兵士を連れて鉄国の兵士の振りをして国に戻り悪の根源である冠人を処罰したのだ.しかし,本当の鉄国の兵士がやって来る.複眼隊長たちが国を守るために自らを囮にして守ろうとするが,彼らの4倍の体格の私が鉄国の兵士たちを追い払った.平和がやって来て,トムと歩いていると杉林があった.その向こうには海があり,砂浜には乗ってきた釣り舟が見えた.不思議な感じのミステリー,まあまあかな.

  • 伊坂さんの小説は安定感があって好き。
    今作はかなりあっさりしてるけどやはり、良い。

  • 支配下の恐怖。
    戦場でない守られた壁の中。
    いきなり敵人に来られても‥‥。

    きょとん‥‥。
    そして、国王の死で目が覚める。


    どうなるのだろうか、怖かった。
    枇枇なんて、レイプされかかるし。
    号豪は捕まるし。

    でも、安心して下さい。
    ファンタジーですよ。

    進撃か?と、笑えるとこも。

    オーデュボンの伊坂っぽい。
    ハードな部分があるのも、
    やはり彼っぽい。

    2015.9

  • 伊坂さんということで初めて手にしたファンタジー作品でした。
    最初の方は「ん?」っとなることが多くて中々進まなかったけど中盤からどんどん読み進められました。

  • 最初の方は椎名誠さん作品ぽい気味悪さで進みが悪かったけど後半からさくさく読めた。
    しかし細かいことが気になっていまいち浸りこめず。
    公務員がどうしたわけで海に流されてそこへたどり着いたのかどこかに書いてあったかな?

  • ネコのトムと人間の私、それからクーパーの兵士の3つの視点から語られる1つの物語。
    どこの国のどんな話なのか、説明するのは難しい。 ただ、これは世界の始まりの物語。 猫と鼠が世界を隠喩し、 人は何が本当で何が嘘かわからなくなる。
    伊坂さんらしい伏線の回収と、途中でわざとトリックに気付かせる。 それでも引き込む技術がある。

  • 書き下ろしの長編ということで期待大。ジャンルでいうとファンタジー作品かな。この人はどんなジャンルの作品を書いても面白い。というかこの人の文章ってなぜだかわからないけど読んでいて抵抗なく頭に入ってくる。ラストでページが残り少なくなると「あぁ~、終わっちゃう・・・」なんて思いながらも一気に読んでしまいました。やっぱり伊坂作品は長編がいいですね。

  • またも伊坂ワールド炸裂。次々と出てくる驚きの展開。複眼隊長がなかなかかっこよかった。兵士たちも家族に会えてよかった。つらいことがあっても、この話で言えば浮気をされても、歩み寄ることが大切。僕もでかくなりたいな〜♫
    2015/7/11 読了

  • とんと騙されたよ。
    さすが伊坂幸太郎だね。
    すごいのはほんとに色んな内容の本書くなーということ。おもしろい。
    あとは、格言めいたものが散らばってんだよね。
    ネコとネズミと人間の世界で色んなモノを単純化して対比して書かれてる。
    センスに脱帽します。いや、すごい。

  • はじめは非現実的な話で舞台とかもよくわからず、つまらないかもと思っていた
    猫がしゃべる
    ネズミもしゃべれた
    杉の木が動き出す
    クーパーをやっつける
    透明の兵士

    がりばー!!!


    270611

  • 村上春樹の世界の終りとハードボイルドワンダーランドを思い出させるつくり。なんだけど、現実世界と物語の世界の関係値が明かされないままにストーリーは終了する。伊坂っぽいといえば伊坂っぽい。村上春樹の方が親切なのかなぁ。

  • う~ん。。。パンチが甘め?

  • 面白かったんだけど、なんだかよくわからないもんにゃりとした。
    この社会もどこかわからない国同士も、猫と鼠の関係も、突き詰めればみんなおんなじということか。
    腑に落ちないことは多々あるとはいえ。それをどう上手く、決着つけるか。まだそれは、いづれも途上にあるけれど、まぁそれはそれでいいのでは?

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夜の国のクーパーの作品紹介

この国は戦争に負けたのだそうだ。占領軍の先発隊がやってきて、町の人間はそわそわ、おどおどしている。はるか昔にも鉄国に負けたらしいけれど、戦争に負けるのがどういうことなのか、町の人間は経験がないからわからない。人間より寿命が短いのだから、猫の僕だって当然わからない──。

これは猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。どこか不思議になつかしいような/誰も一度も読んだことのない、破格の小説。ジャンル分け不要不可、渾身の傑作。伊坂幸太郎、10作目の書き下ろし長編

夜の国のクーパーに関連するサイト

夜の国のクーパーのKindle版

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