福家警部補の報告 (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025410

作品紹介・あらすじ

実力派漫画家と辣腕営業部長、もと同人が迎えた不幸な結末(「禁断の筋書」)、少女が目撃証言を拒むのはヤクザの一徹に絆されたからか(「少女の沈黙」)、老夫婦が爆弾で吹き飛ばした三人は銀行を襲う直前だった(「女神の微笑」)。『福家警部補の挨拶』『福家警部補の再訪』に続く、倒叙形式の本格ミステリ第三集。「こんな気分久しぶりだわ。ワクワクする」福家警部補の攻勢に犯人も発奮!活殺自在の名刑事、今日も徹夜で捜査する。

感想・レビュー・書評

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  • 福家警部補シリーズ第3弾
    ドジっぷりと飄々とした中でも誰よりも鋭く事件を見抜いている様子は相変わらず。
    なぜか今回は福家警部補の事件を解決したいがための無神経さが目についた。
    犯人側に感情移入しやすかったのかな。
    最後の「女神の微笑み」は続きがありそうで気になる。

  • 前作はあざとく見えた福家警部補だが
    ここまでぶっ飛んだ変人振りが板についてくると
    逆に振り切ってて面白くなってくるから不思議だ。
    漫才や落語だけじゃなくて、マンガやラジコンにも詳しいなんて。
    しかもその知識がきっぱりオタクレベルでハンパない。
    この人にだけ1日48時間あるんじゃなかろうか。
    でなきゃいつ寝てるんだ(笑)。

    『禁断の筋書』はドラマで見たけど
    動機とか細かい部分がちょこちょこ変わってた。
    『少女の沈黙』は最後の1行が切なかった。
    『女神の微笑』は…
    まさか逃げおおせるとは。吃驚だ。
    しかも逃げおおせたのが人畜無害そうな老夫婦だってのがまた。

    まだ続くんだろうか。
    女神との対決はまたあるんだろうか。
    楽しみだ。

  • ずいぶんお久しぶりでした。
    ご無沙汰いただいた割に、
    警部補様には全然お変わりなく、以前お会いした時のままで
    大変うれしく思いました。

    今回も鮮やかな(?)ハズシで犯人をはぐらかし、どぎまぎさせイラつかせ、
    お約束のシーンとは言え、苦笑させられることも度々。
    天然ではなく、計算だと分っているのに、
    読者の一人として犯人に感情移入して一緒に冷や汗をかく始末。
    しかも、趣味も広く専門知識も豊富でそれだけでも犯人に対峙するとき
    見せ場は十分なのに、ヤワで平凡な外見とのギャップ。
    脳内映像でも十二分に楽しめます。
    しかも、犯人たちのお人柄というべきか(褒めたら駄目でしょうか?)
    ライバルたちも一級品。

    三作目の女神さまが野に放たれました。
    この終わり方はまた期待申し上げていいということでしょうか?
    次回もまた首を長くして待ってます。

  • シリーズ3作目。
    今回も読み応えがあり面白かったです。タクシー云々がもう可笑しい。
    「少女の沈黙」が一番好きです。菅原さんがいい人でした。しかし若い衆は菅原さんに甘えすぎなんじゃないかと。

    あの人はこれからも出てくるのかな。楽しみです。

  • 2021/10/13

    順番通りに読めなかったので第3弾。
    ここで初めて逃す犯人が出てくるんだー。なるほど。

  • 倒述もの。一作目を過去に読んでいるはずなのですが、正直記憶が薄いが、安定していてクオリティが高い。女性マンガ家が過去の仲間である編集部長を殺す話、元ヤクザが抗争を防ぐために奔走する話(これが一番面白かった)正義の老夫婦の話。
    福家警部補のキャラクターが若干鼻につくのと、サブストーリーのような形でチョイ役に幸運が訪れてほっこりする部分がやや蛇足。

  • 2019.05.16
    このシリーズは面白い!

  • 短編、中編合わせて三作。相変わらず安定して面白かった。福家のボケにも磨きがかかって思わずくすりとする場面もあった。

  • 出だしは、いつも殺人の実行から…。

    つまり、犯人がすでにわかっている、いわゆる倒叙ミステリーものと初めて遭遇したのが「刑事コロンボ」だった(年がバレバレ)。

    まあ、犯人が初めからわかっちゃうのなんて、どう、楽しめるんだろう、って思ったのは最初だけで、すっかりファンになっていた。

    和モノでは、古畑任三郎、そしてこの福家警部補シリーズ。

    「細かいことが気になる」なんてのは、「相棒」の右京サンと同じで、福家もかなりネチッこい性格だ。

    3つの短編からなるこの作品では、ところどころで「生き物がかり」シリーズの日塔や石松が登場。さらに、「少女の沈黙」では、少しだけだが、「生き物がかり」のメインキャラ、須藤と「共演」している。

    大サービスだ!

    須藤の名前が目に飛び込んできた(それに、ウスキまでも)瞬間、大喜びしていた。

    そういえば、小柄で童顔、警察官に、ましてや警部補なんかに見られず、いつも現場入りでトラブルを巻き起こしているのはウスキも同じだ。

    今回の作品も、相変わらずネチっこい捜査で、犯人を追い込んでいく。

    だが、事件には直接関係ない人のほんの些細な屈託を取り除いてしまう一言やアドバイスは、ほっこりさせてくれる。

    事件のことしか頭にないようで、周囲の人を注意深く観察し、心を配っている。

    これが、福家の魅力の一つである。

    しかし、何もかも見通しているかのような福家の恐ろしさは、十分描かれている。

    2つ目の「少女の沈黙」では、今は組を解散させているヤクザが、福家に事情聴取された後、背中を見せて去っていくのだが、「振り向かなかった。もう一度目を合わせたら負ける。そんな思いに囚われていた…いったい何なんだ、あいつは。恐怖にも似た余韻を…は感じていた」。

    これが、福家の本当の姿なのだろう。

  • 大好きなシリーズです

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著者プロフィール

大倉崇裕(おおくら たかひろ)
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年、「三人目の幽霊」で第四回創元推理短編賞佳作を受賞。98年、「ツール&ストール」で第二十回小説推理新人賞を受賞。2001年、『三人目の幽霊』でデビュー。代表作である白戸修シリーズ、福家警部補シリーズ、警視庁いきもの係シリーズは、いずれのシリーズもTVドラマ化されている。

「2022年 『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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