- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488025557
感想・レビュー・書評
-
ネタバレを気にしてる未読の諸君。そこまで、気にしなくても大丈夫。楽しみが半減するだけで、本作の評価が下がることはない。
納得の鮎川哲也賞受賞。極めて異例のクローズドサークルものだ。
作者の巧さが光る。本格ミステリとしてみる以外の、登場人物のキャラわけだったり、物語の引き込み方だったり、隙がなく、エンタメとしても完成度が高い。
久しぶりに心が沸き立つホワイダニット。大好物である。ぜひ唖然としてもらいたい。
仰天のトリックといいロジックといい、大満足である。デビュー作で、これほど書ける作家なんて、今後も大いに期待してしまう。名作のいいところを集めました感。
話題作と騒がれているうちに、この波に乗ったほうがいい。本ミス上位は間違いないのだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
館の中で殺人がおこると思っていたら、まさかのパニックものだとは....集まった人達は何人生き残れるのか。悲しい過去も証される。
-
とても驚かされました。あらすじを読んだ時は学生同士のクローズドサークルと思って読み始めたので、最初に物語が動いた後からは一気に読み進めてしまいました。
最後が少しモヤモヤした感じで終わったので、続編が楽しみです。 -
後程ちゃんとした感想を書きたいと思うのですが、しかしながらなんとも我慢ができないのでまずは今の率直な気持ちを述べたい。
面白すぎる。
そしてこれは話の始まりを少し説明しただけで、あとはもう読んでもらうしかない。あらすじを書くのは危ない。もちろんソレを知っていたとしても十分に面白いのだが。
よく帯に「あらすじを書けない」と書いてあるが、わたしはそれをあまり信用していなかった。これは正しく、あらすじを書けない本だ。
クローズドサークルもので、論理的なフーダニットとハウダニットが美しい。大学生サークルの映研の合宿と称した始まりは今までの名作を彷彿とさせてこれからの「事件」にそわそわしてしまう。不穏な噂や訳ありげなフロア見取り図…。そして、名探偵の登場だ。
読みながら思う。「おかしい。名探偵が二人いる。」この疑問はすぐに(あるいはずいぶん後に)解消される。解消される方法は、作品を読むことでしかわかり得ない。
年の暮れに、ほんとに衝撃的な作品に出会ったなあ。再読不可避だなあ。
それにしても、佐藤正午さんといい、カズオ・イシグロさんといい、この今村さんといい、今年は長崎当たってる。それでさらっと長崎の観光地が出てきたのかな?考えすぎかな。 -
〇〇〇に取り囲まれる中の殺人事件。大学生ってこともあるのか、登場人物がラノベっぽいし、怖いものに取り囲まれる中、よく殺人やら謎解きやらできるなと思うところもあるけれど、読みやすく、〇〇〇に追われながら最後まで集中して読めてしまった。本格ミステリでした、しっかりしてました。重すぎず、一風変わっててこういうのもいいんじゃないかな。好みは分かれそうだけれどね。
-
屍人荘の作品が話題になっていたころに本を購入し、積んだままに読めておらず早6年。やっと読めた。
ミステリ研究会に所属する大学生男女が、すったもんだしながら事件を解決していく一見王道ストーリーなのだが、途中からの展開にびっくり。
ミステリが好きなので、先の展開をある程度予想しながら読んでいたものの、その予想を見事に裏切られた。え!そんな密室ありなの?ってリアルに声に出た。
斬新な設定で物語がグイグイ展開していく中でも、しっかりミステリしており、今までとは違ったエンターテインメントのような感覚で楽しむことができた。
登場人物皆がとても魅力だったので、それぞれの背景をもっと深掘りしてほしかったなというのが正直なところ。犯行の動機に関してももうちょっと深みがほしい。
ただ、シリーズ作品として今後も続いていくとのこと。これからの作品も読んでみたい。 -
読んでみたかった名作!やっと読めました。
面白い!
えー!と思う展開でクローズド・サークルになる様子はとてもビックリしました。私が読んだことある作品だと「方舟」のときのような極限状態での殺人。
本格ミステリで古典的な推理小説だけど、全てシチュエーションが面白すぎた。 -
おそらくミステリ界で久々にクリーンヒットした本格ミステリ。本格の懐の広さを知らしめた。何を言ってもネタバレになるという触れ込みの通り、それをトリックとしていいのかというかなりトリッキーな設定で、特殊設定ミステリの火付け役(もともとあったけど)にもなった。
大学のミステリ愛好会に所属する二人が同じ大学の美少女探偵から誘われ映画研究部の合宿に参加することに。
そこで次々と事件が起きていく。
舞台の設定は超王道。でも映画化され、ミステリ界を席巻するムーブメントになるのだから…嬉しい限りだ。 -
アシモフの「はだかの太陽」を思い出します。あれはミステリとSFの融合、人類が太陽系を飛び出し、生活にロボットが浸透している世界故の動機、殺害方法、推理に、初めて読んだ時には驚愕しました。
クローズドサークルプラス○○○、その○○○がミステリとがっちり絡んで、単なるプラス要素ではなくなっている。
いいもん読みました。
巻末に選考委員の講評が載ってまして、辻真先が○○○は嵐とか地震とか、自然災害の位置付けだと思うと読みやすくなった、というようなことを書いていました。○○○がうまく処理されてない、と思われた方、今回の嵐は如何にして発生したか、について紙面を割くクローズドサークルってあんまないよね、と割り切るとよりのめり込めるのではないでしょうか?