シャーロック・ホームズの蒐集

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027407

作品紹介・あらすじ

あの名探偵が甦る。世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて、名探偵の「語られざる事件」を鮮やかに作品化してみせた、最高水準のパスティーシュ登場。6編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • パステーシュ。ホームズの「語られざる事件」を創作。

  • 優れたパスティーシュ

  • 2017年7月6日 夫からのプレゼント。

  • 北原先生のホームズパスティーシュといえば、【ジョン、全裸連盟へ行く】のみ既読なんですが、【ジョン〜】の方がBBC版のパロディだったのに対して、今作は満を持しての聖典パロディ!です!!(嬉

    既読作品が想像以上に面白かったので、今作のハードルもかなり高かったはずなんですが、なんのなんの!(古)楽々超えてきてくれましたわ〜o(^o^)o嬉


    なぜ、優良百貨店の荷馬車は時々遅れるのか?

    黄色いスカーフにまつわる因縁の謎とは?

    人狼の血を引くと言われる男は、理性を失い、家畜を噛み殺してしまったのか?

    詮索好きな老婦人があぶりだした恐るべき犯罪とは?

    大富豪の名を騙って次々と令嬢たちに送られるラブレターの謎とは?


    語られざる事件ものとか…………………
    最高です(号泣)。

    地の文のワトソンの文章表現とか、ホームズの持って回った言い回しとか、依頼者とのやり取りの空気感とか、もったいぶった推理披露とか、もう聖典に限りなく近いっていうか最早聖典でいいんじゃないでしょうか?(

    ホロヴィッツの絹の家が聖典に列せられるなら、今作だって検討されてもいいくらいのレベルじゃないかな〜。
    絹の家はね〜ラストがほんと救いがなかったからね〜。

    本作はちょっぴりビターな締め方の作品もあるにはあったんですが、全体を通して「シャーロック・ホームズ」がしっかり冒険してる感じがすごくワクワクさせられたんですよね〜。ああ、北原先生、ほんっとにホームズ好きなんだな〜って嬉しくなったんですよね〜(泣)。

    というわけで、シャーロキアンには自信を持ってお勧めします。って言うか、私レベルにお勧めされるまでもなく手に取られる作品だろうな、うん(笑)。

  • 北原さんのホームズパスティーシュ6篇。正典にある「語られざる事件」をテーマにしてあるが、文体といい、普通に翻訳版を読んでるみたいに楽しめた。これの執筆時に「SHERLOCK」のオマージュ版も書いてたそうで切り替え大変だったろうなあ^^;

  • ホームズシリーズで、名前だけは出ているものの、語られなかった事件を描いたパスティーシュ。
    面白かったです。
    本家ではあまり見かけない小さなレディも出てきまして私は満足です。

    こういった作品は、時代背景に深い造詣がないと嘘になるので、大変だと思います。
    警察の捜査ひとつとってみても、現代よりも何手も落ちる。
    指紋捜査もなかったはず。
    ギリ始まった頃だったかな?
    ううん、まあいいか。

    他にも違うタイプのシャーロックものを書かれているそうなので、読むのが楽しみです。

  • どうも英国風味を感じない。平身低頭なんて書かれるからか?古本者だけで良いのでは。

  • 星の数程あるホームズ関連本。昨今ではドラマの影響もあってさながら大宇宙の一つの銀河(他にも銀河はたくさんある)の深淵を見るようですが、パスティーシュもまた星の数程。
    本家が好きであれば、パロディやパスティーシュは確かに気にはなるけれど、なまじ本家と同じ「文字でストーリーを作り上げる」ものであるため、玉石混合の幅も広く、その中でも好みのものに当たるのはなかなか至難の業。
    とはいえまず装画が鈴木さんのホームズという時点で買いなのですが、北原さんならまず間違いはない。

    パスティーシュは本家を読むのと同じだと思っているので、純粋に物語を楽しむ。あまり仕掛けだとか、本家への布石だとかは気にせず、たまに転がっている石なんかを見つけると、ちょっとにやっとする程度で、それが自然に出来るのが、自分の中での良いパスティーシュだと思っている。
    これはもうまさに心地良く本家の新しい世界を見せてくれ、しかも「語られなかった事件」を埋めてくれる趣向が良い。「語られなかった事件」を埋めるという形式も珍しくはないものの、ある種「お題」が決まっている訳で、その方が書きやすそうに見えて、実のところ結構こじつけ感がわかりやすくなってしまったり、お題に囚われすぎて意外性だとか妙な技を入れてしまいたくなったり、案外うまくいっているものは多くはない気がする。

    しかし日本の作家でも昔の作家のパスティーシュとなると、文体を旧式にしたりもするけれど、海外作家ものを日本の作家が書く場合は「翻訳された文章」を書く訳で、そこが読み手も書き手も面白い所だろうなあと思う。やっぱり「この単語を使うとこう訳されそうだよねぇ。あるある!」とか思いながら書いているんだろうか。

    多すぎてなかなか本家以外には手を出さないけれど、ちょうど先行で出ていた北原さんの他の2冊は読んでみようかなあ。

  • あれ、海外の翻訳ものだっけ、でも作者訳者名書いてないなぁ…と確認しちゃうほど違和感がない。
    そして…ホームズと年齢を超越しちゃってる少女!もう一番ですよ!たぶんこの少女は、ホームズいなくても、その知性で解決しちゃうでしょう。ホームズと天才少女がこんなにもお似合いとは…!、と顔崩壊でした。

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著者プロフィール

1962年、東京都生まれ。青山学院大学理工学部物理学科卒。作家、評論家、翻訳家。日本推理作家協会員、日本古典SF研究会会長。〈本の雑誌〉ほかで古書関係の研究記事を長年にわたり執筆。主要著書に『首吊少女亭』(出版芸術社)、『シャーロック・ホームズ万華鏡』(本の雑誌社)、『奇天烈! 古本漂流記』(筑摩書房)など。主な訳書に〈ドイル傑作集〉全5巻(共編・共訳、創元推理文庫)、A・A・ミルン他『シャーロック・ホームズの栄冠』(論創社)ほか。

「2023年 『名探偵ホームズとワトソン少年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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