図書館の殺人

著者 :
  • 東京創元社
3.64
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感想 : 117
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027575

作品紹介・あらすじ

期末試験中のどこか落ち着かない、ざわついた雰囲気の風ヶ丘高校。試験勉強をしようと学校最寄りの風ヶ丘図書館に向かった袴田柚乃は、殺人事件捜査のアドバイザーとして、警察と一緒にいる裏染天馬と出会う。男子大学生が閉館後の図書館内で殺害された事件らしいけど、試験中にこんなことをしていていいの? 閉館後に、山田風太郎の『人間臨終図巻』で撲殺された被害者は、なんとなんと、二つの奇妙なダイイングメッセージを残していた……。“若き平成のエラリー・クイーン”が満を持して贈る第三長編。
“館”の舞台は図書館、そしてダイイングメッセージもの!

感想・レビュー・書評

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  •  アニメオタクの裏染天馬シリーズ第四作目。

    一作目の『体育館の殺人』から読めなくて残念だったが、このシリーズ読みたかったので仕方なくこれを手に取った。
    でも大丈夫だった。面白かった。
     
     裏染天馬の通う高校では期末試験を控えた慌ただしい日々のなか、図書館で死体が発見される事件がおきた。
    被害者は、図書館常連の大学生。彼は殴られて死亡しそこには2つのダイイングメッセージがあった。
    夜間は誰も入れない図書館に彼はどうやって侵入し誰に殺されたのか……?
    高校生探偵の裏染が、見事な推理で徐々に謎を解き明かしていく。
    期末試験や図書館での勉強会など楽しい賑やかな高校生活や登場人物達の掛け合いが
    ユーモアもあって面白く読みやすかった…
     
     そして犯人は最後までわからなくて
    やはりびっくりするような人物だった。
     
    ─死者は何を伝えようとしたのか犯人は何を考えたのか?どれだけ推論を立てようが他人の心の中はわからない─
    (あー、人って恐ろしい。理解できない事もあるのだ… )

    • かなさん
      チーニャさん、おはようございます(^^)
      チーニャさんからおすすめ頂いたこのシリーズ、
      読んで見事にハマりました♪
      特に裏添くん、彼、...
      チーニャさん、おはようございます(^^)
      チーニャさんからおすすめ頂いたこのシリーズ、
      読んで見事にハマりました♪
      特に裏添くん、彼、いいキャラですよねぇ~!
      チーニャさんのレビューも楽しく読ませていただきましたよ。
      いつもありがとうございます。
      2023/02/14
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん、こんにちは(^^) 
       なかなか読めずにいましたが…
      やっと、というところで読めたのが、まさかの四作目という……。
      私ってなんてタ...
      かなさん、こんにちは(^^) 
       なかなか読めずにいましたが…
      やっと、というところで読めたのが、まさかの四作目という……。
      私ってなんてタイミングが悪い、運が悪いという感じですよね…(+_+)
       でもでも、高校生達の身近で起こるミステリ―というちょっと変わった世界観はよ~くわかりましたよ―
       そしてそうですね。裏染天馬君はなんともいいキャラで楽しくて、推理はカッコ良かったですよねぇ~
       『平面で事件を見ずに立体的に見ることで推理の糸口が見えてくる─』というところなど良かった。
       それから『鍵の国星』も気になりましたよね……。読みたい w
       かなさん、このシリーズ読んでいただいてありがとうございました。
       またこうしてコメントも。
      感謝してます\(^-^)/
       
       

       
       
      2023/02/14
  • 順番違っちゃったけど裏染天馬くん読みたくて借りる。今回は舞台が図書館なだけあって小ネタが満載そのままブックガイドになり楽しさ倍増。論理展開は相変わらず素晴らしく、キャラ達の動きも短編と連動してて楽しい。動機が微妙かな?

    • 111108さん
      マリモさんコメントありがとうございます!

      タイミングと気力が合って意外と早く読んじゃいました。自分の中で「マリモさん現象」と呼んでます(^...
      マリモさんコメントありがとうございます!

      タイミングと気力が合って意外と早く読んじゃいました。自分の中で「マリモさん現象」と呼んでます(^^)
      動機が微妙ですよね。実は心が壊れてたとか、もっと振り切ってる描写あったら納得したかも。
      2023/02/06
    • マリモさん
      111108さん
      えっ、なんとそんな現象が(//∇//)
      そうですねー、もっと振り切れて欲しいですよね。殺人に至るのって、精神的または人格的...
      111108さん
      えっ、なんとそんな現象が(//∇//)
      そうですねー、もっと振り切れて欲しいですよね。殺人に至るのって、精神的または人格的に問題があるか、よっぽどの動機がある場合だと思うのですよね。
      アガサの場合は金と愛憎が多いですが、アガサの場合、犯人が二転三転して振り回れつつ、動機の部分で「そりゃないやろ」というのはほとんどないんだなと思いました。推理小説の主眼をどこに重きを置くのかでしょうねー。、
      2023/02/06
    • 111108さん
      マリモさん
      この現象、あんまり続かないところが本家との違いなんですけど笑

      クリスティーで一つ動機に唖然とした話を思い出しましたが、それも結...
      マリモさん
      この現象、あんまり続かないところが本家との違いなんですけど笑

      クリスティーで一つ動機に唖然とした話を思い出しましたが、それも結局は変な動機に納得するものだったので‥。今回はあんまり犯人の異常性とか深追いするとこのシリーズのポップさと合わないと思ってあえて詳しく書かなかったのかな?といい風に解釈してます。変な人だらけだと裏染くんの変態度が薄まっちゃうとか?
      2023/02/07
  • 「体育館の殺人」「水族館の殺人」に続く裏染天馬シリーズの長編第3弾。高校2年生のくせに百人一首部部屋を住まいにしてぐうたら生活をしているが、定期テストではいつも学年1位、警察に協力して事件を解決してしまうという天才肌の天馬。今回も地域の図書館で起きた殺人事件を解決することになる。視点はおおよそ1年生の袴田柚乃だが、周りの同級生や2年生、警察の仙堂警部、柚乃の兄の袴田優作刑事などとの絡みが面白い。仙堂の部下の梅頭咲子刑事も年下好みの変態で面白いし、卓球部の佐川奈緒部長や他校のライバルの忍切蝶子も「それは重畳」なんて言うやつで目立っているし、天馬の妹も個性的だ。高校はちょうど期末テストの時期で、それも絡んで何やかやで楽しい。あっ、殺人事件はどうかというと天馬が緻密な推理で詰めていく。この辺の描写も手抜かりがない。ただねえ、殺人の動機だけはどうも納得がいかない。従兄が殺された図書委員長の城峰有紗がかわいそうなのだが、思ったほどダメージを受けていないか。天馬とちょっと親しくなったりしたしね。

  • 2021/01/03読了
    #このミス作品59冊目

    裏染天馬シリーズ第4弾。
    本格ミステリー。
    テンポ良い楽しいストーリーに
    しっかりした謎解きの組み立て。
    相変わらず面白い、好きだ。
    5年空いてるが続編早く読みたい。

  • 「体育館の殺人」「水族館の殺人」「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」に続く裏染天馬くんシリーズの4弾。
    風ヶ丘高校では期末試験の真っ只中…最寄りの図書館で殺人事件が発生、被害者は大学生で『人間臨終図鑑』で撲殺されており、ダイイングメッセージが近くに残されていた…。
    今回の舞台は図書館、図書館は今の私にとって欠かすことのできない場所なので、序盤すごく面白くて入り込んで読むことができました。今回も裏染くんのキャラに楽しませてもらいました!終盤、犯人が明らかになってからは、水族館の時もそうだったけれど動機に納得できない自分がいました…。体育館の殺人ではそんなこともなかったのになぁ~と少しだけ思ったりしました。裏染くんの恋バナにも興味があるし、次回作では犯行方法だけでなく動機にも納得のいく作品であってほしいと期待します。

  • シリーズ第四弾。

    風ヶ丘図書館の開架エリアで、常連利用者の男子大学生の死体が発見されます。
    被害者の学生は何故か閉館中の館内に忍び込み、何者かに撲殺されたらしく、現場には奇妙なダイイングメッセージが残されていました。 
    例のごとく警察の要請を受けて“アドバイザー”天馬が事件の真相解明に臨むことになる一方、風ヶ丘高校では期末テストに付随する新聞部の企画で(特に2年生が)異様な盛り上がり(?)を見せていて・・。

    巻を追うごとに、楽しさが増しているこのシリーズ。
    各キャラも確立してきて、シリーズ当初は天馬一強だったのが、ジリジリと他のキャラもええ味出してきております。
    個人的には〈緋天学園〉の百合ガールズ二人(鏡華ちゃんと忍切さん)が急上昇中で、“柚乃!佐川さん!逃げて!!”と言いたくなっちゃいますw
    さて、今回は“ダイイングメッセージ”というトピックを天馬がどう扱うかを中心に、犯人判明に至るまでの過程の謎解き&検証を存分にお楽しみ頂けます。
    真相解説部分でも、天馬の観察眼と論理立てに感心しましたし、犯人も意外性がありました。
    ただ、毎度のことながら動機が弱いんですよね~。
    あ、勿論、当シリーズはロジック重視で、動機は二の次と割り切って読むようにはしているのですが、にしても、流石に今回は被害者と犯人の関係性が関係性なので、もうちょい納得のいく動機であって欲しかったかな~と思ってしまう訳でして。
    (百歩譲って、“衝動的”だったとしてもその後偽装工作している冷静さがあるところがね・・。)
    とりま、八橋さんの“蛍光ペン”のくだりが面白すぎたので、それで良しとしましょうかw
    そして、ラストでは天馬の過去が気になる終わり方だったのですが、続きはまだ出ていないのですかね?
    因みに、本の帯に「次の“館”を予想しよう!」とあったので、続きへの期待も込めて私も予想してみました。
    美術館、博物館、映画館、出前館(?)・・・どの“館”になるのかも含めて、次巻を楽しみにしております~。
    では、よいお年を!

  • 安定の裏染劇場。
    たっぷりの伏線を論理建てて回収していくので、納得して事件が解決していきます。
    そして、登場人物の人間関係も段々と興味が出てきています。

    が、何故か私は深く物語に入り込めない…
    おそらく私には合わないんだろうと思います。

  • シリーズものの三作目。
    1と2を読まずに読んでしまったため、
    キャラクターが掴めず、舞台も高校なので
    ノリにもついて行けず、
    犯人が知りたい一心で最後まで読んだものの。
    うーん…。選択を誤った感。

  • 図書館での死体と2種類の血痕、「く」のダイイングメッセージ、正統派フーダニット。
    今回は、犯人候補のボリュームもちょうどよいなかで、論理的な犯人の絞り込みと、意外性のある結末の両輪がうまく噛み合った良作であると感じた。
    また、短編でややきつかった百合風味も、長編だとちょうど良いアクセントになっていたかな?
    裏染天馬の過去に迫るような引きで終わっているのですが、続編はまだないみたい、、、残念。

  • (大いにネタバレします)
    青崎氏待望の『館』シリーズ長編第3弾!舞台は図書館!2つのダイイングメッセージ!
    という訳でかなり期待して読んだのですが、うーん正直ちょっと期待はずれだったかな…。
    まず分量。一人殺害されるだけの事件の分量としてはかなり長いんじゃないかと。360Pくらいある。正直、久しぶりに読んでて手の痛くなる読書だった。最近、軽い本ばっかり読んでるからな…。ただ、これは日常パート(期末試験)と同時並行で事件パートが進むからで、だいぶ文章もこなれてきてキャラもいきいき動いているし、シリーズのキモにもなっている天馬の隠された過去なんかも徐々に明らかになってきたりして、決して読んでてだるいなあとは感じさせないんだけど、さすがに読み疲れて「あれ、まだ半分しかいってないのか」とはなった。まあキャラ小説としても魅力のあるシリーズだから、これはそんなに問題じゃない。
    ただ、事件パートで天馬が取る行動が、(その時点で推理の追いついていない読者にとっては)意味がほとんどわからないものが多く、それは最後に丁寧に解説されるんだけれども、読んでる最中はまだるっこしいと感じさせられてしまう部分も多かった。もうちょっと頭の悪い読者に歩み寄っても良かったのでは。
    あとやっぱり問題は、事件の真相に関してかなあ。
    「意外な犯人」ってのは、やっぱり難しいものだなあと感じさせられた。
    ミステリでの常套句「最も犯人らしくない人が犯人」を地でいくような展開で、「平成のエラリー・クイーン」とまで呼ばれる作者だし、決してアンフェアではない。しっかり登場人物表にも犯人の名前は明記されてるし、その気になれば(俺には無理だが)犯人にたどり着くことのできるだけの伏線もしっかり張ってあるんだろう(だからこそこの長さになったのだ)。
    しかしやっぱり、余りに予想外の犯人すぎると、ちょっとがっくりきてしまう。
    レビューに散見される「動機が納得いかない」というのは、その文面通り単純に動機として若干無理があるというのもあるだろうけれど、この「斜め上」の解決が、裏染の提示する青崎お得意のロジックでも覆いきれない程に「予想外」だからなのではないかと思われる。つまり、「物語」(≠ミステリ)として要請される説得力に欠いているのだ。
    繰り返しになるが自分はこれがアンフェアだと言いたいのではない。ただ、犯人と被害者の関係や、犯人の登場した場面の少なさと本文全体の分量のバランス、これらを考慮すると、やはりそこをカバーするだけの説得力のある「動機」がもっと必要だったのではないかと思われる。

    最後にフォローをしておくと、今回のロジックではやはりダイイングメッセージにまつわる二転三転のロジックが見どころだろう。死体と本の位置関係のロジックなんかはあっと驚く発見だった。
    また、日常パートは大変楽しく読ませてもらった。主人公と天馬の関係の微妙な変化や、テストにまつわる駆け引き、徐々に明かされる天馬の過去など、シリーズとしてこれからが楽しみだし、読み続けるつもりだ。
    次作ではこんな自分の不満を払拭してくれるくらい鮮やかなロジックを発揮してくれるのを期待している。

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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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