十二章のイタリア

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 143
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027742

作品紹介・あらすじ

イタリア在住30余年の著者が、本と人をめぐる様々な出来事を、見事な筆致で描く、12章の半生記ともいうべきエッセー集。『ジーノの家 イタリア10景』で日本エッセイスト・クラブ賞と講談社エッセイ賞を史上初ダブル受賞した著者ならではの、一編一編がまるで短編小説を読むように味わい深く魅力溢れる一冊。本を、そして人間を愛する人々に。

感想・レビュー・書評

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  • イタリア生活のレジェンドともいえる彼女の特に思い出深い人々とのエピソードを綴る短編集。楽しみながら…もあるのではないかとは思いますが苦労されてきた風景が浮かび涙してしまいました
    。。こぼれ話もあり短編とは思えない臨場感です。最後の古書店の話が好きです。

  • イタリアの風土や
    イタリア人の気質
    行った事ないのに
    体感したような
    感じになれる

    最後のエピソードが
    「モンテレッジオ
    小さな村の旅する本屋の物語」
    のベースかな?

    12章全て
    とても良かった

    都築書店にて購入

  • 内田洋子さんの本はいつも同じ空間にいるように感じさせてくれる
    テゼオの船の章が好き

  • 必要な情報だけを見つけ切り取り、商人たちは物資以外のそれらを運んだ。
    〈(村には)濃厚な人間関係があるのかもしれない〉
    本屋はなくても、情報は口から口へと運ばれる。
    「本屋のない村」がおもしろかった。
    食いしん坊には堪らない食の話も満載。

  • 珠玉のエッセイという形容がぴったりな彼女の半生を辿ることができるエッセイ集

    まだイタリアが今ほど取り上げられない30年前、大学でなんとなくイタリア語を学び、イタリアへ留学。
    イタリア語を使い、イタリアと日本を繋ぐ仕事をしてきた中で、出会ったちょっと不思議で魅力的なイタリア人が登場する。

    いずれも本に関わるかな。

    1辞書
    P8海の近くで生まれた私に、「太平洋を渡るような人生を」と、祖父は名前を付けた。
    映画)ブラザー・サン シスター・ムーン
    「海の向こうへ行ってみよう」

    P11夏休み前の最後の授業で、教授は大判の本を見せた。古典文学で、もちろん原初だった。いまだ動詞の現在形あたりでもがいていた私は、越えられない高い山に行く手をふさがれたように思った。新しい教材はずしりとした手ごたえがあり、文学の重みを実感した。

    2電話帳
    電話の時代、連絡はすべて電話かFAX
    電話帳がたより
    電話帳から見えてくる町の様子
    「CREATIVITALIA」

    3レシピ集
    『イタリアを食べる~人生を彩る食卓とレシピ』ステファニア・ジャンノッティ Stefania Giannotti

    本は人

    『AUCCHERO AL VELO』粉砂糖 ~レシピ集

    4絵本
    レナート

    5写真週刊誌
    日本選手のスキャンダル写真の売り込み

    6巡回朗読
    夏の山の家で過ごすイタリア人らしい

    7本屋のない村
    ジェノヴァは未知
    「美味しい茸ほd、人目につかないじめついたところに生えるのです」

    8自動車雑誌
    フェラーリの村、フェラーリ倶楽部
    ライバ侯爵夫人
    「赤は魔物だなあ」

    9貴重な一冊
    「パパ・ヘミングウェイ」

    10四十年前の写真集
     P180統一されてからのイタリアは領土内に、よい意味で<ドイツ>と<ギリシャ>を持ち合わせているようなものだった。

    11テゼオの船
    ウンベルト・エーコの出版社の名前

    P204「本を読まない人は、七十歳になればひとつの人生だけを生きたことになる。その人の人生だ。しかし本を読む人は、五千年を生きる。本を読むということは、不滅の過去と出会うことだからだ」

    12本から本へ
    ヴェネツィアは紙の都でもあったのだ

    モンテレッジォ 本祭り
    『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』

  • イタリアのニュースや本を日本に紹介するエージェントである著者のイタリア人との忘れられない出来事をエッセイに。
    30年以上前に日本でイタリア語を勉強し、イタリアに渡った。当時は、今のように誰もが海外旅行に行くわけでもなく、イタリアも今ほど人気のある国でもなかった。ちょしゃの苦労はなかなかのものだったようだ。それでも当たって砕けろとばかりに、体当たりで切り開いてきたのだ。
    そんな大変さも、さらりと書いている。ちょっと須賀敦子のエッセイを思い起こす。

    余談だが、中田英寿の水着の美女とのパパラッチ情報を仲介した話も出てくる。

  • 「対岸のヴェネツィア」を読んでみたくて図書館で検索したところ、この方の著書は本作しか無かったので借りてみた。

    ここに出てくるイタリア人はみんな素敵。

  • 2018年7月6日読了

  • 内田洋子さんのエッセイを読むと、イタリアに小旅行にでかけられる。

    最後の、「本から本へ」は、続きが方丈社のサイトで連載中。一冊にまとまるのがとても楽しみなエッセイです。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

内田洋子の作品

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