レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)

  • 東京創元社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104047

感想・レビュー・書評

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  • 言葉が出ないほどのカタルシス。
    前三作を読んでない人は絶対に読んではいけない作品だろう。

    まず、前三作よりは弱いが、ロジックは相変わらず面白い。
    特に色盲などの論理は秀逸。レーン氏の移動時間など少し疑問は残るが、犯人が聾というのを求める論理も良い。

    そしてそれに加え、やはりストーリー性。
    四部作のクライマックスを飾るあのラストは深い感慨を抱かざるを得ない。

    自然溢れる中に聳え立つ古城、"ハムレット荘"に住む引退した舞台俳優。鷹揚な性格ながらもときに厳しく、聾でありながらも読唇を駆使して意思疎通をし、明晰な推理で事件を解決に導く。
    しかし、その底にあるのは苦い人間味。

    ドルリー・レーン四部作は、芸術品だ。

  • 残念ながら本書(というか、本シリーズ)のトリックは、承知の上で読んだので、あのオチに、どう着地するのか、という関心で読み進めるたわけです。
    その観点からすると、やっぱりうまいですね。伏線の張り方とか、ひっくり返すタイミングとか。比べると、最近のミステリーって、むやみに何回もひっくり返し過ぎ。
    ただ、承知してると思っていた、レーン像と、実際が少し違っていたので、ちょっとびっくりしました。
    レーンは、もうちょっとピカレスクな感じのイメージだったので、なんだ、最後まで誠実でいい人だったじゃん!って。
    ネタバレが先行して、変なイメージが広まってしまっているんでしょうか。私の周りにもネタは知ってるけど読んだこと無いって言ってる人っ結構多い。
    是非一度原典に。

  • レーン最後の事件読了。レーン老らしいドラマティックなシリーズ幕引きでした……ミステリとしてはちょっとそれ推理しようがないだろとか十戒まんまの違反とかいろいろなのですが、これはミステリというよりレーンの劇的なラストのための一冊なんでしょう。ドラマとしては満点だと思います
    今思うと、XYZの悲劇そして最後の事件、このシリーズほど順番に読まなきゃ絶対だめ!っていう作品もなかなかない。なんで私Yから読んだんだろうなあ。いやYから読んでも度肝抜かれるほどおもしろかったんですけど、ほんとXから読めばよかったね……
    このレーン最後の事件なんて、あまりにシリーズのための作品すぎて、これ単体で読んでも全然おもしろくないんじゃないかって疑惑が若干ある 全然ってことはないだろうけど、レーンとペーシェンスに思い入れがないとまったくおもしろくない気が だがそれだからこそこんなにドラマティックなんだね……

  • これはまず衝撃しか残らないことでしょう。
    ただこれは賛否両論になることが
    まず間違いない作品。

    たぶん「X」「Y」「Z」を読んだ人には
    この結末は絶対にきつく感じるはず。
    読んだときに唖然としてしまいましたし。

    もはや何も言うことはないです。
    これは読んだ人にしかわからない
    「衝撃」なのですから。

  • 2023年7月28日読了。探偵のサム警部のもとを訪れた謎の訪問客と、シェークスピア初版本を巡る奇妙な盗難騒ぎ…事件の真相と真犯人の正体とは?独特の雰囲気で『X/Y/Zの悲劇』の事件を解決してきた老俳優ドルリー・レーンが手掛ける最後の事件。なんというか、ちょっと雰囲気がゆるいというか連発する事件が妙にドタバタしていて物語にうまく浸れなかった、ペイシェンスとローの恋物語は「謎解きの本筋が弱い」ことを作者自身分かっていたがゆえの読者サービスなのか?事件終盤の謎解きは「直前の謎解きを伏線として、最後に大掛かりなどんでん返しを仕掛ける」というもので、「なるほどこれが四部作の大団円なのか!!」と考えてみるとそれなりに趣深いとも言えるが、読んでいる当方がミステリに慣れすぎてしまったからか、発表当時の読者と同じような気持ちでは衝撃を受けることはできなかったかな。

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    衝撃の結末に恐怖してください


    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1323566

  • 愛書狂
    シェイクスピア、7つ目の署名、書簡
    色盲、髭、用箋
    聾、目覚まし時計、斧

  • この感動はX, Y, Zを読了した者にしか味わえない。
    そして間違いなくその価値がある裏切りである。

  • 四部作、鮮やかな幕切れ。

  • Xの悲劇、Yの悲劇、Zの悲劇とドルリー・レーンの解き明かす謎を楽しんできました。この物語の最後に近づくにつれ、もしかして!?いや、いや、そんな事はない…でも…と複雑な心境。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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