ABC殺人事件 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ク 2-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488105389

作品紹介・あらすじ

●大崎梢氏推薦――「連れて行かれた世界で、思い切り突き飛ばされたような、いっそすがすがしいまでの敗北感」
●深町眞理子氏推薦――「ポワロにリアリティーは無用。近頃の劇場型犯罪を先取りしたわが最愛のポワロものです。」

ポワロのもとに、奇妙な犯人から、殺人を予告する挑戦状が届いた。果然、この手紙を裏書きするかのように、アッシャー夫人(A)がアンドーヴァー(A)で殺害された。つづいてベティー・バーナード(B)がベクスヒル(B)で……。死体のそばにはABC鉄道案内がいつも置いてある。Cは、Dは誰か? ポワロの心理捜査がはじまる! 著者の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 犯人が分かってるミステリーって、緊張感薄くてそんなに好きじゃないんだよな…と思いながら読んでいて、最後に見事やられた!!
    名作をなめてすみませんでした。これは読んでよかったな。それにしてもクリスティはいろんなトリックを考えてすごいなあ。

  • 名探偵ポアロの元に届けられた挑戦状。Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。まもなく第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が…。連続殺人の裏に隠された犯人の本当の目的とは。

    1936年に発表されたアガサ・クリスティの長編推理小説。殺人予告を匂わせる手紙が届き、ポアロは推理を働かせるが、アルファベットの順番に殺害される被害者。ポアロの焦りや緊迫感に支配された展開。何かがおかしいと思いつつも、その違和感の正体がわからない。

    最後に迎えるトリックや、その動機を知ったとき、ネタバレを知る前に読むことができて良かった。って思いました。

    原作が約90年前に発刊されたなんて...古典的なのに現代でも十分に通じるトリックには脱帽です。また、ポアロと相方ヘイスティングズの掛け合いも面白くて、全体的に非常に読みやすい構成でした。

    “そして誰もいなくなった”もとても印象深い作品でしたが、この作品を読んで、アガサクリスティの魅力に取り憑かれました。気になった方はぜひ、手に取ってみてくださいね。

  • アガサ・クリスティーの名作。映像化も多いクリスティーだけれども本作と誰もが知る有名作品で展開にワクワクした。ミステリの女王の異名は伊達ではなく、被害者の名前の頭文字がABCと続く謎は、どのように考えればいいのか読者を悩ませる。名探偵ポワロシリーズの代表作。是非!

  • アガサ・クリスティ2冊目。
    わたしのひゃくごじっ冊以上ある積読の中でも、中学くらいから積んでた、化石になりそうな積読中の積読であった。

    カストくんが序盤から犯人だと読まされてたから、カストくんとの繋がりとか動機とかが分からないのが読んでて違和感があってしんどくて、多分意図的に入れた伏線とかミスリードとかやったんやろうけど、中盤はほんとに読むのがだるかった。でも最後ちゃんとどんでん返しがあってスッキリしたよ。

    ちなみに古い版だから訳者はこの人じゃないんやけど、いろんな人のレビューみる限り新しい訳者のを読んどけばもっと楽しく読めたのかもしれんな。言葉遣いに不自然なとこがちょこちょこあった。

  • <来ました、鉄道ミステリ! 地図でイギリスの地名を探り当てては興奮★>


     多作なアガサ・クリスティの著作中でも、群を抜いて刺激が強め! 著者が最も油ののり切った時期の一作です。その分、この時期(中期作)はお上品系のクリスティにしては珍しく、血なまぐさい事件が何作か見当たります。そのなかでも、ABCは最もエンタメ色の濃い作品と言えそうです★
     ※以下、ネタバレ。

     名探偵エルキュール・ポワロのもとに舞いこんだ挑戦状。差出人は「ABC」。犯行現場の地名と被害者の頭文字がABC順にそろった、不気味な連続殺人が始まります。仕上げにゃ現場にABC鉄道案内が置かれる、こだわりの犯行★ 地図でイギリスの地名を探り当てては興奮した覚えがあります。鉄道ファンも喜びそうな事件ですね(書きかたが悪いか……)。
     ポワロの敗北(?)をここぞとばかりに書き立てるマスゴミも、この事件には欠かせません。紙のメディアがそこまで影響力をふるった時代性、新聞記事に大衆が本気で熱狂できるのが、少しうらやましい気もしました。

     この作品は、真正面からズルかった★ 読者の盲点を突き、真相を最後の最後まで巧みに隠すクリスティに、しばしば「フェアじゃないよね……?」と難癖っぽくなってしまう私が、この作品に限ってはまるごと肯定したくなりました。
     アルファベット順の犯行に加えて、毎回名探偵に予告状を出す犯人。事件のキモは「なぜ、殺人が徐々に困難になるようなルールを設けたのか?」です。そこには深い理由が な い !
     と、実に劇的な場所とタイミングで気づいたポワロ氏。そんなことを考えつく人間は……と、捜査よりも性格診断(?)から真相に至るのです。この心理学っぽいアプローチが面白いのだなぁ☆

     おまけにもう一つ、大好きな場面が入っている小説でもあるのです。長年ポワロの手厳しいツッコミに耐えてきた友人、例の大尉に温かい言葉がかけられる、短くともじんわり来る場面。ヘイスファンはお読み逃しなく!

  • おもしろかった!
    アガサ・クリスティーの代表作。
    いまさらって感じだけど、初めて読んだ。
    カスト氏が犯人と思い込ませておいての最後のどんでん返しが鮮やかで。
    名作はやっぱり名作と言われるだけのことはある。

  • 今まで読んだアガサ・クリスティで一番好きかも。他の作品は事件が起こるまでが長いのが難点だったんだけど、この話は手紙が届くのも早いしどんどん事件が起こるのでずっとわくわくしながら読めた。あっと驚く仕掛けというよりは一般的なミステリという感じだけどこういう話はやっぱり面白い。

  • 途中から犯人がわかってしまって少し面白みに欠けるように思ってしまったが、実際は全然そんなことはなく、最後の展開で大きく裏切られてとても面白かった。

  • なんとなくこの事件の構想は想像できた。それの始まりがここで始まっているのか…と思うとすごいなと思う。
    犯人は正直この人だったのかって感じ。
    途中で挟まれる別視点から、犯人のミスリードがあった。読んだ時は、ここでネタバレかと残念で読む気が少なくなったので、まんまと騙されたな。
    描写的に、あの人が犯人じゃないムーブが出ていたので、あれこれと考察。
    結局、結論は違う形で落ち着いたので、その点では予想とは違う終わりで面白かった。
    期待大で始まったのと、なんとなくミステリー構想が主流になっているので、意外性がなかった点で星を一つ無くした。

  • 面白かった。登場人物たちが個性的でとても良かった。最後の最後で「なるほど、その視点を持ってないと分からないのか!」と思った。さすがです!

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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