ミス・マープル最初の事件 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ク 2-16)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488105457

感想・レビュー・書評

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  • まさにミステリの王道といった展開で、素直に謎を堪能させて頂きました。
    クリスティといえば、エルキュール・ポワロですが、本書のミス・マープルは、玄人のポワロとは対照的な“素人のおばちゃん”ならではの愛嬌がありますね。
    ミス・マープルの他の話も是非読んでみたいです。

  • 「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー作品『ミス・マープル最初の事件 -牧師館の殺人-(原題:Miss Marple's First Case -The Murder at the Vicarage-)』を読みました。

    『春にして君を離れ』、『スリーピング・マーダー -ミス・マープル最後の事件-』に続き、「アガサ・クリスティ」作品です。

    -----story-------------
    平和で牧歌的なロンドン近郊の村セント・メアリ・ミードで、思いもよらぬ凶悪な殺人事件が起こった。
    牧師館を舞台に、地元の名士である治安判事が殺されたのだ。
    初めは単純に思われた事件の捜査は難航し、疑惑の霧が村中に立ちこめるようになったとき、その鋭い観察眼と明晰な頭脳で事件の真相に迫ったのは、意外にもおしゃべりでせんさく好きな老嬢「ミス・マープル」であった。
    おしゃべりで穿鑿好きな老嬢「マープル」初登場の記念すべき本格作品。
    -----------------------

    1930年に刊行された「ミス・マープル」最初の事件簿です。
    『牧師館の殺人』というタイトルの方が一般的なようですね。

    先日読了した『スリーピング・マーダー -ミス・マープル最後の事件-』が、「ミス・マープル」最後の事件簿だったので、読む順番は真逆になっちゃいました。


    これまでに読んだ「ミス・マープル」シリーズでは、愛らしい存在のお婆ちゃん的なイメージでしたが、、、

    本作品は語り手が、セント・メアリ・ミード村内に住む牧師「レナード・クレメント」になっている影響か、おしゃべりで穿鑿好きな度合いが強く、やや辛辣なイメージでしたね。


    その「レナード・クレメント」の自宅である牧師館で、治安判事の「ブロスロウ大佐」が射殺死体で発見され、その妻「アン・プロズロー」と不倫相手「ローレンス・レディング」に容疑が、、、

    しかも、二人がそれぞれ警察に自首してくる… 捜査を進めると、二人ともアリバイがあることが判り、問い詰めたところ、お互いを庇おうとして自首したことが判明。


    捜査は振り出しに戻り、容疑は他の村人に向けられるが捜査は難航、、、

    殺人事件の他に窃盗事件や横領事件が絡み合ったり、現場の証拠と思われたモノは、ある人物に容疑を向けさせるための別な人間の仕業だったりと、読者をミスリードさせる仕掛けが巧みに織り込んであり、愉しく読めました。


    複数の事件が絡んだうえに、小さな集落セント・メアリ・ミード村の人物がほとんど関わることで相関関係が複雑化、、、

    様々な伏線や小道具が、それぞれ意味を持って配置されていて、最後は「ミス・マープル」の明晰な頭脳で事件の真相が明らかになるという展開で、読み終わってスッキリ… 「アガサ・クリスティ」らしい作品でした。

    風俗描写が巧みで、村人の一人ひとりが魅力的に描かれていましたね。


    そして、序盤で最も犯人ではないと思われた人物(たち?)が、実は犯人… って、展開、、、

    このあたりも「アガサ・クリスティ」っぽさを感じる作品でしたね。


    推理の決め手となったハンドバック… 男性では気づき難いかもしれませんが、確かにハンドバッグを持たないで町へ出かける女性って、不審ですよねぇ。

    謎の女性「レストレンジ夫人」の正体(過去)は、途中で想像できました。
    在りがちな設定でしたね。



    以下、主な登場人物です。

    「レナード・クレメント」
     村の牧師。
     牧師館に居住している。

    「グリゼルダ」
     レナードの妻。
     水際立った美人で夫とは年が離れている。

    「デニス」
     レナードの甥。
     健康な16歳の少年。

    「プロズロー大佐」
     治安判事。
     熱心なキリスト教徒。
     独裁的で何かと敵を作りがちな人物。

    「アン・プロズロー」
     大佐の妻。
     後妻であり義理の娘とは上手くいっていない。

    「レティス・プロズロー」
     大佐の娘。
     奔放な性格の美しい娘。

    「ローレンス・レディング」
     画家。
     ハンサムな好青年。

    「メアリ」
     牧師館の女中。
     無愛想な上家事の腕はお粗末。

    「ホーズ」
     牧師補。

    「ヘイドック」
     医師、レナードの友人。

    「レストレンジ夫人」
     最近村に引っ越してきたばかりの謎めいた婦人。

    「ミス・ジェーン・マープル」
     村に住む老嬢。
     一見ただの噂好きの老婦人だが人間観察に長けた名探偵。

  • ミスマープルの作品を読むのはこれが初めてでした。
    牧師館の殺人はミスマープルが初めて活躍する記念すべき一作目らしい
    ミスマープルは田舎に住む噂好きのオールドミスと言う名探偵にしては珍しいキャラです。
    今作ではミスマープルが住むセントメアリーミード村の牧師館で殺人事件が起きてしまう。
    殺害されたのは裕福な村の名士プロズロー大佐。
    被害者はあまり好かれた人物ではなかったので様々な人物が犯人と疑われた。牧師館の持ち主クレメント牧師も容疑者として数えられてしまうが、後日画家の青年ロレンスが自首して事件は解決したと思われたが……


    続きは自分で読んでください!

  • 創元版。
    クリスティがガサッと置いてあるあたりに
    紛れてて、牧師館の殺人とダブり買いしてたw
    ので、図らずも版元違い読み比べ。

    といっても、読んだのは結構前だから違いも微妙である。
    こちらの方がハヤカワと比べ、人物が柔らかいというか、
    キャラクターの立ち方が現代的で読みやすいかも?
    赤背のちょっと時代がかった固さもまた良いのだけどね。

  • 謎解きが面白かった。
    読めば読むほど全員怪しく見えてくる。

  • 登場人物が多すぎて、隙間時間に読むのには向かなかった。三分の一ほど読み終える頃は、キャラクターや設定を掴んで楽しく読めていましたが、二三日あいだをおいて続きを読む頃にはもう何がなんだかさっぱりになってしまって…
    結局最後まで人物一覧が手放せなかったし、あまりすっきりしなかった。
    名作アガサ・クリスティーに初挑戦だったのだけど、残念。有名な作品から始めるべきだったかしら

  • ドラマを見てから、小説を読んだ。ドラマとは違って、登場人物の設定がきめ細やか。牧師さんの視点から描かれているのも楽しく読んだ。
    久々の読書となってしまったので、こういう軽めのもので調子をつけたいと思ったが、狙い通り。
    何回読んでも、アガサ・クリスティーは面白いな。

  • ロンドン郊外の牧師館で起こった殺人事件。

    派手さはないがミス・マープルの観察眼が冴え、田舎の濃密な人間関係を通じて情報を得ながら推理していく。
    純粋に誰が犯人か考えながら読むのが楽しい作品。

  • 表紙のミス・マープル怖すぎるil||li(A´・ω・)

  • 翻訳のせいだろうか、とても読みにくい。登場人物も多いし場面展開が急だし慣れるまで時間がかかった。
    小さな色んなことが、殺人事件と一緒におきこれが恩田陸が書いたらもっと引き込まれたのに!とおもいながら読んだ。
    ラストはすっかり騙されてしまったけど、途中経過がぐったりなので星は3つ。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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