チョールフォント荘の恐怖 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488106218

作品紹介・あらすじ

十五歳の娘を抱え夫に先立たれたジュリアは、打算の再婚に踏み切った。愛はなくともチョールフォント荘の女主人として過ごす日々は、隣人との抜き差しならぬ恋によって一変する。折も折ジュリアの夫が殺され、家庭内の事情は警察の知るところとなった。殺害の動機または機会を持つ者は、ことごとく容疑圏外に去ったかに見えたが……。終局まで予断を許さぬフレンチ警部活躍譚。

感想・レビュー・書評

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  • チョールフォント荘の「恐怖」かあ~
    私くらいになるとコロシ一件くらいで
    びくついたりしないよ。(本の中では)

    ある晩、チョールフォント荘で開かれたパーティの夜、
    館の主人のリチャード・エルトンが庭で殺された!
    応援要請を受け、ヤードから駆け付けたフレンチ主席警部は…

    今回相棒として駆け出しの見習い刑事を連れていくことになった
    フレンチ警部、
    新人教育を押し付けられて会う前はとても憂鬱そうだった。

    私も、誰一人不愉快な人間が出てこなかったフレンチシリーズに
    いよいよ嫌な奴が現れるのかな?
    頓珍漢とか、または責任感のない今どきの若者とか、
    それとも勘違いエリート気取り男とか(フロストシリーズの坊やみたいな)?
    と期待と不安で胸がどきどきしたけれど、

    新人ロロ君たら現れてみたら、長身のすらりとした恰幅、
    正直そうな眼差しの美男の青年…、
    一緒に行動しても非の打ちどころのない振る舞いで、あれれ?
    拍子抜け!
    なによりロロ君というなんだか呼びたくなる名前も良いじゃないの!

    クロフツさんのお話に優しい人ばっかり出てくるのが特徴だと
    思っていたけれど、ここまでくると
    意地悪な人を描けないっていう「短所」なのかも?という気もしてきた!
    でも安心して読めるから私はこれで良いと思ってるよ!

    えーと、実際の事件について、
    こんなに「うーん、誰が犯人でも良いやあ~」と思っちゃった事件は
    初めてだね。

    どの人も何となく肩入れ出来ない人たちなの。

    でもだんだん「この人が犯人だとこの人が可哀そうだな」
    という風になってきて、心の中で勝手にペアが作られて行って、
    そうやって考えると一人余って(!)

    そしたら案の定…!
    これもクロフツさんの優しさのあらわれなの?
    (この人が犯人でも大丈夫的な…)

    なんだかでもね、執事を見れば屋敷が、そして主人がわかる、
    そんな気がしたよね。(あくまで勝手なイメージ)
    でもさ、「あしながおじさん」でも「月長石」でも
    そうだったもん!(すべてフィクションです)

    事件自体はごめんね、あんまり打ち込めず、
    またこの感じラスト、ヤードの責任問題は大丈夫なの?って心配になった。
    あと、その後みんなでワイワイ幸せにやり過ぎて、
    ご近所の方々はうるさくないのかな?って。
    私が他人の目を気にしすぎるのかな。

    そんなこんなで色々あったけど、
    フレンチ警部とロロ君のやりとりで十分楽しかった!

    フレンチ警部って出世をしたいって言う気持ちを隠さないから、
    はじめはなんだか戸惑ったけど、本気で刑事やって頑張って活躍していたら
    普通そうだよね!と納得だ。

  • 心に空虚を抱いた女性のひと時の火遊び。
    そしてそれが第三者に発覚し
    破滅への道へ…

    タイミングを同じくし、殺人事件まで。
    もうどこまでもありがちなミステリー、ですが
    肝心の犯人は分けありげな方々の中に隠れてしまい
    なかなか見つけることは難しいかと思います。

    残念なのはこの終わり方、
    別の作品の終わり方に酷似しています。
    あれ?と思うほどに似ていますので。

  • 犯人当てのミステリと女主人公の不安のサスペンスがミックスされた作品。
    ミステリにしては女主人公の描写がクドく、サスペンスにしてはいわゆるミステリのトリックがある。
    名作でもなく愚作でもない出来。
    犯人当ての部分をカットしたサスペンス作品に仕立て直したら佳作になるかも。

  • 2017/12/24読了

  • フレンチ警部シリーズ

    困窮した生活から抜け出すためにリチャード・エルトンと結婚したジュリア。リチャードの社会的地位を上げるための契約的な結婚。ジュリアの恋。ジュリアの浮気相手フランク・コックス。リチャードが出資する研究に携わるフィリップ・ハートとリチャードの甥ジェフリとの間で動くジュリアの娘モリー。リチャードに解雇されたアンダーウッド。パーティの夜に何者かに撲殺されたリチャード。フレンチと教育のために相棒につけられたロロの捜査。

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著者プロフィール

フリーマン・ウィルス・クロフツ(Freeman Wills Crofts)
1879年6月1日 - 1957年4月11日
アイルランド生まれ、イギリスの推理作家。アルスター地方で育ち鉄道技師となったが、40歳で病を患い入院。療養しながら記した『樽』を出版社に送ったところ採用、1920年刊行。名声を博し、推理作家デビューとなる。50歳まで本業の技師を続けながら兼業作家を続けていたが、体調悪化で退職して作家専業に。その後、英国芸術学士院の会員にまで上り詰める。
本格推理作家として、S・S・ヴァン・ダイン、アガサ・クリスティー、エラリー・クイーン、ディクスン・カーと並んで極めて高い評価を受けている一人。代表作に前述の『樽』『ポンスン事件』、フレンチ警部シリーズ『フレンチ警部最大の事件』『スターヴェルの悲劇』『マギル卿最後の旅』『クロイドン発12時30分』 など。

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