怪盗紳士リュパン (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488107017

作品紹介・あらすじ

名探偵シャーロック・ホームズとならぶ推理小説史上の巨人、アルセーヌ・リュパンは世界中の老若男女から親しまれている不滅の人間像である。つかまらない神出鬼没の怪盗、城館やサロンしか荒さぬ謎の男、変装の名人、ダンディでエスプリにあふれた怪盗紳士リュパン。本書はリュパン・シリーズの処女作であり、8短編を収録した決定版。解説=中島河太郎

感想・レビュー・書評

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  • 怪盗のイメージは?
    神出鬼没で顔立ちまで変えられる変装術に長け、仲間との絆はガッチリと。お仕事(盗み)相手を欺くためには饒舌でそして機転がきく。美女に惚れっぽい。オートバイを駆って現場に赴くときもあり。天敵の刑事たちを煙に巻きながら、義賊的な振る舞いで世界中の読者を魅了する。
    アルセーヌ・リュパン。
    彼がそのまんま怪盗のイメージになる。世界中で一番有名な怪盗に間違いない。
    今回は、シリーズ一作目の『怪盗紳士リュパン』を読んでみる。
    八編の短編のうち、え、この人がリュパンだったんだと驚く話あり、美女を助けるカッコ良い話あり、殺人犯を刑事たちと追いかける話あり、そしてあの世界で一番有名な探偵、シャーロック・ホームズとの緊張走る対面ありと、どの話もウェットに富んで面白かった。
    そして、あっと思う。
    彼はただの泥棒ではない、探偵の役割も担っているじゃないかと。リュパンの訪れる先々には、いろんな謎がはらんでおり、それを解かなければお宝が手に入らない。怪盗であり探偵でもある彼。真逆の役柄をいとも軽々と、そして楽しそうに演じるリュパン。二面性を持つキャラクターには惹かれる人は多いだろう。もちろん、わたしもその1人になっている。
    最後に。
    襲いかかるガニマール警部に対して、リュパンが柔道技ウデヒシギで対抗したのには、びっくりした(☆。☆)まさか、日本語が出てくるとは思わなかった。

  • やはり紳士なリュパン。ルパンのことなのだろうか?それがリュパンなのか?早合点してはいけないと思わせつつ読む側には、彼がリュパンとわかっている。

  • 古風な品がある地の文と、若々しくエレガントなリュパンの描写がとにかく格好いい。

    リュパンと言われるだけで、このフランスの怪盗が
    いかに優雅か知れようものだ。

    南洋一郎さんのポプラ社版も、児童向けと思えない名訳だけれど、この創元推理版も、現代なら推そう。

    ただね。ガニマールがおじいさんおじいさんしてるのだけが惜しい。もっと壮年のイメージがあったから。

    んーぅ。
    鮮やかな冒険に瀟洒な怪盗の活躍。
    理屈は良いから読み給え、ってところかしら。

  • 記念すべきルパンシリーズ一作目。文庫版は新潮と創元推理、二出版社から出てますが、私はこちらが好きです。

  • フェアで手に取り、はじめてのリュパン。ルパンの方がなじみはあるけど、原語の音にはリュパンが近いということか。

    のっけから「アルセーヌ・リュパンの逮捕」でびっくり。淑女の魅力に悩まされ、いともあっさり宿敵の警察官につかまってしまう。
    ところがそれが、続く脱走劇につながるのだから面白い。現実的に考えてそんなことが可能だろうか?という具体性はさておき、緩急自在なリュパンの行動にいつの間にか魅せられていた。

    「ぼくが脱走するためにはだね・・・ぼくが脱走しないうちに、人がこの脱走を前もって信ずることが必要だったのさ。」
    「ぼくをアルセーヌ・リュパンかもしれないと思いながら、ぼくの顔をのぞきこみさえすればよかったのだ。」

    人の心理を読むことに長けたこの言葉!

    ホームズもそのうち読んでみたいなぁ。

  • これはミステリを読み始めた頃に読んでいたら傑作だったかもしれない。

  • 3世じゃないほうのルパン。
    いきなり逮捕から始まるのが鮮烈。
    すぐ脱獄するけど。
    軽妙洒脱なキャラは見ていて好ましい。

  • ルパン漫画を読んだらまた読みたくなったので再読〜

  • この年になって初ルパン。いや、リュパン。て、どっちでもいいけど。なんで昔読まなかったんだろ? ホームズと乱歩の少年探偵はちゃんと通ってきたのに。なんとなくルパンは避けて通ってきて最近またホームズ熱がムクムクきてた関係でちょっとここらへんで手を出してみようかな、と読んでみたら、うん、面白かった。なんだこれ、普通に面白いじゃん。ホームズさまと二大派閥を築くだけはあった、まだ一作しか読んでないけど。また機会があったら読みたいとは思う。でも、私のなかではやっぱりホームズが一番だけど。“遅かりし”じゃねぇ! (失礼)

  • やあ、実に魅力的な怪盗紳士。

    その変装能力をもって物語を動かす怪人。
    普段は颯爽としているものの、ミス・ネリーの前では普通の青年のようになってしまうというのが、なんとも親近感がわくじゃありませんか。

    「ハートの7」「遅かりしシャーロック・ホームズ」等、トリック(ギミック)の設定も見事。

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著者プロフィール

本名モーリス・マリー・エミール・ルブラン。1864年、フランス、ノルマンディー地方ルーアン生まれ。 1890年頃から小説を発表していたが、1905年に編集者からの 依頼で書いた「アルセーヌ・ルパンの逮捕」が好評を博し、 強盗紳士アルセーヌ・ルパン冒険譚の作者として有名になる。 41年死去。

「2018年 『名探偵ルパン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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