黄色い部屋の謎 (創元推理文庫 108-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488108014

感想・レビュー・書評

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  • フランス人は「悪の英雄」というのがどうも好きらしい。その最たる代表はルパンであるが、本作も希代の詐欺師パルメイエなる者を設定し、犯人に仕立て上げ、しかも逃がしている。
    従ってそういった一種特別な技能を持った人物を想定する事で、衆徒環視の下での人間消失とか、密室犯罪だとかの魅力ある不可能事象が作者の御都合主義の下に制御され、興醒めである。

    本作のメインの謎の真相が詐欺師の早業だとか被害者の悪夢による狂乱事だったとは…。
    果たして本作の歴史的地位というのは一体何に起因するのだろうか?誰か教えてくれ!

  • ミスリードならぬ、めちゃくちゃな展開で“密室”の謎を構築させて、
    真相は…?

    有名なミステリー古典作品でずっと前から気になっていました。
    読みにくいことはなく、謎が謎を呼び転げ落ちるような感じで
    読み進め、「なるほど、世界十指に入る謎とは…」

    現在、溺れるばかりの溢れかえるミステリー小説の中で、
    トリックやら密室の真相やら奇想天外のモノを数々見てきている
    つもりの私にとって・・・
    期待もむなしく、密室の謎も「え!?」
    読んでおいて損はなかったですね。

  • 『森博嗣のミステリィ工作室』から。
    意外と読みやすい。
    名探偵vs名探偵の推理対決。密室トリック。犯人消失トリック×2。意外な犯人。
    ミステリーとして読み応え十分。
    個人的には最初の20ページまでに、事件の謎を提示しているのが好印象。
    おかげで、すんなりと物語に入っていけました。

  • 綾辻vs京極vs辻村対談で、綾辻&辻村両先生が最初に読んだ本格ミステリとのことで読んでみた。
    もともと訳書が苦手な上に、初版1965年ということもあって読むのに結構苦労した。
    ケチらず最新版買って読めばよかったかな…
    「読む時期によってはハマる」との綾辻談の通り、高校生くらいまでに読んでたらどハマりしただろうなーと。
    あまり古典は読んでこなかったので、これを機に色々読んでみようかなと思う。

  • 密室ものと言えば、必ず名前が上がる一冊。
    個人的には、若いうちに(笑)読んでおきたい一冊。

  •  密室ミステリの古典作品。なわけで、最初のほうに読まないと、拍子抜けするやも。

  • 密室のトリックは具体的にイメージすると正直コメディだけど、これ以前が「モルグ街の殺人」とか「まだらの紐」だと思えば、確かに画期的か。主人公は17歳らしさが足りないのが惜しい。完全におっちゃんとして脳内再生されてた。

  • 横溝正史の本を読んでいて密室の古典だよ、とあったので興味を持って図書館で借りてみました。正直ラストにええっ?という感じでした。そして少し描写がくどいなあとは思いましたがトリックはさすがになるほどと思いました。

    それにしても彼が犯人と言うのはちょっと卑怯…というかびっくり。彼女の過去は何かありそうだなあと思っていたのでそれほど驚きもなく読んだのですが続きで補完ってのはずるいですね。でも続きは彼女の過去の秘密をえぐるだけになると思うのであまり読む気にならないなあ…。私は犯人
    にちょっと同情。もう少し早くに連絡取り合えば良かったのになあと読み終わった後思いました。

  • 3
    密室と小生意気な若者と後出しジャンケン。
    本作が百余年前に発表された密室クラシックであるというだけで十分称賛に値するが、そうでなければ取り立てて誉め讃えるところはない。推理小説としては逆に欠点が多く目につくが、時代性というか、フィクションの妙というか、勢いがあるわけでもないのに、何となく雰囲気で押し切っているあたりは力技であり、微笑ましくもある。

  • 物語の結末が非常にルパンっぽいと思ったらモーリスルブランもガストンルルーもフランス人作家なのね。半世紀も前に書かれた作品なので捜査方法や心理的なものに時代を感じざるを得ないが、それ以外はまるで色褪せていない…はさすがに言い過ぎだけど、3つある謎の内、タイトルにもなってる黄色い部屋の謎のトリックは秀逸です。

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著者プロフィール

Gaston Leroux(1868-1927)
パリ生まれ。「最後の連載小説家」と称されるベル・エポック期の人気作家。大学卒業後弁護士となるが、まもなくジャーナリストに転身。1894年、《ル・マタン》紙に入社し司法記者となり、のちにこの日刊紙の名物記者となる。評判を呼んだ『黄色い部屋の謎』(1907年)を発表した年にル・マタン社を辞し、小説家として独り立ちする。〈ルールタビーユ〉〈シェリ=ビビ〉シリーズの他、『オペラ座の怪人』(1910年)、『バラオー』(1911年)等のヒット作がある。その作品の多くは、演劇、映画、ミュージカル、BDなど、多岐にわたって翻案されている。

「2022年 『シェリ=ビビの最初の冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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