闇からの声 (創元推理文庫)

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制作 : Eden Phillpotts  橋本 福夫 
  • 東京創元社 (1963年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488111021

闇からの声 (創元推理文庫)の感想・レビュー・書評

  • フィルポッツと云えば『赤毛のレドメイン家』と連想されるように、あまりそれ以外の作品については巷間に知られていない。しかし、逆にそれが仇になっていると私は思っている。
    はっきり云って『赤毛~』は今読むとミステリの歴史に燦然と輝く名作かと訊かれれば、万人が万人とも首肯するとは限らないだろう。昔のミステリにありがちな冗長さを感じるし、同じアイデアでもっと優れたミステリが現在では存在しているからだ。だから『赤毛~』を読んで、「なんだ、フィルポッツとはこんなものか」と思われ、それ以外の作品に手を伸ばしていない方々が多くいると思う。しかし、私はそれは勿体無いと思う。なぜなら私は『赤毛~』よりも本書の方が面白いと感じたからだ。
    本書は全く『赤毛~』とは設定が違う。なぜなら犯人は誰だという謎解きがあるわけではない。犯人は事前に解っており、探偵はその犯行を暴くために存在している。では倒叙物かと云われれば、そうとも云いきれないところがある。あえて云うならばサスペンスの部類に入るだろう。

    本書の主人公は引退した刑事。彼が招待されたホテルで床に就くと闇から聞こえる子供の悲痛な叫び声。しかし子供の姿はどこにも見えなかった。気味悪がった刑事は宿泊客の1人、老婦人にその話をすると、それはこのホテルで亡くなった少年に違いないという。その婦人によればその少年は貴族の息子で、父親と付添夫とで滞在していたが、夜毎彼の叫び声が聞こえ、とうとう衰弱死してしまったのだという。元刑事はその2人が犯人に違いないと見当をつけ、犯罪を証明しようとするというのがあらすじ。
    幽霊からのメッセージといささかオカルティックな導入で始まる本書の主眼はこの元刑事と犯人と目される男との頭脳戦・心理戦を楽しむ作品だ。

    人間を描くという意味で、既に文学界の大家だったフィルポッツの実力は十分であり、この対決も様々な駆け引きが成され、読み物として楽しめる。『赤毛~』が視覚的に鮮烈なイメージの導入であったのに対し、本作では題名どおり「闇からの声」と聴覚的な導入であるのもなかなか興味深い。

    で、本作はホラーではなく、ミステリである。従って冒頭の幽霊からのメッセージも合理的な説明がなされる。私は当時この真相が気に入らなくて、評点を1つ下げたのだが、今ならば、確かにこういうトリックはありえるなぁと思える。
    ぜひ読むべきという作品ではないが、読むと意外に面白いといった類いの作品である。

  • 回りくどい説明。進まないストーリー。
    これは読破できない。
    断念。

  • この古さで、単なる犯人探しではないこんな作品をねー。

  • 東京創元社の復刊フェアで購入。
    引退した老刑事があるホテルの一室で『幽霊の声』を聞いたところから事件が始まる。
    犯人は目星がついていて、主題は老刑事が犯人を追い詰めて行く姿にある。老刑事が犯人に仕掛ける罠は緻密でスリリング。心理サスペンスものの名作。

  • 隠退した名探偵リングローズはイギリス海峡に面した旧領主邸ホテルに招待され、その夜、彼は闇をつんざく幼児の悲鳴、恐怖のどん底におののくいたいけな叫びを聞きます。
    生来子供好きのリングローズは事情を調べようと思い、翌朝にホテルの中を捜してみますが、それらしい子供は見当たりません。
    声は確かに聞えたのにその声の主はいないのです。
    すると不審の念にかられたリングローズに同宿の老婦人がその子供はこのホテルで1年以上も前に亡くなったのだと説明してくれます。
    名作「赤毛のレドメイン家」と並んで不滅の光茫を放つ傑作です。

  • フィルポッツの名作のひとつ。滞在したホテルで寝ていたとき少年の悲鳴がリングローズの耳に響く。彼はかつてそこで一人の少年がなくなったことを知り、それが殺人だということに気付き犯人の目星もついた。しかし、証拠はなく逮捕させるために彼は捜査を開始する。犯人はわかっているのでどうやって追い詰めていくのか、をみる心理小説です。地道な捜査なので迫力がなく少々退屈でした。ただ、対象者への巧妙な近づき方や揺さぶり方がわかりやすく、対象者の心理状態が巧みに描かれていてよかったです。最後の犯人との対決も迫力あるシーンでした。

  • ホテルの主人の招きで旧荘園邸ホテルにやってきた引退した名探偵リングワース。狩猟を楽しみ同じ宿泊客であるベイヤーズ夫人とも親しくなっていくが。夜中に聞こえる助けを求める少年の声。声の少年ルドヴィックは1年前に悪夢にうなされて死んでいた。少年の死に疑問を抱いたリングワースの捜査。少年の従僕であるアーサー・ビットンとの接触。彼の使った怪しい首での脅し、追い詰められたビットンの自殺。ルドヴィックの相続するはずだった財産と爵位を相続した伯父ブルーク男爵。男爵との接触。イタリアでのルドヴィックの父親の死の調査。ルドヴィックの姉ミルドレッドの元婚約者コンシダイン医師の協力とブルーク男爵への罠。

     2011年7月31日読了

  • 『赤毛のレドメイン家』よりずっと面白い??

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