皇帝のかぎ煙草入れ (創元推理文庫 118-11)

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制作 : 井上 一夫 
  • 東京創元社 (1981年発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118112

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皇帝のかぎ煙草入れ (創元推理文庫 118-11)の感想・レビュー・書評

  • クリスティも絶賛したと言われるトリックが用いられた作品です。
    主人公格(探偵役ではない)であるイヴ・ニールが犯人でないことは、読者には分かるのだが、状況的証拠から容疑者の扱いを受けてしまいます。
    登場人物数も少なく舞台も狭いため、比較的犯人候補は絞りやすかったのですが、私には見抜くことができませんでした。
    あまり詳細には触れませんが、ストーリーに若干の偶然性が盛り込まれており、またトリックに関しては、人によってはアンフェアと捉える人もいるだろうなと感じましたが、私は十分楽しめるものだと思います。
    犯人、トリックを理解した上で、再読したい作品でした。

  • 今の時代に読んでも面白い上に騙されるって結構凄い事だと思う。

  • The Emperor's Snuff-Box(1942年、米)。
    ノン・シリーズ。カー中期の作品で心理トリックがメインの異色作。

    2度目の結婚を控えたイヴは、向かいの家で婚約者の父親が殺されたのを寝室の窓から目撃する。運の悪い偶然が重なり、彼女自身が容疑者にされてしまうが、目撃した時には前夫が寝室に忍びこんでいたために、潔白を証明することができなかった…。

    スピーディで意外な展開の連続で、読んでいて飽きない。ちょっとユルいけどチャーミングなヒロインと、彼女の騎士役を務める切れ者の探偵というベタな設定も、また良し。犯人の意外性もさることながら、偶然が重なった結果、当初の計画以上にトリッキーな事件になってしまったというところが面白い。

  • 言わずと知れた名作ミステリ。事件は一つだし、メインの謎自体もたった一つなのだけれど。まったく物足りない気はしませんでした。
    イヴを巡るサスペンスフルな展開も読みどころ。彼女がいったいどうなってしまうのかが気になって、ぐいぐい読み進みました。彼女を巡る周りの人々のねじれた人間関係の方が複雑といえば複雑、かも。事件の真相が実はとんでもなくシンプルだったことも驚愕。もちろん、いくらシンプルだと言ってもおいそれと気づけるものではありませんでした……。

  • 読み進めながら進むにつれて犯罪の不可能さが増していって「どうすんだこれ、、、」と思っていたぐらい。
    いやーーーー、やられた。笑
    なるほどと思ったしたしかに私たちにも材料は提示されているよ、、
    先にこの手のトリックを受け入れる下地はあったからなるほどですんだけれど、当時は驚天動地だっただろうなあ、、。

  • トリックにはやや無理があると感じたが,それなりのレベルの推理小説であろう.

  • ミステリーの古典の中の古典という印象で今まで手をつけなかったけど、カーの作品では王道じゃないらしい。
    主人公の女性、そして探偵役の精神科医のそれぞれの心情が、背負っている役割と奥底の心情が揺れているので心理劇としての感じが強かった。

  • ディクスン・カーの作品でも一、二を争うほど有名な一作。アガサ・クリスティもトリックを絶賛していたらしい。カーの中では異色の作品らしいが、カー作品をほとんど読んでいない自分には詳しいところは分からない。

    薄幸美人のイヴ・ニールは再婚を間近に控えていたが、ある夜、二階の寝室に居た所に前夫がやってくる。前夫と言い争っている最中、彼女は向かいの家に住んでいる婚約者の父親が殺されているのを目撃。しかもアリバイを言い出せないでいるうちに、殺人犯の濡れ衣を着せられてしまい、前夫は意識不明の重体に。絶体絶命の彼女の前に現れたのは、心理学の権威であるターモット・キンロス博士だった。

    キンロス博士が出てくるだけあって(他の作品に出てくるのかは知らないが)、本作には心理トリックが使用されている。心理トリックは、うまく使えば完全犯罪を容易に演出することができるが、使い所が難しい諸刃の剣。とはいえ、不可能犯罪の大家であるカー先生の手腕は流石のもので、自分も登場人物と一緒に見事に引っかかってしまった。

    イヴ・ニールみたいに超美人なのに男運が悪すぎる人ってのは現実にもいそうな感じがして、何とも言えない気持ちになる。以上。

  • 面白い。面白いぞコレ。物的証拠が揃ってしまったイヴ・ニール婦人をキンロス博士はどう救うのか、読み終えるのが嫌でちびちび味わってました。50年以上前に書かれた作品に新鮮に驚かされるとは。横文字の名前を憶えるのが苦手な私が、すっかり登場人物を把握できたことは、彼らの言動や心情が事細かく書かれていたからでしょうか。それにしても「打ち上げ花火みたいな女だ」ぜ!

  • 面白い!外国の作品はあまり得意ではなかったのですが、これはスラスラ読めました。次は気になっている「火刑法廷」も読みたいです。

  • 1月の10冊目。今年の10冊目。

    カーはこれで2つ目。最初に読んだボウストリング城殺人事件は情景描写でかなり頭をひねったが、今回は普通の民家が舞台なので、頭の中にすぐに場面をイメージできました。この作品は、一言で言うと、あることに気付けるか気付けないかどうかです。本当にその一点にかかってきます。それゆえ、本格として、読者が挑める作品として、非常に良いと思います。読者への挑戦はありませんが、必ず犯人が分かるようになっています。種を明かせばなんだ、ということになるけども、そこを読者にわからせないようにさりげなく、書いてあるところが良い。そんなに長くもないので、おすすめ。

  • 4+ 

    上手い。巧みに編み込まれた絶妙なミスリード、後になって気付く手掛かりのバラまかれっぷりに脱帽。無理なく無駄なくテンポ良く、このスピード感も心地良い。

  • 震えた。掛け値なしの傑作。
    徐々に徐々に謎の糸が解きほぐされていくラストの方は、込み上げる興奮を抑えきれず。いやしつこいが震えた。

    これも中学時代に読んだはずなのだけど、ほとんど記憶になかったなあ。
    自分の忘れっぽさに感謝だ。

  • 登場人物の会話がなんとはなしに上品で、気持ちよく読めた。これは翻訳のなせる技?
    やはり長く愛される作品にはそれなりの魅力があるものだなあ、と実感。


    ミステリ好きの義父に感想を話したところ、この著者の他の作品を3冊貸してくれた。ふふ、楽しみ。

  • 物凄くスピーディーな展開と、ちょっと俗っぽく、しかし伏線が効いていて全ての要素が最後にぴたりとはまる。
    イヴはちょっと学習しなさすぎ、とも客観的には思うんだけど、それでも最初が彼女のピンチから始まり、しかもそれが物凄く同情に値するシチュエーションのせいで共感とか心配が勝る。
    (ジャニスが「私だったら大声で助けを呼ぶわ」と言っていたけど、多分そういったことに脅かされそうになったことがないんだろうな…)
    トビイのクズな小者っぷりも印象的。

    そして何といっても、最後のあのせりふ。
    カリオストロの銭形警部に、勝るとも劣らないと個人的には思う。

  • 古典ミステリの真髄を見せつけられた思いです。
    本当に面白くて大満足なんです、ただ一点を除いては。
    その一点は完全に私のわがままというか、それがなかったらそもそもこれは名作になっていないだろうという重要な一点なので、どうしようもないのですが。
    でもやっぱり残念だったので、☆は−1にさせていただきました。

    しかし文句なしに面白いのは事実です!

  • アガサ・クリスティも脱帽したトリックと聞けば、騙されてみたくなるってものです。実際、どうやっても無理だと思われた人物が犯人で一瞬呆気にとられてしまいました。負け惜しみをいうようですが、あらすじの書き方に問題あるでしょ!微妙に嘘が含まれてるでしょ!…まぁそれがなかったとしても騙されてたと思いますが…。犯人を決定する重要な証言は、うっすらと引っ掛かっていましたが指摘されて初めて意識するくらい。そのほのめかし方は上手かったですね。しかしイブはもう少し身を守る術を身に付けた方がいいぞ。これからは大丈夫でしょうけど。

  • はじめてのディクスン・カー。
    前情報なしに読んだのだが、自分でも驚いたことに途中で真相が分かってしまった。滅多にないことなので、不覚にもちょっとどきどきしてしまった。

    確かにこれは巧い推理小説だ。古典とされるのも頷ける。
    いや、そりゃ、言いたいことはいろいろあるけどね、それらすべてを補って余りあるほどトリックが素敵なのでよしとしよう。
    (登場人物の造形がどうも薄っぺらじゃないか?設定がご都合主義的すぎやしないか?とかね・・・こういうときは純粋にパズルとして楽しむことにして「登場人物は詰将棋の駒、設定は与えられた盤面!」と割りきってしまえばさほど気にならないものだ(笑)
    でもやっぱり、エキセントリックで魅力的な探偵役は欲しかったなー。ホームズの読み過ぎか?
    ともあれ軽く読める作品なので、推理モノ好きなら一度は読んでみて損はしないんじゃなかろうか。

    題名と表紙絵を見比べてみると・・・・・・。

  • すごいトリックです!?いやあ、カーは、ディスクン・カーは初めて読みましたが・・・すごい!一種の心理トリックなんでしょうけど、確かにこれはわかりません。常人はひっかかります。皇帝のかぎ煙草入れがヒントですね。冷静に考えれば怪しい人物は一人しかいないんだけど、それを感じさせないんだなあ。うん、おもしろかったです。すごい!

  • あ~、確かにね!って思った。

  • 超絶的な技巧が光る。

    これは読むべき。古典でも読みやすいし、短い。

  • もしも自分の目の前で殺人事件が起きたなら…。そして、事件の目撃者となった自分に何かやましいことがあって、それを証言できずにいたなら…果ては、それがもとで自らが容疑者として嫌疑をかけられることになったなら…。


    婚約者の父親が事件に巻き込まれるところを、向かいの家から偶然にも目撃してしまったヒロインのイヴ・ニール。これから家族になるであろう愛すべき身内の死は、彼女に衝撃を与えます。

    しかし、彼女には事件を目撃していたという事実を明かせない特別な事情があったのです。被害者の息子であり婚約者でもある恋人に、余計な心配をかけたくないあまりに、ただ口をつぐむばかり。


    子細な情景描写と冷徹な筆致で描かれるシーンの一つ一つが、登場人物の心理的変化を見事に表しています。

    男の嫉妬、疑うことをしらない幼気な女性の恋心、ラストに待ち受ける驚愕のトリック。
    物語に描かれている全ての事象が、完璧な体を為しているのです。

    このたった一つの不可能な犯罪を、犯人はいかにして成立させたのか…

    読了後、恐るべき心理トリックに感嘆の声を上げること間違いなしのミステリの金字塔です。

  • まさかこんな展開とは、という推理小説。登場人物の思惑や行動がこれでもかと絡み合い、段々とほぐれていく。

  • 再読。向かいの家での殺人を目撃した主人公が、その殺人の容疑者とされていく過程がテンポよく描かれ、物語に引き込まれる。シンプルな真相を隠蔽し、読者を誤導する大胆で巧妙な手法も素晴らしい。

  • <ブックレビュー>
    面白かったし騙された。真犯人は見破れなかった。
    江戸川乱歩が「物理的に絶対になし得ないような不可能を、不思議な技巧によってなしとげさせた」と絶賛していたという。確かに、盲点を突いた見事なトリックだった。トリック自体は無理のない自然な技法だが、それが見事に読者の盲点を突いている。「なるほど!」と思わせる納得のいくトリック。それでいて、物理的に不可能な状況を作り上げている。
    古典だが現代でも十分楽しめる。

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