魔女の隠れ家 (創元推理文庫 118-16)

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制作 : 高見 浩 
  • 東京創元社 (1979年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118167

魔女の隠れ家 (創元推理文庫 118-16)の感想・レビュー・書評

  • 伝奇的要素、暗号解読、青春恋愛もの、と盛り沢山な内容。フェル博士初登場。カーはずいぶん読んだはずだが、これは未読だった。
    でも犯人はすぐにわかってしまった。
    whoではなくhow done itのミステリ。
    フェル博士よりはHMもの(カーターディクスン名義)の方が好み。

  • あかね書房 少年少女世界推理文学全集で小学生の時読んだけど、続きが気になって一気に読んだ。挿絵がよかった。シンプルな線で一筆書きみたいに人がかいてあって。あれ誰がかいてたんだろ。

  • イギリス郊外にあるチャターハム監獄の長官を
    数代にわたり勤めてきたスタバース家には、
    当主が首の骨を折って死ぬという伝説があった。
    先代の長官であるティモシー・スタバースも
    <魔女の隠れ家>と呼ばれる絞首台の近くで重傷を負い
    命を落としたが、臨終の床で彼は奇怪な言動を遺す。
    それから二年後の現在、一族の嗣子であるマーティンは
    慣習どおり25歳の誕生日の晩を監獄の長官室で過ごすが、
    数人の人間の監視があったにもかかわらず、怪死を遂げる。
    初代長官アンソニーが遺した日記と詩篇に隠された謎とは。
    そして、マーティンを殺害した犯人はいったい誰なのか。

    名探偵ギデオン・フェル博士初登場の作品。
    原題「Hag's Nook」。

    カーの作品を読むにあたり、何を最初に読むか悩んだが、
    特に代表作らしきものもないようだったので、
    フェル博士が初めて登場するこの作品を選んでみた。

    確かに、プロットやトリックは凝っているな、とは思う。
    現在起きている事件に、2年前の事件や、
    さらには100年以上前の人間の思惑までがかかわってくる、
    というような話は、古いとは思うが嫌いではないし、
    トリックもさりげなく作りこまれていて素晴らしい。

    だが、それを語るための文章の力や、
    物語の構成となると、ちょっとな、と思ってしまう。
    あれだけのトリックを考えておきながら、
    あんな明かし方をするのは非常にもったいないと思うし、
    ランポールとドロシーが惹かれあうという設定も
    果たして何の意味があったのだろうと首を捻らざるをえない。
    ミステリとは全然関係のない部分で、
    登場人物が恋に落ちていたって全然構わないのだが、
    全然構わないと思わせるだけの素晴らしい描写がされてなければ
    「要らないじゃん」と言われても仕方がないとは思う。

    繰り返される情景描写のおかげで漂っていた不気味なムードや、
    ランポールとドロシーが煙草を買いに走るシーンの滑稽さ、
    そして、ラストで強調される犯人の卑小さは良かった。
    あと、想像していたよりはずっと文字数が多かったものの
    楽に読めるコンパクトさも結構魅力的である。

    黄金時代の作家の中では、今のところ一番気に入らないが、
    多くの人に支持されるものがあるのもわかるような気はする。
    きっと何作か読んでいくうちに、もっとわかってくるだろう。

  • ギデオン・フェル博士もの。彼の初登場作でしたが、これがかなり面白いですねぇ。初登場作を読んでいると、少し期待はずれなときがあったりするんですが、これはカーの能力が存分に生かされてる気がします。その怪奇色といい不可能犯罪といい……。ただ、最初のほうがやたらと退屈だったのが、残念なところ。

  • 私が生まれて初めて読んだ推理小説。殺人の舞台となった現場の描写が恐怖で胸に迫る。 読んだのが小学生の時だったので、緻密な推理の場面はほとんど飛ばして読んでいたと思う。しかし恐怖だけはしっかりと胸に刻まれ、夜一人でお手洗いに行けなかったような気が。 かなり後年までその恐怖が心に残り読み返す事が出来なかったが、2〜3年前に再読。 流石に小学生の頃のような恐怖感は無く、その代わりフェル博士の推理の道筋が良く分かって楽しめた一冊。

  • カーの特徴である不可能状況とか密室がこれには使われていないにもかかわらず非常に高水準の作品になっていると思う。細かい手がかりをもとに推理を組み立てていくフェル博士はやはり魅力的。最後の真犯人による告白書は…あれはリアリティなのかな?w

  • フェル博士シリーズ第1作目。設定的には『連続殺人事件』や『プレーグ・コートの殺人』や『赤後家の殺人』などでよく使われる昔から因縁のある建物で起こる怪事件を扱った作品である。

    舞台は集団コレラによって閉鎖された監獄跡、通称「魔女の隠れ家」。そこには監守の末裔は25歳の時にたった一人で監獄の長官に入り、そこの金庫の中に入ってある文章を確認しなければならないという儀式があるというシチュエーション。さらに一族に纏わる古き因縁からの呪いの逸話。そして期待を裏切らずにそこで起こる密室殺人事件。どこをどう取ってもカー印のミステリである。

    しかしカーの初期の作品である本書は実にオーソドックスに展開する。とはいえ、凡作というわけではなく、事件が起こる舞台の背景事情、殺人も1つではなく2つ起こる点、さらにその2つともがよく練られていることなど、色んな仕掛けが盛り込まれているのはこの作家の若さゆえの創作意欲の発露だろう。しかしやはり記憶にとどめるだけのパンチ力がないというのが率直な感想だ。
    しかし最後の犯人の往生際の悪さはカー作品の中でも群を抜く。言い訳とみっともなさをこれほどまで犯人に盛り込んだのは、その頃、カーの身辺にモデルとなるような人物でもいたのだろうかと勘繰るほどだ。まさかねぇ。

    私はこの作品と傑作短編「妖魔の森の家」とをよく混同してしまう。なんとなく雰囲気といい、題名といい、類似性があると思うのは私だけだろうか?

  • フェル博士シリーズ

    相続の儀式で元監獄に入ったマーチン・スターバスが監獄の井戸付近で死体となって発見された。監獄の所長室に見えていたマーチンの影。相続人の長男が死ぬという伝説。所長室の金庫に隠された文書の謎。行方不明になった従兄弟のハーバート。2年前に同じように井戸のたもとで死んでいたマーチンの父親。父親の死の直前に告白を聞いた牧師のソーンダス。自分を殺害した犯人の名前を書き残した父親。監獄の壁と井戸に残された痕跡から事件の真相をつかむフェル博士。

     2002年3月5日再読

     2009年5月24日再読

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