皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118327

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の女性が狡猾な犯人の罠にはまっていくところ思わず感情移入して胸が痛くなるくらい。次第に謎は解かれていきやがて暴かれる意外な犯人とトリック。心理トリックは見事としか言いようがない。クリスティも絶賛したのが分かる。カー作品にしては読みやすい部類。後半は一気に読み進めてしまった。「かぎ煙草入れ」が日本人にはピンとこないことが難点といえば難点か。

  • カー作品を初めて読んだ。古典と言われるだけあって、素直に面白かった。犯人当ての点でいうと、この人だけは違うよな、と無意識に除外してしまっていた。宝石の破片がイブのパジャマに付いていた、という一点だけからでも犯人に迫れたはずなのに、綺麗にしてやられた。
    他の作品も読んでみようかな。

  • 古典って、「あー、まあ当時としてはすごかったのかもしれないですけど、今はほら、もう21世紀ですしね…?」的な、もてはやすほども楽しめはしなかったわりに、かといって時代遅れ!つまらない!みたいなことを言うと一気に恥ずかしい人になってしまいそうなので感想を言うのが難しいなあ、と常々一人孤独な悩みを抱えていたのですが、この作品に関してはそんな心配をしなくていいほど鮮やかに騙され、素直に楽しめました!でも、探偵役の博士が若干ストーカー気質でマジキモな粘着感があったので、その分は☆を引かせていただきます!(同族嫌悪)

  • 古典的なトリックミステリー。
    読みやすく一気読み。
    人の心理や思い込みって面白くそして、それを利用されたら怖いんだなあと思った。

  • 初カー。面白かったです。探偵役がしっかり立ち回り、最後暴露されながら回収されて行ったのがミステリーらしい終幕。 少し火村さんかよぎりつつ勝手に親近感。少し読んでからなんとなく入り込めなくて積読のまま1年経ち、やっと読みましたが読みやすいしわかりやすいし、行動範囲も簡潔で王道感ありました。

  • めちゃくちゃ面白かった。登場人物は誰も好きになれない。身近にいそうなレベルのクズで、サイコパスやゴミカスよりも嫌だ。でも読んじゃう。何が見つかるか、何を隠してるかが気になってしょうがない。
    とてもフェアなのに気持ちよく騙された。「卑劣で汚いペテン」?いやいや、そんなことない。お見事。

  • 不可能犯罪の巨匠カー。読者をミスリードさせる数々の手法。綱渡り的な描写。見事に騙された。

  • イヴが巻き込まれた危機的状況に乗せられて、まんまと騙されてしまった。後から読むと不自然な描写が幾つも含まれていたのに。
    登場人物の言動に惑わされ、トリックとしては狡いと感じるところもあるが、次から次へイヴに降りかかる災難に引き込まれ、ついつい読んでしまう。読後感も悪くなく、おすすめな小説である。

  • うわぁ…すげぇ綱渡り…
    でも嫌いじゃないですこういうの。
    こういった構図の事件ではかなり効果的な技ではないかしら。明かされてみればなぜ気付かなかったのかと悔しがる方もいると思いますが、それは作者の上手さでしょう。だってカーだもん。
    あんまり言うとネタバレになるので控えますが、この心理的トリックをこの時代に実践しようとした姿勢に感服です。

  • フェアかアンフェアかが話題になる作品だが、私はフェアだったと思う。私は鈍く、犯人判明の2ページ前くらいでようやく「アッ」と気づいたのだが、なるほど確かにヒントはそこかしこに散りばめられていた。真相解明が明快ですっきりできる。
    (結局思わせぶりな過去がはっきり明らかにならなかったキャラがちらほらいるのは気になったが、それは特に関係ないのだろうか?)

    ラストシーンの某人の台詞の意味はわかりにくいと思うので、原文と解釈を調べてみても面白いかも。

著者プロフィール

別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。1906年、アメリカ生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、30年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した。1977年死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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