爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)

  • 東京創元社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488119027

感想・レビュー・書評

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  • H・M卿シリーズです。
    相変わらずの卿のドタバタで始まります。
    これには笑わせて頂きました。
    今回も絶好調な卿です。
    目張りした部屋の中で死体が発見されるという密室殺人です。
    私の大好きな密室にさらに登場人物に手品師がいて、卿のドタバタもありでトリックも素晴らしく、本作は良く出来た作品だと思います。
    密室のトリックだけでも読む価値はあると思います。

  • 探偵ヘンリーメリヴェール卿の魅力が詰まった一冊。冒頭から爬虫類館での冒頭のドタバタの様子は面白く、そこから流れるように密室殺人事件が発生。1940年代の作品ということで、戦時体制下で空爆をうけているため、作品の中でも灯りが漏れないよう灯火管制が敷かれているのが特徴的。トリックや犯人が誰かというよりも、メリヴェール卿の犯人への仕返しが痛快なストーリーでした。

  • ヘンリ・メルヴィル卿シリーズ。第二次世界大戦下のロンドンを舞台に繰り広げられるミステリ。なんとなくタイトルからはおどろおどろしたものを想像したのですが、案外とスラップスティック調で明るい物語といった印象。ケアリとマッジのあまり甘くない(笑)ロマンス物語も読みどころでしょうか。
    この密室トリックはあれですね、他でもいろいろ見かけた気がするのですが。そのための伏線が綿密だったので、早々に見当はついたものの充分に楽しめました。そうか、この時代設定もこのためのものだったのか!

  • 81005.180

    平凡な感じで、カー特有の怪奇色もそれほどない。

  • 強烈なH・M卿を堪能できる
    ファン垂涎ものの作品。
    特に彼の本領は最後の犯人を追い詰めるときに
    フルに発揮されます。

    まあそのせいで犯行よりも
    H・M卿になってしまうのは
    否めないのですが…

    犯人は推理が割と容易な部類に
    入ります。
    せいぜい迷うのは二人程度です。
    でもここで素直に引き下がらないのが犯人。
    なんとH・M卿に噛み付いてくるんです。
    まあその結末は予想通り。
    バンコラン張りですな。

    残酷面むき出しでありました。

  • H・Mシリーズ

    爬虫類館での出会い。対立マジシャン一家の息子ケアリ・クイントと娘マッジ・パリサー会談。飼育員との喧嘩。逃げ出した大トカゲ。H・Mの逃走。自宅で殺害された動物園の園長ネッド・ペントン。がむrで目張りされた部屋の名でのガス中毒。ペントンが購入しようとしていた蛇。蛇の売人のアグネス・ノーブル。犯人に狙われるマッジ。キングコブラ対H・M。事件直前にヘンリー卿達が聞いた真空掃除機の音と事件の関係。

     2002年4月5日読了

  • 2008/11/24購入

  • 原題は、『彼が蛇を殺すはずはない』――すべての推理はここから始まっている。目張り密室にする必然性があったのかは甚だ疑問だが、それでも作者は完全なる密室に真正面から勝負を挑んでいる。正々堂々と、そしてくそ真面目に。密室トリックのあるべき姿というのは、本来こういうものではなかったのか、と考えさせられる部分がなくもない。そしてもうひとつの良さは、H.M卿の魅力が存分に味わえる点。苦手な蛇に囲まれ辛辣な口調でいつもの皮肉をわめいているが、照れ屋で優しい素顔が垣間見えるのもファンにとっては嬉しいところ。ラストは、恥ずかしくなるくらいキレイにまとめすぎた感もあるが、事件と並行してもうひとつのストーリーも進行しているから、それはそれで納得することにする。そのストーリーも放置することなく拾い上げて、推理の重要な部分を任せているのはさすがだと思った。

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著者プロフィール

Carter Dickson (1906-1977)
本名ジョン・ディクスン・カー。エラリー・クイーン、アガサ・クリスティーらとともにパズラー黄金時代を代表する作家のひとり。アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれる。1930年、カー名義の『夜歩く』で彗星のようにデビュー。怪事件の連続と複雑な話を読ませる筆力で地歩を築く。1932年にイギリスに渡り、第二次世界大戦の勃発で一時帰国するも、再び渡英、その後空襲で家を失い、1947年にアメリカに帰国した。カー、ディクスンの二つの名義を使って、アンリ・バンコラン、ギデオン・フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿(H・M卿)らの名探偵を主人公に、密室、人間消失、足跡のない殺人など、不可能興味満点の本格ミステリを次々に発表、「不可能犯罪の巨匠」「密室のカー」と言われた。晩年には歴史ミステリの執筆も手掛け、このジャンルの先駆者ともされる。代表作に、「密室講義」でも知られる『三つの棺』(35)、『火刑法廷』(37)、『ユダの窓』(38)、『ビロードの悪魔』(51)などがある。

「2023年 『五つの箱の死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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