- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488123079
作品紹介・あらすじ
高名な探偵作家ヒルヤードの邸で、ゲストを招いて行われた推理劇。だが、被害者役を演じるスコット=デイヴィスは、二発の銃声ののち本物の死体となって発見された。事件発生時の状況から殺人の嫌疑を掛けられたピンカートンは、素人探偵シェリンガムに助けを求める。二転三転する論証の果てに明かされる驚愕の真相。探偵小説の可能性を追求し、時代を超えて高評価をを得た傑作。
感想・レビュー・書評
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安定だな
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初回は物語の動かし方に驚き、再読でその完成度の高さに驚く。信じられないほどの傑作。
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じっくり読まないといけないけど推理小説の名作。草稿という形で物語が書かれる面白いパターン。最後は「…えっ!?Σ(・□・;)」ってなる。
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推理劇の途中で被害者役の男が実際に殺されてしまう。
容疑者にされた犯人役のビンカートンは、素人探偵の友人に助けを求める。
地味で、特に何か大事が起こる訳ではない。
警察の捜査も、素人探偵のシェリンガムも大活躍はしない。むしろ舌先三寸で話が進んでいく感じ。
それが話をこねくり回す感じで面白いのだ。容疑者が二転三転し、その行動や動機が本当臭いのにそうじゃなく、まるで読者と言うよりミステリ自体をおちょくっているようにすら感じられる。
そしてエピローグ。
ああ、そうだったよ!と唸ってしまうオチが待っている。
バークリーにしてやられた。 -
さすがバークリー。一筋縄ではいかないだろうなと思っていたが、この展開には唸った。事件の現場にいる登場人物の「手記」という形をとってますが、これは凄い。これが1930年に書かれてしまっているのか…。
一通り読み終わった後に、巻頭にある「A.D.ピーターズに」を読み返すと、作者のこの作品に込めた「狙い」に感服し、バークリーの筆力に魅了されます。
あ、シェリンガムは活躍してたよ。うん。 -
動機や殺害する機会に恵まれすぎた七人の関係者達。最重要容疑者として糾弾されそうになった男が、事件の概要を推理小説風に記述した草稿、という体裁の本作。
二転三転する展開の果てに、読者だけに提示される驚愕の真実とは…?
珍しく騙されなかったぞー(笑)。
この手のミステリィは、一度矛盾点とか取っ掛かりが見えたら、その後はもう自分の出した結末に向けて情報拾っていけるのが楽しい^^
海外翻訳ものにしては珍しくキャラクタの書き分けも上手いし(登場人物が少ないのも一因だろうけど)、語り手のピンカートン氏が自称落ち着いた大人の紳士からどんどん道化になっていくのも楽しい^^ピンキー…
推理小説の中では、恋愛話とか本筋に関係ない逸話は出来るだけ出しゃばらないで欲しい、って言うのが個人的な考えなんですが、今作はそれも混みで最後まで興味深く読めました。アーモレル、好きだわ^^
でも、シェリンガムが真相に気付いてないってことはないと思うなあ…ピンキーは最後までピンキーなのでした。 -
これも好き。シェリンガムのおかしみ。このままじゃ終わらないよね、と思ったところからの二転三転。人は見かけによらない。
巻末のアントニイ・バークリー著作リストを見て、まだ読んでいないのがこんなにあるとニヤニヤ。 -
2020/11/03
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ええええーっ! てなります(笑)
あと、語り手のピンカートンが、なかなか自分のことがわかっていない風で、それを理屈っぽく分析してみせるあたりが笑いをさそうというか、ふしぎなユーモアをたたえている。
その、自分がわかってるのかわかってないのかようわからんあたりが、なんともunreliable narrator な雰囲気をたたえてはいるのですが。
『毒入りチョコレート事件』のシェリンガムが登場するあたりはなかなかじゃジャジャーンというかんじでかっこいいのですけどね。