ガラスの鍵 (創元推理文庫 130-3)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488130039

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  • 1960/5/20初版で1984年8/10の21刷
    カバーは白山宣之の映画のシーンのようなイラスト。このカバー、今見るととても時代を感じてそれはそれで楽しいかも。

  • 前半、軽妙なリズムで話が流れて、主人公ネド・ボーモンの曲者振りがいかんなく発揮され、かなりの手ごたえを感じた。特にネドが敵役のシャドの手下達にリンチを受けるシーンは徹底した第三者視点の描写ながら、その執拗な攻撃に身震いを起こしてしまった。
    だが後半になると、人物間のドロドロした話となり、いささか辟易してしまった。
    …とは云うものの、こんな風に辟易してしまうのも心中に起こった様々なトラブルのせいで、心中穏やかでない。本当に厄払いに行こうかしら。

  • 2015年10月6日読了。市の実力者ポールのために何でも仕事を引き受ける博打うちのネドは、近くに選挙が迫った時期に目撃した殺人事件を追ううちに、様々な人物の思惑にさらされ・・・。ハードボイルドの古典。真のハードボイルドはこの小説のように、主観的に人物の心理を描写するのではなく「○○は△△した」とただ行動だけをもって描くもの、なのだという。人物が何を考えているか分からないので、読んでいる最中に独特な緊張感が産まれる・・・考えてみれば映画だって登場人物はいちいち「私は悲しかった」などと語ったりはせず(そういう映画はつまらないものだ)こちらは人物の表情や仕草から感情を類推するしかない。行動を描くためにはディテールの描写も必要であり、してみるとハードボイルドとは映像と相性のいい文学ジャンルと言えるのかな?

  • 女性陣の行動がさっぱり理解できない。ごたごたした状況を利用し、小さな動きで大きな効果を上げる主人公は格好いいけど、「あそこで某が激情に駆られなかったら、どうするつもりだっただろう……」って場面も。

  • 残念ながらハメットは、やはり性に合わないらしい。

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著者プロフィール

1894 年アメリカ生まれ。1961 年没。親はポーランド系の移民で農家。フィラデルフィアとボルチモアで育つ。貧しかったので13 歳ぐらいから職を転々としたあと、とくに有名なピンカートン探偵社につとめ後年の推理作家の基盤を作った。両大戦への軍役、1920 年代の「ブラックマスク」への寄稿から始まる人気作家への道、共産主義に共鳴したことによる服役、後年は過度の飲酒や病気等で創作活動が途絶える。推理小説の世界にハードボイルドスタイルを確立した先駆者にして代表的な作家。『血の収穫』『マルタの鷹』他多数。

「2015年 『チューリップ ダシール・ハメット中短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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