男の首 黄色い犬 (創元推理文庫 139-1)

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制作 : 中島 河太郎  Georges Simenon  宮崎 嶺雄 
  • 東京創元社 (1969年5月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488139018

男の首 黄色い犬 (創元推理文庫 139-1)の感想・レビュー・書評

  • 派手さのないパリ市街の情景を描き、金持ちとは無縁なくたびれた人々を浮き彫りにする。
    彼らの憂い。黄昏。そして絶望…

    なんとなくのイメージで、作品を敬遠してはいけない。メグレ警部のまわり全て、街であったり、仕事ぶりであったり、人の心理であったり、丁寧に描く警察小説。それは間違いではなかった。
    ただ、完全にミステリ小説であり、本格ミステリの要素もふんだんに取り込まれていた。

    「男の首」「黄色い犬」どちらにもいえることだが、メグレという人物は、非常に用心深く、我慢強く、それでいて行動的だ。掴みどころのない事件だと読者は思うが、メグレはなにもわからない風を装いながら、初めから推理に脳をフル回転させる。事件の鍵をつかんでいるのだ。

    「男の首」のホワイダニット「黄色い犬」のフーダニットは中々に衝撃であるし、謎自体が刺激的だ。

    上司だったり、街のお偉いだったり、どやされながらも、毅然と捜査するメグレは非常に魅力的な探偵だった(たまには、朝から晩まで歩き回って捜査する探偵もいいものです。安楽椅子が最近は多すぎて…汗水流すおじさま素敵)

  • シムノンの真の魅力を識るには、読者自身が成熟した大人であることが必須なのであろう。
    男の首に登場し、深い余韻を残す犯罪者の見事な心理描写は、現代のミステリー作家が束になっても敵わないに違いない。
    不公平な貧困とブルジョワへの憤怒、余命僅かな己の人生への絶望と孤独、天才と紙一重の狂気など、ドストエフスキーの罪と罰を下敷きとして、自尊心故に自らが告白する不条理な動機の発露は、異様な迫力に満ち圧倒する。

  • 読み終わりました。
    黄色の犬は何か推理小説というよりは小説をよんでいるような気分でした。
    男の首は推理小説の登場人物の描写がなかなかで読み進むうちにのめりこんでいった感じでした。

  • 中編二本。パズルとしてよりも小説として構築した方が面白くなりそうだと感じた。推理小説に慣れた人なら、そうは感じないのかもしれないが、自分には手がかりが乏しく、真相が唐突に感じられた。

  • 二十数年ぶりに再読。冒頭の死刑囚の「脱獄」に始まる息詰まる展開と深い余韻を残すラスト。いやー、面白かった!!。パリという都市の華やかさをあえて描かず、そこに暮らす貧しい市井の人々に寄り添うかのような内容は、この年齢になったからこそより深く楽しめたような気がする。改めて言うまでもないが大傑作ですよ!!。

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