- Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488160081
作品紹介・あらすじ
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。ドイツで爆発的な人気を博した話題作。
感想・レビュー・書評
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シリーズ第2作。
ヴァルター警部とエヴァリーン弁護士がそれぞれの立場から殺人事件に関わることとなり、章ごとに視点が変わりながら話が進んでいく。
前作同様、緻密な構成で、東欧そしてドイツと舞台を移動しながら話がテンポよく進み、全てが収斂していくラストまで全く飽きることなく読み進む。
話しの完成度が高く、セバスチャン・フィッツェック、ヘニング・マンケルらと並ぶストーリーテリングの巧さを堪能できるので、他の作品も期待大。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽しかったー面白かったー!
前作と同じように、ふたりが別々に事件に絡み出し、どこで交わるのかどう交わるのかとわくわく読んだ。謎が見えてくるたびに手が止められなくなる。
まさか、え、え?というぐるっと回って戻ってきた結末にいい意味で振り回された感じ。キャラもとても魅力的だった。
ただ、なんでー!という思いが1つだけ…。
ほんとなんで…最後まで影武者なのでは、と希望を捨てきれなかった…前作のあの幸せなラストが好きだったから辛い。
またふたりに出会えたらいいなと思う。そして互いに幸せになってほしい。 -
ダレることなく疾走感があった。
どのキャラも一長一短。母は強烈。レギュラーなって欲しい。 -
これでもかというほど主人公が苦難に見舞われる展開が続きお腹一杯になってしまう。蛍光タトゥーのさそりを全身に彫ろうとするサイケな形成外科医は、脳腫瘍によって人格変化しているのか、もともとサイコパスなのか。計画性に富んでいるように見えて、終盤では破綻の多い犯行となってしまっている。それが残念なところであった。
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非常に整理整頓されていて、無理なく物語がすすんでゆく。のだが、450ページ目位で主人公2人が会うんだが、それ、別に意味ないな。なーんか前作と同じく広範囲に同じ犯人が事件を起こしていて、さも意味がありそうに、チェコやらドイツやらオーストリアやらの地名わんさか出てくるけど、それも別に国をまたぐ必要なんて全くないし。わかったぞ。私がこの本嫌いな訳。脚本みたいだからだ。日本でドラマ化するなら喘息刑事は西島秀俊さん、女弁護士は井上真央さんだな。もうこのシリーズ読まないぞ!
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前作「夏を殺す少女」を読んでぜひシリーズ化してもらいたいものだとはいったものの。さすがにライプツィヒの刑事ヴァルターとウィーンの弁護士エヴェリーンのダブル主人公ものとなると、両方が同じ事件に絡む必要性があるのでそう簡単ではないよな。あまりにもできすぎな連続猟奇殺人事件を構築してそれぞれが独自に事件を追うという展開になっているのはいたしかたないところか。今回はヴァルターが被害者の母ミカエラ、エヴェリーンが容疑者であり依頼人でもあるコンスタンティンにそれぞれ引きずり回され、煮え湯を飲まされながら事件捜査にのめりこまざるを得ない状況に追い込まれていく。どっちもちょっとお人よしすぎないかね。そうこうして終結部に向かって物語は加速し、2人が出会って事件の全貌がようやく明らかになり、危機一髪のカタストロフィへ一気呵成になだれ込む。その間に思わぬキャラクターの犠牲とか犯人をあれっと思わせる仕かけもありうまく仕上がっていると思う。解説によれば夏に続く秋ものという位置づけらしいからさらに続編の構想もあるのだろうか。このままではやはり不自然なので2人の位置関係の転換が必要では。
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全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の遺体を確認した母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。事件を担当する上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴァリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。ドイツで爆発的な人気を博した話題作。
ややホラーの味わいもある、シリーズ第二作。ページターナーとしての腕は確かです。