ソーンダイク博士の事件簿 (1) (創元推理文庫 シャーロック・ホームズのライヴァルたち)
- 東京創元社 (1977年8月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488175016
感想・レビュー・書評
-
時代性を考えれば驚くほどに堅実なパズラーだと思う。科学的捜査推理に基づいた推理と意外なトリック、綺麗なトリックと現代と比べてもそんなに遜色はないと思う。また倒叙推理の3作も開祖なのにしっかりと齟齬なく作られていて驚き。「歌う白骨」「計画殺人事件」「アルミニウムの短剣」。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
科学捜査を推理小説に初めて取り入れたフリーマンの名探偵ソーンダイク博士は法医学者にして弁護士。法医学の父テイラー博士をモデルにしている。そうなるともはや謎解きというよりも科学なのだが、フリーマンは倒叙ものを考え出した点でも独創的な作家で、名作「歌う白骨」や密室トリックの「アルミニウムの短剣」は傑作。長編は科学捜査ものって科学の紹介に頼ってしまって話自体がつまらないことも多いが、短編は充実している。 -
これは日本独自編集の短篇集です。「計画殺人事件」「歌う白骨」「おちぶれた紳士のロマンス」「前科者」「青いスパンコール」「モアブ語の暗号」「アルミニウムの短剣」「砂丘の秘密」の八作品を収録。
前3つの作品が、フリーマンが編み出したと言われる倒叙の形式をとっている作品。鋭い現場観察や、入手した証拠物件から犯人の行動を追い詰めていく様は、現代の倒叙作品に登場する探偵+科学探偵の側面を持ち、とても論理的に犯人に詰め寄っていきます。
第一長編である赤い母指紋を読んだのがだいぶ前で、ソーンダイクものとしては二作目だったのですがほとんど内容を忘れてしまっていたため、ある意味新鮮でした。
作品全体にソーンダイクのやり方が使われているのと、倒叙作品も収録されており、読み応えのある作品でした。 -
本書はホームズの人気で数多く生まれた名探偵達の1人であるソーンダイク博士が活躍する傑作集です。
科学捜査を推理小説に導入しています。
倒叙推理小説から4編、倒叙推理小説以外の作品から4編が収録されています。
倒叙推理小説とは初めに犯行の詳細が語られて、それを名探偵が解明していく過程を綴ったものの事を言います。 -
歌う白骨がすこぶる良かった。
久しぶりに濃厚な探偵小説!を読んだ気がする。
ラストの余韻が詩的で、なんともいえない味わいがある。
名品。 -
推理小説に科学的捜査を持ち込んだフリーマンの短編集。
ホームズのヒットで数多生まれた名探偵の1人・ソーンダイク博士が科学的な捜査を経て犯人を指摘していくのだけれど、きちんとその過程を読み手にも分かるように描いているところがすごい!
実験箱を持ち、常に冷静な態度で事件に挑むソーンダイク博士は発表された当時、衝撃的だったんじゃないかな。
またフリーマンは倒叙法を発明したそうで、この人がいなかったら「クロイドン発12時30分」も「刑事コロンボ」もなかったかもと考えると、その功績は偉大すぎるほどだと思う。
収録作8編はどれも面白かった。
伏線に気づいても、それがどう事件解決に関わっていくか、楽しみながら読めた。
ただソーンダイクの人柄と訳の古さのせいでなんとなく堅苦しく感じられるのが残念。 -
この本の続きが見つからないYo!
絶版か? -
obtnd