白骨〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488199081

作品紹介・あらすじ

妻子を残して移民の男性が失踪した。警察は強制送還を恐れて自ら姿を消したと結論づけたが、妻は納得しなかった。夫が自分たちを残して逃げるはずがない。TV番組の記者が妻の訴えに興味を持ち、事件の調査をはじめる。一方山中の白骨事件を調べているトルケルたちは同じ頃、近くで運車の墜落炎上事故があったことをつきとめる。車に乗っていたのは偽の身分証明書を持った身元不明の女だった。人気脚本家コンビが放つ人気シリーズ。訳者あとがき=ヘレンハルメ美穂

感想・レビュー・書評

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  • ようやくセバスチャンの読み方がわかった(遅い)
    通常の警察小説として読むのは誤りです。

    様々な秘密を抱えている国家刑事警察殺人捜査特別班の面々、かなりこじれてきてます。

    山中で身元不明の四人の死体が発見される。
    上巻の冒頭、四人を殺害したと思われる暗殺者の視点で語られる。
    この女性とセバスチャンの対決となるのか?と思いきや、事件は捜査班の人間関係の動きを生むきっかけの要素が強い(事件関係者間の心情もしっかり過ぎるくらいしっかり描いてる)

    海外ドラマっぽい強烈な引きや謎で魅せる事もできる方々なのに、それぞれの視点で会話の中で生まれる読み合う登場人物の内面の動きを丁寧に描いていきます。人間ドラマ重視。

    なので主人公が能力を発揮して事件を解決!
    的な話を期待してよむと駄目かもしれません。
    途中で切り替えて読んだので、下巻はかなり読書ペースが加速する面白さでした。

    • ikezawaさん
      五巻目、翻訳してほしい…
      五巻目、翻訳してほしい…
      2024/01/03
  • シリーズ3作目、後半。

    事件は当初、被害者の身元もつかめなかったが、チームの奮闘により次第に手がかりが見えてきます。
    そこには、大がかりな背景が…!
    移民の女性シベカはイスラム教の指導者に厳しく諭されますが、最初は心配して何かと反対していた息子と心が通い合うようになり、いい読後感でした。

    捜査班の若い女性ヴァニヤがFBIへ行くのを阻止しようとひそかに手を回したり、身勝手な考えで忙しいセバスチャン。
    理由は切ないものですが…
    ヴァニヤにはいい迷惑。しかも、ヴァニヤの父にも事件発覚、その発端というのが…

    セバスチャンは捜査ではあまり活躍せず、迷惑男の真骨頂!な話だけど。
    捜査班の人物像が次第に立体的になってくる印象で、それが面白かったです。
    捜査班リーダーのトルケルは、同僚ウルスラとの関係に悩んでいます。トルケルが愛するウルスラは有能で大人だが鬱屈ある変わった女性、そして思わぬ事態に?誰が一番つらいのか…
    とんでもないラスト!
    続きをすぐ読まないと☆

  • 読み終えてみると、今作はセバスチャンの心理捜査官としての冴えはあまり発揮されなかった。
    事件の解決もすっきりせず、何人もの人間が命を落とした。

    けれど、セバスチャンだけでなく、捜査班の面々全員が、困難な事件を追いながら、自分の内面と、あるいはプライヴェートな悩みと戦い、変化しつつあることが、じわっと重い読み心地。
    不思議と、悪くない。

    それより!ラスト!!ウルスラがあんな事になるなんて。
    しかもセバスチャンの部屋で!
    うわわわわ。
    またまた関係者一同…とりわけトルケルは、どれほどの傷を負うことか…

    早く続きを読まなくては。

  • 今までで一番クソ男っぷりを発揮してるかも。
    その他諸々結構好き。

  • (上巻より)

    女をとっかえひっかえ、
    何の節操もないセバスチャンにはあきれるだけだが、
    娘の将来をつぶそうとするのには
    全くもって同意できない。
    もう一人の娘を自分の手の中から失ったことを鑑みても、
    あまりにも自分勝手すぎる。

    アメリカの連続ドラマのクリフハンガー並みのラストにも、
    腹が立つし。
    そして、やっぱりビリーの恋人ミィはちょっと怖い。

  • とにかく人物がよく描けていると思う。特に失踪した男性の妻と息子の心情が泣かせるじゃないの。物語は続編を読んでスッキリしたい!と思わせる含みをもたせて終了。5作目まで刊行されているとのことで、早く続きが読みたい!

  • あらすじ
    6名の白骨のうち、2名はハイキング夫婦で無関係だった。おそらく何かを目撃したため。犯人の目的である4名は父母と子どもの一家。父親は公安警察の捜査員で、アフガニスタン男性2名が失踪した事件を処理していた。捜査班は公安捜査員の兄で、軍にいた男性を訪ねる。どうやら事件の裏にはアメリカのCIAや、怪しい人物をたれ込むヨセフという人物もいるらしい。セバスチャンたちがいる捜査班以外でも、TV番組の記者、記者に夫の行方を依頼した妻・その息子、警察庁の事務手続き担当までがそれぞれ徐々に昔の事件に近づいていく。
     一方、セバスチャンはヴァニアのFBI行きを阻止する。ヴァニアの父は昔の詐欺罪で捕まるが、それはセバスチャンが資料を手に入れ、セバスチャンのストーカー・エリノールが警察に持ち込んだためであった。

     途中まで話が広がりすぎて、登場人物が多くなって、楽しめるか心配だった。けど、ラスト4分の1になって、事態は着実に終結に向かっていく。犯人たちの顔がだんだんはっきりしてきて追い詰められてきた。アフガニスタンの家族も、前へ前へと行動していて、読後感がよかった。捜査班のメンバーたちの私生活もこのシリーズの魅力だ。セバスチャンとヴァニアの血縁関係とかトルケルとウルスラの不倫関係とか、昼ドラかと思うようなドロドロのはずだが、作品全体の中で量も濃度も丁度いい感じで、読みやすい。

  • うっ、うっ、うわぁぁー!
    …と、思わず最後声がでた。

    犯罪心理捜査官セバスチャンシリーズ3作目となる本作、今までで一番面白かった。
    事件は過去のもので血腥ささはほとんどなく、登場人物たちの人間ドラマに焦点があてられている。
    相変わらずと言えばいいのか、もう本当にセバスチャンがサイテーである。ここまで主人公が人としてサイテーな話って他にあるのだろうか?主人公最低人間ベストテン(犯罪者のぞく)とかやってみたい気がするが、セバスチャンは断トツトップなのではないだろうか?

    続きが気になって仕方がないので、早速次を読もうと思う。
    …あぁぁ、どうなるのだろう?

  • ハラハラドキドキソワソワしながら楽しく読んだ。けどセバスチャンはまったく活躍しなかったなぁー。もっとあの人間性はダメダメな彼の犯罪心理捜査官らしいシチュエーションが欲しいなぁ。
    とはいえ、セバスチャンの行動はいろんな意味でそわそわさせられる。

    続き読まなくては…!

  • おもしろく読んだけれども、そのおもしろさはシリーズ前二作からの継続(貯金?)があったからで、本作事件に限って言えば・・もし先の二作を読んでいなければ、凡作どまりという消極的感想になったかも。というのもこれまでの三作を通じ、登場人物たちの抱えるそれぞれの問題・・チーム内の人間関係に絡まるそれらの多くは元凶である主人公セバスチャンをめぐるもので、その波乱含みの状況(推移)が本作の魅力の大部であるから。ただ本作の事件関係者(被害者)の生活感ある人物像はよく描けていて、筆力を感じさせる物語運びは手堅く好印象。

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