怪盗ニック全仕事(1) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488201142

作品紹介・あらすじ

「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとしないもの」だけを依頼されて盗む異色の怪盗ニック・ヴェルヴェット。その全短編を発表順に集成する日本オリジナル短編集第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • このまま映像化してほしい。イケメン怪盗ニックに毎回登場する美女達。謎解きと攻防。『プールの水を盗め』『聖なる音楽を盗め』『笑うライオン像を盗め』『七羽の大鴉を盗め』など荒々しい話より古典ミステリー的な話の方が気に入った。

    • akikobbさん
      映像化してほしいですよね!
      だんだん年をとっていくのですが、味わい深くてそれもいいんです。大人向けの楽しい映像作品になるに決まってます♪
      映像化してほしいですよね!
      だんだん年をとっていくのですが、味わい深くてそれもいいんです。大人向けの楽しい映像作品になるに決まってます♪
      2023/12/02
    • 111108さん
      akikobbさん、コメントありがとうございます。
      ちょうど同じタイミングでニック読まれてたんですね!そうか、彼も年を重ねていくのね‥どんな...
      akikobbさん、コメントありがとうございます。
      ちょうど同じタイミングでニック読まれてたんですね!そうか、彼も年を重ねていくのね‥どんな変化あるのか楽しみです♪
      2023/12/02
  • 怪盗ニックが盗むのは「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけ。
    そんな奇妙な条件で盗みを働く彼の元へ依頼をする方もやっぱり食わせ者ばかりで。
    お高い手数料を払って価値のないものを欲しがる依頼人は理由を明かさない。それでもニックはちゃんと仕事をやり遂げては、何故それが依頼人にとって大切なものなのかをちゃんと謎解きする。時には、馴染みの刑事さんに捕まりそうになるけれど上手に逃げちゃう。ま、刑事さんも捕まえたいけど捕まえたくないような、まるで銭形のとっつぁんとルパン三世みたいな感じ?
    1話目は動物園から斑の虎を盗む依頼だったんだけれど、この依頼が簡単に思えてくるほど後半にかけ、これでもかっという程に大それた誰も盗もうと思わないものになっていくの。
    短編集なので読みやすいし、依頼をひょいひょいとこなすニックの謎解きはスッキリする。でも、明かされる謎は依頼人にとっては、明かされたくないものがほとんどなんだけどね。

  •  泡坂妻夫のエッセイで、「価値のないものしか盗まない」という『怪盗ニック』シリーズが紹介されていた。泡坂さんが一九三三生まれの二〇〇九年没、エドワード・D・ホックは一九三〇年生まれの二〇〇八年没と、ほぼ同世代の二人。とはいえ作家としてのデビューはホックの方が二十年ほど早い一九五五年。
     ホックはEQMM(エラリー・クイーン・ミステリー・マガジン)の常連作家だったようだ。泡坂さんは同エッセイで「若い頃はクイーンとカーが特に好きだった」とも書いていたし、それだけでもなんとなく二人の波長が合いそうに思えてしまうが、「価値のないものしか盗まない」という、天邪鬼でちょっと馬鹿げていてユニークなポリシーもまた、アワツマ好みの香りがする。ということで読んでみた。
     ニックはプロの泥棒。上述のポリシーに反しない依頼内容であれば、そして最低でも二万ドルという手数料の支払いが可能な人物からの依頼であれば、必ず仕事を引き受ける。私が読んだ限りでは、必ず仕事は成功させる。ロング・アイランドの辺りに恋人のグロリアと共に暮らしていて、年に数回仕事をするとき以外は、彼女とビーチでビール片手に寛いだり、ボートを操縦したりして過ごす。

     面白かったポイントを三つ。
     一つは、このグロリアの存在感。彼女はニックの仕事を知らないという設定で、ニックがたまに一定期間出かけるのは、色々な会社に頼まれて工場用地を見つける仕事をしているからだと聞かされている。グロリアの出番は意外と少なくないし、登場しない話でもニックがグロリアへのお土産の心配をしたりするなど、仲は良好そうだ。結婚については「いつかできるかしら?」「いつかね」という感じで、二人の本音はよくわからない。長く続くシリーズものだからその辺は曖昧でいいと思うが、この関係が変化するのかしないのか、気になる。一発長編ものだったら、グロリアは本当は全てを知っている黒幕にしたいところだが、この先どうなるのかは私は知らない。

     二つめは、ニックが案外“普通”であること。普通といっても、屋根に軽々と登ったりビルの窓から侵入したり警備装置をかいくぐったり依頼主の悪巧みに気付いて裏をかいたり、そういう技術や頭脳は一流であって全然“一般人”とは違う。だが、読者が知らないこと、例えばなぜこの依頼主はこんなものを盗ませたがるのだろうとか、この条件下でこれを盗むなんて一体どうすれば可能だろうか、というようなこの小説シリーズにとって基本そのものといえるような謎や課題に対して、ニックも同じように、はじめは「知らない」。読者が「なぜ?」「それは何?」と思う時、ニックも「なぜ?」「それは何?」と思うし、しかもそのままストレートに聞く。大抵答えはすぐに得られず謎は引き延ばされるのだが、「天才ニックは一を聞いて十を知るのさ」というような読者に対する“出し抜き”が極力抑えられている気がする。三か四くらいを聞くまでは読者と同じレベルにいてくれるのだ。当時の現代社会を舞台にした小説としてのリアリティと、ニックのヒーロー性やファンタジー性とのバランスが絶妙に考えられているなあと思う。

     三つめは、内容ではなくこの短編集『〜全仕事』について。これは東京創元社が独自に編んだもので、一九六六年から二〇〇七年までに書かれた全八十七作の短編を、発表順に六冊に分けて収録という素晴らしい仕事!しかも、カバーイラストにはその巻でニックの盗んだものが全て描かれているらしい。見つけられるかな〜。あとで探してみよう。

    • 111108さん
      akikobbさん

      怪盗ニック面白かったです♪アワツマ好みだろうなぁという感じがぷんぷん匂ってきましたね。

      改めて今akikobbさんの...
      akikobbさん

      怪盗ニック面白かったです♪アワツマ好みだろうなぁという感じがぷんぷん匂ってきましたね。

      改めて今akikobbさんのレビュー読んだら、自分のレビューには書いてないけど確かにグロリアの存在大きいですね。本当にニックの仕事を知らない、ちょっとぽわんとした女の人なのか?そういうフリをしてるんじゃないか?とか、二人の仲が良さそうなだけに不思議で謎めいた存在ですね。

      それと、表紙絵の話!今探してみましたが、棺だけはっきりしなかった‥。プールの横の野球選手人形達の下がそうなのかな?
      いろいろ楽しめるので、akikobbさんに続いて私も続編読んでいきます!
      2023/12/02
    • akikobbさん
      111108さん
      コメントありがとうございます。怪盗ニックとアワツマの話ができて嬉しいです!!

      こんなにお気軽に楽しめるのに、読み続ければ...
      111108さん
      コメントありがとうございます。怪盗ニックとアワツマの話ができて嬉しいです!!

      こんなにお気軽に楽しめるのに、読み続ければ読み続けるほど嬉しい驚きをもたらしてくれる素敵なシリーズです。ぜひ一緒に読みましょう♪

      「革張りの棺」だから、右奥の陪審員や骨の背景の茶色ではないかと思います。
      2023/12/02
    • 111108さん
      akikobbさんお返事ありがとうございます!

      寝落ちで本が読めない日が続いてたのですが、このシリーズで読む気が復活しました♪
      気軽で楽し...
      akikobbさんお返事ありがとうございます!

      寝落ちで本が読めない日が続いてたのですが、このシリーズで読む気が復活しました♪
      気軽で楽しい、まさにアワツマとの共通点を感じますね!
      「革張りの棺」なるほど〜そっちですね。今後表紙絵でも楽しめますね。
      2023/12/02
  • TwtterがXになるにあたり、本社ビルの「Twitt」まで外したところで警察に止められて「er」だけが残った、というニュースをみて思い出し。

    「真鍮の文字を盗め」
    ニックは、とあるビルの社名から3文字だけを盗んでくれと言う依頼を受けます。果たして依頼主にはどういう意図があるのか。

  • ネットで見かけて。

    ニックは泥棒。
    依頼により盗むが、
    金も価値あるものも盗まない。
    特殊なもの、斑の虎とか、プールの水とか、おもちゃのねずみとか。

    盗んでほしいものの様々だが、
    盗んでほしい理由も様々。
    他の犯罪のためとか、
    他の金めのもののためとか。

    どの「泥棒」も楽しめたけど、
    革でできた棺を盗む話は面白かった。
    メキシコまでひとっ飛びしたからか、
    小気味よい詐欺の片棒を担がされたからか。

    クロークへのチップが25セントなのも、
    野球チームを盗む時に、
    ペナントレースに関係ない下位のチームを選ぶのに
    心を砕いていたのも面白かった。

  • 価値のないものを専門に盗む怪盗ニック。そんな彼のもとには、さまざまな依頼がやってくる。斑の虎やプールの水、プロの野球チームなどなど。それらをどうやって盗むのか。


    短編でなかなか面白かった。確かに、ニックが盗むものは価値がないもので、誰もそれを盗んでまで欲しいとは思わない。だけど、なぜ依頼者はそれを盗めというのか。それが解き明かされたときが面白かったなぁ。


    なかなか読みやすい短編集だった。

  • アメリカのミステリ作家「エドワード・D・ホック」の短篇集『怪盗ニック全仕事〈1〉(原題:The Complete Stories of Nick Velvet: Vol.1)』を読みました。

    久しぶりに短篇が読みたい気分だったんですよね。

    -----story-------------
    人から依頼されて動くプロの泥棒「怪盗ニック」が盗むのは「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけ。
    そんな奇妙な条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々舞い込んでくる。
    ターゲットはプールの水、プロ野球チーム、恐竜の尾……それらをいったいどうやって盗む? 
    短編の名手「ホック」が創造したユニークな怪盗の全仕事を発表順に収録した文庫版全集第1弾。
    解説=「木村仁良」

    *第8位『IN★POCKET』「2015年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」読者部門
    -----------------------

    「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけを依頼されて盗む異色の「怪盗ニック・ヴェルヴェット」… その全短篇(87篇)を発表順に集成する日本オリジナル短編集第1弾で、1966年(昭和41年)から1972年(昭和47年)に発表された以下の15篇が収録されています。

     ■斑(まだら)の虎を盗め(原題:The Theft of the Clouded Tiger)
     ■プールの水を盗め(原題:The Theft from the Onyx Pool)
     ■おもちゃのネズミを盗め(原題:The Theft of the Toy Mouse)
     ■真鍮(しんちゅう)の文字を盗め(原題:The Theft of the Brazen Letters)
     ■邪悪な劇場切符を盗め(原題:The Theft of the Wicked Tickets)
     ■聖なる音楽を盗め(原題:The Theft of the Sacred Music)
     ■弱小野球チームを盗め(原題:The Theft of the Meager Beavers)
     ■シルヴァー湖の怪獣を盗め(原題:The Theft of the Silver Lake Serpent)
     ■笑うライオン像を盗め(原題:The Theft of the Laughing Lions)
     ■囚人のカレンダーを盗め(原題:The Theft of the Coco-Loot)
     ■青い回転木馬を盗め(原題:The Theft of the Blue Horse)
     ■恐竜の尻尾(しっぽ)を盗め(原題:The Theft of the Dinosaur's Tail)
     ■陪審団を盗め(原題:The Theft of the Satin Jury)
     ■革張りの柩(ひつぎ)を盗め(原題:The Theft of the Leather Coffin )
     ■七羽の大鴉を盗め(原題:The Theft of the Seven Ravens)
     ■解説 怪盗ニック全仕事の始まり始まり 木村仁良(ミステリー研究家)

    価値のない様々なもの(虎や大鴉の生き物から、プールの水、カレンダー、果ては野球チームや陪審団等の人間まで)をどうやって盗むのか、というテクニックの部分だけでなく、依頼人はなぜ価値のないと思われるのに2万ドル(場合によっては3万ドル等の場合あり)もの高額の報酬を支払うのか、という謎解きが愉しめる作品群ですね… 一話で二度おいしい感じです、、、、

    「ニック・ヴェルヴェット」の魅力も相まって、お洒落で愉しめるシリーズです… 以下、簡単に概要を記録しておきます。

    『1.斑の虎を盗め』
    その男は、動物園から“斑の虎”を盗んでほしいと依頼してきた… 変わった斑模様を持つその貴重な虎は、金持ちの中東の王子などに高く売りつけられるだろうというのだ、、、

    「ニック」は苦心の末に見事に“斑の虎”を盗み出したのだが… 依頼人の目的は別なところに



    『2.プールの水を盗め』
    依頼人は、ミステリ作家の自宅にあるプールの水を盗んできてほしいという… 単純にプールの栓を抜いて水を捨てるのではだめだというのだ、、、

    持ち主に知られずに大量の水を盗み出すのは不可能だったが、一計を案じた「ニック」は… プールから大量の水を盗むという風変わりで難度の高い仕事、それを成功させる「ニック」の大胆な作戦、そして依頼人が秘めた真の狙いと、どれをとっても実に面白く、本作品の中でイチバン気に入りました。


    『3.おもちゃのネズミを盗め』
    2万ドルの小切手とともに郵送されてきた依頼書… そこには、撮影中の映画で小道具として使われているゼンマイ仕掛けのネズミを盗んでほしいと書かれていた、、、

    見事に盗みに成功した「ニック」だったが、なぜか依頼人は現れない… 郵便による依頼、そして盗みを終えても現れない依頼人と、何とも不可解な状況が目を引く作品でした。


    『4.真鍮の文字を盗め』
    あまりにも奇妙な依頼だった… ビルの壁に“SATOMEX”という企業名が真鍮の文字板で飾られているのだが、そのうち一部の文字を盗んでくれというのだ、、、

    顔なじみの「ウェストン警部補」が警戒する中、「ニック」は仕事に取りかかるが… 文字板を盗む理由が見どころで、ユニークな真相が愉しめました。


    『5.邪悪な劇場切符を盗め』
    ブロードウェイの芝居《ウィキッド》の切符を、切符売り場からすべて盗み出してほしいという依頼… しかしその芝居は、2ヶ月も前に公演を終えていたのだ。首をひねりながらも切符売り場へと向かったニックだったが、その目の前で、、、

    すでに終わった芝居の切符を盗むという奇妙な依頼がまず魅力的ですが、そこからさらにおかしな事態になっていくのが面白かったですね。


    『6.聖なる音楽を盗め』
    今回の標的は教会のパイプオルガンだった… オルガン奏者としても知られる近所の医師の演奏を、レコード会社が録音しにくる日までに盗み出し、その後はまた元通りにしてほしいというのだ、、、

    しかしパイプオルガンはあまりにも巨大だった… 巨大なパイプオルガンを盗み出すのは、「ニック」をもってしても至難の業に違いありませんが、その解決策はお見事でしたね。


    『7.弱小野球チームを盗め』
    カリブ海に浮かぶ島国・ハバリ共和国の要人から、野球ファンの大統領に代表チームとの試合を見せるため、大リーグのチームを盗み出してきてほしいという依頼を受けた「ニック」は、リーグ最下位の「ビーヴァーズ」に白羽の矢を立てて… 「ニック」は見事に野球チームを盗み出し、チームの方も国賓待遇に満足するなど、一旦は万事丸く収まりそうな様子をみせるものの、もちろんそれで終わるはずはなく、、、

    事態の裏に隠された真相につながる手がかりに着目した「ニック」の慧眼が印象的… 最後の「ビーヴァーズ監督」の台詞は天晴れです。


    『8.シルヴァー湖の怪獣を盗め』
    シルヴァー湖に現れた大海蛇目当てに観光客が殺到し、おかげで隣のゴールデン湖のホテルは商売あがったり… 困ったオーナーは「ニック」にその大海蛇を盗んでほしいと依頼してきたが、地元の漁師が大海蛇に殺される事件が起きて、、、

    依頼人の目的は最初からはっきりしており、盗みの対象となる“大海蛇”の正体がほぼ唯一の謎になっている異色作で、その真相は奇想というか何というか… ちょっとあり得ない感じでしたけどね。(苦笑)


    『9.笑うライオン像を盗め』
    全米に広がる〈キャピタル・クラブ〉のシンボル、“笑うライオン像”を盗んでほしい――依頼を受けて像を盗み出した「ニック」だったが、依頼人はもう一つ必要だという… そして二個目を盗もうとしたところで、ニックは取り押さえられてしまい、、、

    盗みの手口よりも、捕まった「ニック」がどうやって窮地を脱するかが興味を引く展開… 依頼人がライオン像を必要とした理由はある程度見当がつきますけどね。


    『10.囚人のカレンダーを盗め』
    海賊行為で捕らえられて刑期をつとめている囚人が、監房の壁にかけているカレンダーを盗むため、連邦刑務所に潜入することになった「ニック」… あまりにも困難な盗みを鮮やかに成功させたものの、依頼人との間にトラブルが発生して、、、

    警備が厳重な刑務所からどうやって盗み出すのが最大の見どころでした… 盗みの目的は見当つきますけどね。


    『11.「青い回転木馬を盗め』
    メリーゴーラウンドの青い回転木馬を盗んでほしいという依頼… しかし「ニック」が現地へ着いてみると、すでに何者かが別の木馬を盗み出していたのだ、、、

    誰が、何のために? そして深夜、仕事に取りかかろうとした「ニック」の目の前で… 木馬を狙う別の一味が登場してスリリングな雰囲気となっている作品でした。


    『12.恐竜の尻尾を盗め』
    恐竜に詳しい男が、古代史博物館にあるティラノサウルスの骨格の、尻尾の部分だけを盗んでほしいと依頼してきた… 警備の様子を確認した「ニック」は、夜まで待って仕事を始めようとしたのだが、そこに予期せぬ闖入者が現れて、、、

    何とも風変わりな標的で、依頼人がなぜそれを必要とするのか、という謎がまず目を引きますが、“闖入者”の登場によって盗みそのものも目が離せない状態となっています… ある程度、依頼人の目的は見当つきましたね。


    『13.「陪審団を盗め』
    夫の愛人を決闘で殺したとして注目を集めている女性の裁判… 何と、その裁判の陪審員全員を盗んでくれという依頼がきたのだ、、、

    早速裁判の傍聴に行った「ニック」だったが、そこで顔なじみの「ウェストン警部」と顔を合わせることに… 決闘による殺人事件の裁判が魅力的でしたね。


    『14.革張りの柩を盗め』
    急死した牧畜業者が生前に作らせていた、外側が革張りの特製の柩を盗み出すよう依頼を受けた「ニック」… だが、葬儀の最中に武装した男たちが乱入し、目の前で柩を奪われてしまった。何とか柩を取り戻そうとするニックだったが、、、

    「ニック」の目の前で奪われてしまった柩を追って、争奪戦のような展開をみせる作品ですが、最後には思わぬところから思わぬ真相が飛び出してくるのに驚かされました。


    『15.七羽の大鴉を盗め』
    新しい独立国の大統領が、英国女王陛下に七羽の大鴉を献上するという… 今回の依頼はその大鴉が盗まれないように警護するというものだった、、、

    勝手の違う仕事に戸惑う「ニック」だったが、やがて大鴉を盗んでほしいという一味が… “盗まれるのを防ぐ”というイレギュラーな依頼で始まりますが、すぐに盗みの依頼もくることに というわけでこの作品では、せっかくなので両方の依頼人から報酬を取ろうとする「ニック」が、とんち話のような難題をどうやってクリアするかが見どころとなっています。

  • 怪盗ニック全仕事1
    201114読了。
    今年85冊目、今月2冊目。
    #読了
    #怪盗ニック全仕事1
    #エドワードDホック

    価値のないものだけを盗む怪盗ニックの短編集。

    依頼人はなぜそれを盗ませるのか。

    盗む手口、隠された事情、ニックの技と知恵が光る。

    ベストは「革張りの棺を盗め」
    次点で「弱小野球チームを盗め」

    ニック・ヴェルヴェットって名前がかっこいい。


  • プールの水を盗め
    弱小野球チームを盗め

  • 書き直し。
    ミステリ初読者に薦める面白い短編として真っ先にあげたい作品。
    主人公、怪盗ニックはプロの泥棒。どんな場所にだって入ってみせる。しかし彼には一つ流儀がある。
    彼は価値のないものしか盗まないのだ。
    なぜそんなものを盗む依頼がきたのか、どうやって盗んでいくのか、その二つであっと言わせる名短編集。

    この前6巻まで出たからこれを機に是非是非。

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