- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488208066
作品紹介・あらすじ
21世紀最悪の連続殺人犯の息子、ジャズことジャズパー。父が捕まったのち、普通の高校生活を送っていたジャズと、ガールフレンド、コニー、ジャズの親友ハウィーそれぞれを主人公にした短編に、田舎町ロボズノッドで発生した若い女性の惨殺事件を解決すべく奔走する保安官G・ウィリアムズの物語「運のいい日」の四編を収録。センセーションを巻き起こした〈さよなら、シリアルキラー〉三部作の前日譚の、日本オリジナル短編集。
感想・レビュー・書評
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殺人犯の息子と付き合うって、、、しかも、シリアルキラーの息子、、、悩むだろうなぁ
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本シリーズのキャラクターが好きな人にはオススメの番外編。
ジャズとハウイー、ふたりとも境遇は特殊なのに互いに特別扱いしない。こういう関係大好きです。「乗れ、さもないと殺す」は名台詞でした。
あと、ビリーの異常性が怖すぎて、病みつきになりそうです。町に溶け込んでる辺りがものすごく怖い。このヘマが無かったら絶対捕まらない気がする。
こんなに違和感なく、すんなり翻訳文を読めたのは、初めてだったかも。翻訳者さんに感謝。 -
それぞれの人物の別の面が見られました。
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久しぶり。
前日譚がわかるスピンオフ。
読み直したくなってきた。 -
ヤングアダルトっぽいが、嫌な感じがしなかった。何か枠組みがあって、その範囲内で書いてる感じが見えると冷めちゃうけど、普通に良かった。わかったぞ。「大人のイメージするポカリスエットのCMの世界観」がうんざりするんだな。あたしたちってえ、若いから特別でしょ?いいえ。
この作品は主人公の父ちゃんが殺人犯でいわゆる脛に傷を持っているのだが、その描き方もいやらしくなく、「現実の高校生」に近く、1人1人生まれや環境にいたぶられて、傷付いて悩んでる様子がうまく表現され、見事だ。なぜ、皆こういう風に書けないのかな。 -
ジャスパー・デントシリーズの前日憚となる短編集。
特にネタバレはないのでシリーズの箸休めに読んでもいいかもしれないが、より余韻を味わいたいなら完結後がおすすめ。
ジャスパー・ハウイー・コニ―・タナ―を主人公にした話が収録されてるが、中編のタナ―を除いてはページ数の短い短編(ジャズは掌編といっても差し支えない)なのでさらっと読める。
友人と学校生活を送り、家族に囲まれ、平凡な日常を過ごしてるジャズたちの姿になんだか安心する。
そしてハウイーとコニ―がすごくいい子。
特にコニ―だが、人種の違いから来る劣等感(ほどいかない負い目)が、短いフレーズで的確に表現されているのに舌を巻く。
「だれも私の目を羨ましがらない。
だれも私の髪を羨ましがらない。」
長々と分量を費やさなくても、思春期のコニ―の寂しさを詰め込んだ、この二行にハッとさせられた。
ジャスパーが殺人鬼の息子だと知っても、彼を思い続ける芯の強さと聡明さには改めて惚れ直した。
ハウイーのハロウィンの話は終始スラップスティックなノリで、初体験にかける彼の試行錯誤が書かれているが、ラストシーンでは彼の抱えた運命の過酷さに感じ入る。
ジャズがハウイーの明るさに救われているのは真実だが、ハウイーの方も自分の病を知りながら特別扱いしないジャズの存在に救われ続けており、二人は対等な親友なのだなと痛感する。
最後はタナ―が主人公で、ロボズ・ノッドの保安官選挙と殺人事件の捜査が絡めて語られる。
妻に先立たれたタナ―の寂寥とした心情が、平易だが非情に巧みな比喩やエピソードに象徴されて印象深い(取り違えが伏線になってるのも上手い)
本編でもジャズの理解者にして助言者な頼れる大人として好印象を持ったが、この短編を読めば彼をもっと好きにならずにいられなくなる。
娑婆を闊歩していた頃のビリーの人となりも語られるが、不満を挙げるなら、ビリーを追い詰めたのがタナ―の綿密な推理や周到な捜査によるものでなく、ビリー自身の落ち度な点。
自己顕示欲に負けたビリーが勝手にボロを出して自壊した感じなので、もっとバリバリ捜査して、真相に近付いていくタナ―が見たかった。 -
本編『さよなら、シリアルキラー』に入る前に読んでおくといいです。ビリーの逮捕までの時間や、コニーとの出逢いが書いてあります。
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ジャズ、ハウイー、コニー、保安官それぞれが主人公となる三部作前日譚4篇。三部作と印象がずいぶん違ったのは保安官が主人公の「運のいい日」。どれも面白かったけど、前日譚だけに在りし日のキャラ登場には、ちょっと切ない感じもしたし、ビリーが本当に恐ろしい。面白かったです。
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短編3編と表題作中編1編
シリアルキラーにつながる前編ともいうべき短編はニヤニヤしながら読み,「運のいい日」は奥さんが亡くなって自暴自棄的な落ち込んだタナー保安官を応援しながら読んだ.ビリー・デントが捕まるのがわかっていながらもドキドキさせられたのはさすが.. -
ジャズとハウイーの友情がステキ。
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バリーライガのシリアルキラーシリーズの短編集。シリーズを読んでないと面白くないです。読んでるとそれなりに楽しめます。ファンブック的?
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青春小説3篇と警察小説1篇。読みやすくて面白かった。
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<内容紹介より>
21世紀最悪の連続殺人犯の息子、ジャズことジャスパー。父が捕まったのち、ふつうの高校生活を送っていたジャズと、ガールフレンドのコニー、ジャズの親友ハウイーのそれぞれを主人公にした短編に、ロボズ・ノッドで発生した若い女性の惨殺事件を解決すべく奔走する保安官G・ウィリアムの物語の四編を収録。〈さよなら、シリアルキラー〉三部作の前日譚の、日本オリジナル短編集。
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ジャズが主人公の「将来なりたいもの」
ハウイーが主人公の「ハロウィン・パーティー」
コニーが主人公の「仮面」
それぞれ、三人がどのようにして三部作の前をすごしていたかが描かれています。
一編は短く、かつおもしろい。
特に、コニーとジャズが出会う「仮面」は二人の絆が結ばれていく様子がしっかりと描かれています。
また、4編目の「運のいい日」では、最愛の妻を亡くし、失意のどん底で保安官選挙に臨んでいるG・ウィリアムの苦悩が描かれます。
平和だった田舎町ロボズ・ノッドで起こった少女の失踪事件と殺人事件。
ウィリアムがビリーを逮捕して、保安官選挙で再選を果たしたいきさつが描かれ、改めて三部作の持つパワーを感じました。 -
表紙イラストのハウイーがイメージ通りで、それだけで最高。3人の前日譚は、3部作を読んだ後だととっても愛おしく思える。
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前半青春小説、ラスト一編がサスペンス寄りかな。ジャズを解きほぐすコニーがいじらしくて仕方ありません。今の関係を知っているだけに、彼らの幸せがいつまでも続くように祈らずにいられなくなってしまいます。拘束される前のビリー、本当に普通だな。それだけに末恐ろしいです。
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シリーズの前日譚を集めた日本オリジナル短編集。
短編集が出ると聞いた時、もう少し分厚いものだと勝手に想像していたのだが、かなり薄めの文庫本だった。
シリーズのメインキャラクターがそれぞれ主人公を努め、日常の光景を描いているものが3本、そしてシリアルキラーである主人公の父親の逮捕を描いたミステリが1本という構成。その中で、逮捕を描いた『運のいい日』が表題作になっているのはなかなか皮肉が利いている。 -
父さんの声が聞こえるようだし、聞こえたところで理解できない。
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「さよならシリアルキラー」の前日譚4編の短編集。
ハウイーは正常運行で嬉しい(笑)
軽いよね、おバカだよね、でも良い友達だよね。
コニーはハウイーの事最初はあんまり良い印象を持ってなかったんだね。まぁ、あんだけ露骨に胸元見られたらね…。
今じゃ良いコンビになっているというのに。
前日譚(本編1年前・ビリーが逮捕される日)なので本編で惨殺される人々の生きている姿が書かれてるとなんだか切なくなった。
表題の「運のいい日」はG・ウィリアムのいろいろなものに苦悩する姿。そしてビリーの不気味さが強調されてた様に思う。
やっぱ怖いですよ、ビリー。 -
シリーズへの理解と愛着が深まった。