おやすみなさい、ホームズさん 上 (アイリーン・アドラーの冒険) (創元推理文庫)
- 東京創元社 (2011年11月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488223038
作品紹介・あらすじ
職を失いロンドンをさまようペネロピーは、ふとした出会いからアイリーン・アドラーという美女と共同生活を送ることになる。彼女は女優にしてオペラ歌手、そしてときには探偵でもあった。著名な宝石商から依頼されたマリー・アントワネットゆかりのダイヤモンド捜しから始まる、壮大な冒険の日々!名探偵ホームズが敬意をいだいた"あの女性"が主演する、魅惑のシリーズ開幕。
感想・レビュー・書評
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軽い読み物を読みたくて借りた。
でも語り手のペネロピーが現代から見ると時代錯誤な人物すぎて、読み進める気になれなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホームズのシリーズも、シャーロックパスティーシュの作品もいくつか読んだことがあるのだけれど、これは全く読めなかった…。他の作品と何が違うんだろう…。普通は、読みづらいと思った話でも、上下巻に別れていたら下巻までは読むことにしているのだけれど、これは読めない。上巻だけでも、5行読んでは寝落ちして、また5行読んでは寝落ちして…の繰り返しでした。
ハマれば面白いのだろうな、とは思うけど、私には合わなかったのかも。 -
破天荒なアイリーン・アドラーの物語。
面白いし単独でももちろん読めるんですが、本家のホームズシリーズを復習してから読めばもっと面白く感じるはず。 -
ワトソン役のように、ペネロピーが そっとそばについていてわくわくする
ついにボヘミアに!どうなるのかしら、もちろん結末は知っているけれど。
一風変わったシャーロキアン小説で楽しい -
2013年11月28日読了。
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読む前はペネロピーはコンパニオン(付き人)みたいな感じになるのかな?と思いきや、意外と言いたいことはお互い言える友人になったのですね。
アイリーンの方が言わないことが多いにしても。
本家の「ボヘミアの醜聞」は事前に読んでたほうが良かったかも。
読んだかもしれないけど、ホームズシリーズはかなり昔に読んだからなぁ。
一応読んでなくても平気な感じの上巻です。
連作短編…と言うのか、たまにホームズが出てきたり、アイリーンは居なくてペネロピーとその雇い主との謎解きの回になったりして飽きさせません。
ティファニー氏やオスカー・ワイルド、ドヴォルザークが出てきたりして、あぁそんな風に時代がかぶってるんだなぁと。 -
ホームズを出し抜いた唯一の女性、アイリーン・アドラーが主人公です。
とても楽しいです。下巻読もうっと。 -
ホームズのパスティーシュの一種というか。
スピンオフ。
アイリーン・アドラーは生きている?
ホームズが尊敬するただ一人の女性。
アイリーンの実像は?
ある女性が、若い頃のアイリーンに出会って、行動を共にするという話。
ホームズとワトソンの会話のシーンと交互に展開。
ペネロペ(ネル)・ハクスリーは牧師の娘。
父亡き後生活に困り、ロンドンをさまよっている所をアイリーンに助けられる。
アイリーンは売り出し中のオペラ歌手。
大胆な性格で、収入を補うために、探偵のような仕事も引き受けていた。
ティファニー社の社長の依頼で、行方不明の宝石を追うことになる。
真面目なネルは時に戸惑いながらも、互いに助け合う。
タイプライターが出来たばかりという時代。
ネルはタイピストとして仕事をするようになる。
アイリーンの調査に絡んで知っていた弁護士の仕事をして、次第に認め合う。
ボヘミアに行ったアイリーンからすぐ来てくれという手紙が来て、ボヘミアに渡る。
国民劇場のプリマドンナとして活躍していたアイリーン。
王子に求愛されていたが結婚でなければ応じないつもり。
小さな国だが、王位継承者との結婚は難しかった。
愛人になるよう求められて国を脱出し…
作者はアイリーン・アドラーがすごく好きで、決して身を売っていたわけでも王子を脅迫したわけでもないと、その名誉回復をしたいという意図も見えますね。
かなり大胆できわどいこともやってのける女性ではあるんだけど。 -
アイリーンが歌姫として時代に認められる前の下積みの頃から描かれています。
上巻は役者をそろえていく段階ですが、随所に彼女の果敢さ、機転、努力の様が綴られて、読み応えがあります。
「ボヘミアの醜聞」で、まさに謎そのもののように失踪した理由とは?
下巻を読むのが楽しみです! -
アーサー・コナン・ドイル氏の短編第一作『ボヘミアの醜聞』中に登場する「あの女性(ひと)」…アイリーン・アドラーが主体となったパスティーシュ作品。
今作の彼女は探偵役。そしてホームズシリーズを準えるように、語り手…つまりワトソン役として、失職中の女性・ペネロピーが登場する。
勿論、ゴドフリー法廷弁護士も、あのボヘミア皇太子も登場する。
話の内容よりも、むしろ「あの短編の彼女が、ここまで(その存在が)独り歩きするなんて!」ということで感慨深い。ドイル氏の力量故か、この著者の情熱故か…。