- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488225025
感想・レビュー・書評
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表紙のイラストもいいのですが、中身も古き良き時代の英国ミステリーという感じで知的かつユーモラス。
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古き良き英国ミステリー。
小さな雑貨屋の店主と巡回中の警官が殺されるという事件が起き、パブリック・スクールの教師が素人探偵となって謎を解く。
ストーリーは地味だし、殺人事件らしからぬのんびりとした雰囲気に溢れているが、事件はきっちりまとめているし、キャラクタがそれぞれユーモラスで楽しい。レオ・ブルースの小説はどこか和むので好きだ。これはシリーズ第1作なので、続編の翻訳が待たれる。 -
殺された性格の悪い老女とまじめな警察官。
教え子に焚きつけられた歴史教師が犯人捜しに乗り出す。
素人探偵モノ。
主に事件の関係者に話を聞くことと推理をすることで事件を解決していく。
地味だけど、パズルのピースが一つ一つ嵌って真相が分かるラストは読み応え十分。
思わぬところが伏線になっていて、おおぅっ!と唸ってしまう。
リンブリックが指摘した通り物証不足は否めないけれど、これは素人探偵の推理を楽しむ話と割り切れたらOKかな。
新訳ということで、こういう良作に日の目を見せてくれる東京創元社さんには頭が下がりっぱなし。 -
古き良きミステリ。そしてジャケ買い。
敵が多すぎる被害者のばあさんと、動機がありすぎる容疑者たち。
事件解明に乗り出す教師キャロラインと悪がきルーパート。
あらゆる可能性を検証し、そこまでやるかというくらい小さなことまで潰していく。そして最後に残ったものは。
『フェアプレイで謎解きを』とは帯の文言ですが、それに違わず丁寧すぎるくらいやってます。ラストに一同を集めて探偵が謎解きなんて、もう醍醐味、様式美ですよね。そこでもきっちり伏線を回収しています、ホント丁寧に。いや、いいんですよ、伝統芸能です。
個人的には、学校で生徒達がいかに教師を誘導して授業を脱線させようとするかのくだりが面白かったです。
あ、誤解なきように。もちろん本編は良質のミステリでした。このシリーズ、他も読みたいなと思っています。-
ここ最近海外ミステリーはとんとご無沙汰なんで
昔ハマっていたハードボイルド小説や
クリスティーなんかを
ごそごそ引っ張り出して
...
ここ最近海外ミステリーはとんとご無沙汰なんで
昔ハマっていたハードボイルド小説や
クリスティーなんかを
ごそごそ引っ張り出して
また読み返してます(笑)(^O^)
ところでkwosaさんの好きな
海外のミステリー作家って
誰ですか?
またオススメがあれば
教えてもらえると嬉しいです♪
2013/05/14 -
円軌道の外さん!
こちらにもコメントありがとうございます。
海外ミステリ!
全然詳しくないですし、語れるほど本当に読んでないんですよ。...円軌道の外さん!
こちらにもコメントありがとうございます。
海外ミステリ!
全然詳しくないですし、語れるほど本当に読んでないんですよ。
クイーンは『Yの悲劇』のみ、ディクスン・カーは二、三冊。クリスティーに至っては恥ずかしながらまったくの未読(映画や海外ドラマの「ポアロ」とかを先にいっぱい見ちゃったもので......)。
だから「好き」と言えるほど作家のことを知らないんです。
あと翻訳の硬さがネックになって、筋が面白いと思っても文章がすうっと入ってこなかったりで、海外ミステリを手に取る率が下がってきていますね。
なので、質問の答えからはずれるかもしれませんが、古典や定番の新訳が出たらけっこう手を伸ばしますね。
特に東京創元社は装丁が好みな物も多いので気にしています。
このレオ・ブルースの『死の扉』も良かったですよ。
ディクスン・カーの新訳シリーズも気にしています。
もし幸運にも、まだネタバレを喰らっていないのであれば『皇帝のかぎ煙草入れ』の新訳版を早いうちに!
ハヤカワですが『火刑法廷』もおすすめ。
『火刑法廷』がでたので、また東京創元社ですがヘレン・マクロイの『暗い鏡の中に』も。
この作品はミステリマニアの間では評判が高い割に長らく絶版で中古価格もかなり高かったようです。
ファンの要望に応え、近年新訳にて待望の復刊。面白かったですよ。
ヘレン・マクロイは『殺す者と殺される者』もよかったですし、未読作も『幽霊の2/3 』『家蝿とカナリア』など、タイトルもかっこいいので追いかけてみようかと思っています。
駒月雅子さんの訳文もよかったですよ。
翻訳者の話で言えば、越前敏弥さんが気になっています。
『Yの悲劇』もいろんな版を読み比べてみて、読みやすく現代的な彼の翻訳に決めました。
彼の固定ファンもいるようですが、その気持ちもわかります。
海外ミステリを翻訳者で選ぶというのも良いのでは。
あっ、一人追いかけている作家がいました。
東京創元社の版のみですが、アントニイ・バークリーです。
米澤穂信の『愚者のエンドロール』のネタ元となった『毒入りチョコレート事件』
これは新装版で訳は古いままなので、文章の硬さは否めませんがよくできていて面白いですよ。
続く『ジャンピング・ジェニイ』『第二の銃声』ともに真相もさることながら、こちらも「毒入り」の妙味ににやりとさせられます。
好みは分かれるかも知れませんが、僕は好きです。
そして、またしても待望の復刊『試行錯誤』
そして、またまた米澤穂信の好きなミステリに名前があがっていました。
これは積読山で順番待ちです。
このシリーズも装丁がいいんですよね。
すみません、盛り上がってしまって長々と書いてしまいました。
でも、とりあえずは東京創元社の新訳版『皇帝のかぎ煙草入れ』はどうでしょうか。
あと、ハードボイルドとミステリがお好きなら、唐突ですがギャビン・ライアル『深夜プラス1』とウィリアム・アイリッシュ『幻の女』もご一緒に。
雰囲気がありつつミステリのドキドキ感が味わえる傑作だと思います。2013/05/15
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最近のミステリは装丁買いさせるわ~^^というわけで、可愛い名探偵と助手コンビの絵と、「死の扉」っていうタイトルのギャップに惹かれて購入^^
今回の容疑者達は被害者を殺す動機がばっちりある上に、
動機以外にも自分に都合の悪いことを素人探偵にちょいと突かれる
↓
呆気なく白状
↓
こいつは犯人ではあり得ない!
この図式が牧師から不良少年まで、幅広いキャラ設定の容疑者全員に延々繰り返されます^^これは若干冗長だったかな~
途中で現れるミステリスキーのミステリ薀蓄や、凶器の持ち主の長広舌、やたら「耳」を多用する校長など脇枠のキャラがさらに面白いです。主役のキャロラスが影薄くなるようなキャラの濃さ。改めて考えたら、主人公…地味だな…。
キャラも地味なら探偵活動も地味に進めて、容疑者に話を聞けば聞くほど犯人候補が消えていくという状況に追い詰められたキャロラスの真相解明の糸口は、何ということでしょう。「閃き」です。これは…論理的じゃないじゃないの…とざわめいた私の気持ちは置いておいて、その閃きをもとに犯人を推理していく過程は非常にロジカルです^^
証拠がないためにキャロラスが考えた捨て身の犯人あぶり出し手法も、二時間ドラマみたいでなかなか読み応えがあります(笑)。
地味な探偵活動、捜査過程で見えてきた新しい人物関係、犯人に命を狙われる探偵。そして最後はもちろん、「名探偵 皆を集めて さてと言い」。うーん、王道中の王道。これぞTHE・探偵小説。
キャロラスが示す真相の中身にゾッとしつつ、容疑者達が語った犯行当夜の各々の行動が綺麗に組み立てられていく作業は、読んでいて非常に心地良かったです。
小さな町で深夜発生した二重殺人。恐喝で有名な老婆が殺され、その死体を発見した巡回中の巡査が直後に殺されるというセンセーショナルな事件に立ち上がったのは、地元の学校の有名変人教師だった⁈
キャロラスは警察より早く犯人を指摘できるのか? そして、授業中に事件の話をせがむ生徒達の誘惑を断って、授業を進めることはできるのか? -
魅力的な登場人物たちのウィットに富んだ会話が愉しい。これぞ英国ミステリ。特にミステリマニアな某キャラクターには思わずニヤリとさせられる。伏線やミスリードの使い方も上手く謎解きとしてもなかなか見事。これを期に、もっとレオ・ブルース作品の翻訳を!!
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ところどころに挟まれる探偵小説の話や辛辣さを含んだユーモア。それ以外はとりたてて特徴のない普通のミステリという印象でした。多様な犯人が生み出されてきた今となっては犯人も意外性はなく、早い段階で察しはつくのではないかと思います。目を見張ったのは解決編のディーンの視点の転換。根拠の不足は認めつつ、想像で埋めることなくフェアに事件の真相にたどり着いた過程は説得力のあるものでした。
作品、作者への傾倒が窺える訳者の解説が秀逸です。作者のバックグラウンドを把握した後に本編を読むとまた興味の持ちどころが変わってきそうです。 -
図書館で。
公立高校の歴史先生が犯罪に挑む!のは良いんだけど… 助手の生徒が可愛くないな!実に(笑)
そして極悪人ではないけれども小悪人だったおばあさんがねぇ… なんか哀れ。
まあ最初からダンスに行った妻は変な反応だなぁとは思ったんだけど…。でも彼があそこまでしないと犯人があぶりだせなかったというのもちょっと、ちょっとな、と思いました。
下手したら死んでたかもしれないのに呑気な先生だなぁなんて思いながら読み終えました。 -
スマートな資産家で歴史教師のキャロラス・ディーンシリーズの第一作目とのこと。
主人公のキャラクターは品が良く嫌味もなく、強引さには少し欠けるかもしれないけれど強い意志を感じさせる好ましいキャラクター。
警察と近すぎず遠すぎずの関係なのも、探偵小説的に無理を感じさせない程度で良かったです。
二件の殺人事件解決に関する手がかりは全て開示されているので、読み直して確認するのも楽しいかも。
街の人間もそれほどどぎつい変人がおらず、全体的に地味だけど味わいのある世界でした。
解説も丁寧で読み応えがありました。 -
登場人物全員のキャラクターがたっていて、しかも描写がお茶目で素晴らしい。このキャロラス・ディーンシリーズを順番に読んでいきたいけど、翻訳されていない作品が多いみたいで残念。愛に溢れた訳者あとがきも好き。