ペナンブラ氏の24時間書店 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488226039

作品紹介・あらすじ

客もいないのに終日営業の、風変わりな書店の棚には、世界を揺るがす秘密への扉が隠れていた? 謎の組織が秘す五百年ものの暗号と、グーグル他の最新デジタル技術が「本」を介して交錯する。本好きならば見逃せない、冒険・友情・その他面白要素満載の、爽快エンタテインメント小説。全米図書館協会アレックス賞受賞作&全国大学ビブリオバトル2014チャンプ本!。

感想・レビュー・書評

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  • 24時間、いつ訪れても確実に開いている書店。なんて羨ましいと思いつつ読み始めたら驚きの展開だった。
    ライトで魔術的なファンタジー。

  • Webミステリーズ! : サイン本プレゼントあり!『ペナンブラ氏の24時間書店』ロビン・スローン先生からのメッセージ全文公開&スペシャルインタビュー!【プレゼントは終了しました】
    http://www.webmysteries.jp/translated/sloan1703.html

    ペナンブラ氏の24時間書店 - ロビン・スローン/島村浩子 訳|東京創元社
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488226039

  • ハラハラドキドキがいまいち苦手な私は、読み進むのが怖くて、最初の方はなかなか進まなかったけど、途中からだんだん、ペナンブラ氏とクレイの謎解きへかける情熱に肩入れしてきて、最後まで一気に読んでしまった。
    最初はクレイの実力がわからなくて、キャットたちグーグラーにあまりにも簡単に秘密を話しすぎるような気がしていたが、ペナンブラたちが何年もかかった暗号を解いた事で、一気にフェスティナ・レンテ社の秘密に近づく。
    キャットは不老不死への興味からペナンブラに協力するが、暗号解読は出来なかった。
    クレイは角度を変えてもう一度謎解きに挑む。ニールやマットら友人たちの力を借り、運を味方につけて、ついにゲリッツズーンの残した遺言を見つける。それは、キャットの期待とは違ったが、ペナンブラは満足だった。
    3Dで創始者の顔が浮かび上がるところはワクワクします(^^)
    若い人にはこれくらい人生を軽やかに楽しんでほしい、と思う。夢のある話でした。

  • おもしろかった〜。
    ファンタジーなんだけど現実に即していて地に足ついた推理小説……って感じ……? パソコンが大好きでファンタジーとか推理小説が大好きな人はゼッタイ楽しい。

  • 失業青年がアルバイト就職した秘密めいた書店。マイナーな書籍と謎めいた客たち。好奇心から関係性を調べ始めたその先に…。殺人するほどではないけど人生をかけて調べる人たちがいる謎を解くために本好きなパソコンマニアが団結して取り組む。静かな冒険活劇。パソコン知識が少ないと理解しにくい点もあるけどダビンチコードみたいで面白く読めた。
    あと書きから作者が関係する映画があることも知った。ぜひ見てみたい。

  • 24時間開いている本屋さんが舞台のお話で、本好きの方なら是非!と書いてあったので手に取った
    1冊。思っていたよりも本にフォーカスは当てられない。Googleに勤めるエンジニアなどが登場し、割と最先端な描写が多い。

    海外の本を翻訳したものであり、その独特の言い回しに翻弄され、よく理解が出来なかった。

  • ■感想■
    ・うーん、個人的にはおもろないです。なのでとても時間がかかりました。でもたぶん、好きになる人はとても好きになることでしょう。そういうカリスマ的な作品ではありました。
    ・表紙カバーイラストはスカイエマさんという人のようですが気に入りました。この人のイラストの本を読んでいくのもよさそうな気がします。

    ■内容■
    ・ミステリ、かしら?

    ■設定■
    【二十四時間書店】古本屋。入社試験は梯子にのぼること。果てが見えないほどの高さまで書棚が続いている。客はほとんど来ないが二十四時間営業。二軒の本屋が合体しているようなもので店の手前の方はそれなりにふつうの本屋だが、クレイ言うところの「奥地蔵書/ウエイバックリスト」はGoogle検索にもひっかからない特殊な本だけがありどうやら暗号で書かれているらしい。そこら辺の客は全員が白髪でひたむき。世界で十二ある同種の書店のひとつ。コルヴィナがパトロンなのだそうだ。《影と本のにおいならたっぷりある》p.93
    【クレイ・ジャノン】主人公の「ぼく」。元ウェブデザイナー、現二十四時間書店の店員。夜の部担当でおそらく零時から時から朝の八時までが勤務時間。
    【ペナンブラ】ファーストネームはエイジャックス。二十四時間書店の「管理人」。スタインベックやボルヘスやトールキンに興味があるらしい。午前の部担当。ペナンブラという語には「半陰影」という意味もある。
    【キャット・ポテンテ】天才ハッカー。Google社員のようだ。クレイにとって魅力的な女性でもある。《人生がこんなに短くて、どうして我慢できるの? ものすごく短いでしょ、クレイ》p.225
    【ニール・シャー】クレイのいちばん古い友だち。ミドルスクール当時はスクールカーストの底辺にいたがクレイのおかげで引き上げられた。いまは「アナトミクス」という会社を立ち上げかなりの金持ち。オッパイ・シミュレーション・ソフトウェアでは業界標準。
    【マット】マシュー・ミッテルブランド。クレイのルームメイト。棒みたいにやせている。寝起きする時間は予測がつけにくい。ILM(インダストリアル・ライト&マジック)で映画の小道具や特殊効果の仕事をしているデザイナー。コンピュータは使わない。集中力が凄い。一日あればなんでも身につけられる。
    【アンブロークン・スパイン】意味は「折れざりし背表紙」。二十四時間書店に関係のあるなんかの結社(協会)。見習い、未製本会員、製本会員のみっつのグレードがある。ミスラピンはその見習いメンバー。
    【コルヴィナ】フェスティナテレンテ社のCEO。ファーストネームはマーカス。エリックを寄越したらしい。どうやら世界に十二ある二十四時間書店のパトロンらしい。旧態依然の方法しか取りたくない頑固者。まあ、その気持ちはわからないでもない。コンピュータの力業で何世紀もかけて解けていない謎が一挙に解決してしまったら楽しくないよねえ。趣味でじわじわとやりたいってもんやね。
    【エドガー・デックル】ニューヨークにある本部読書室の管理をしている。ペナンブラの弟子でかつてサンフランシスコ店にいたのでクレイの先輩。
    【フェスティナ・レンテ】どうやら二十四時間書店のフロント企業のようだ。ゲリッツズーン書体のライセンス業務と海賊盤電子書籍を見つける仕事をしている。
    【グリフォ・ゲリッツズーン】一五〇〇年頃カッコいい書体を発明した。現在そのフォントは世界を席巻している。クレイによるとマックには必ず入っているそうですがぼくのマックには入っていません。
    【アルドゥス・マヌティウス】一五〇〇年頃印刷工房を営んでいた。グリフォ・ゲリッツズーンと組んだ。アンブロークン・スパインの創始者。不死者? 少なくとも「死んだとき」死体はなかった。『コデックス・ヴィータイ(人生の書)』を遺した。ラピンは奥地蔵書はすべてコデックス・ヴィータイだと言った。
    【モファット】クラーク・モファット。クレイの愛読書だった『ドラゴンソング年代記』の著者。アンブロークン・スパインの会員でペナンブラの二十四時間書店の客だった。
    【ドラゴンソング年代記】クラーク・モファット著。クレイが好きな本としてあげたシリーズ。ニールと親しくなるきっかけとなった。
    【Google】基本、天才しかいない? 社員のことをグーグラーと呼ぶ。クレイは彼らにちょっと嫉妬心を抱いている。《この会社にはビジネスモデルってものがあんまりないんだよね》《必要ないんだ。広告でものすごく稼げるから》《でも、それっていいことよ。おかげで自由に仕事ができるもの。》p.124
    【不死】なにをもって不死とするか?

    【一行目】
     薄暗い書棚の前で迷子になり、ぼくはもう少しで梯子から落ちそうになる。

    ■メモ■

    【RPN】逆ポーランド記法。ちょっとだけForthをいじったときに使った記憶があります。フェドロフいわく《イイデスカ、RPNはこのテの仕事に便利デス》。
    【アシュリー・アダムズ】クレイのルームメイトのひとり。毎朝六時四十五分きっかりに起きる。アンドロイドのように美しい女性。広告代理店の取引先担当責任者。クレイたちの暮らすアパートメントハウスの所有者。ボルダリング好き。
    【アル=アズマリ】ペナンブラの前の二十四時間書店の管理者。ペナンブラの指導者(メンター)でもあった。
    【イゴール】ニールの会社の社員で天才の中の天才。ベラルーシ出身。
    【意思】《どちらかというと意思の問題だな》p.56
    【海豚と錨亭】ニューヨークにあるペナンブラの行きつけの店らしい。愛書家のためのバーっぽい。
    【インバート】客。会員番号は6MXH21。『PROKHORV』を借りていった。
    【エリック】謎の客。コルヴィナの命で来たらしい。ダグラス・アダムズないしはSF全般を目の敵にしているようだ。『ERDOS』という美しい本を持ってきた。
    【オリヴァー・グローン】二十四時間書店の午後担当者。静かなる男。がっちりとでかい。カルフォルニア大学バークレー校で考古学を専攻する大学院生。《すごく近いうちに、彼はとても重みのある学位を取ってえらくなり、ぼくを置いていく。実世界に居場所を見つける。なぜなら、彼には得意なことがあるから》p.36
    【グランブル】ハッカー。
    【グランブル・ギア3000】厚紙でてきたブックスキャナ。デジカメを二台使う。
    【最大幸福の想像】マキシマム・ハッピー・イマジネーション。悪いことはすべて解決されるとして、いい未来を想像する。キャットいわく、だいたい千年くらい想像するのが限界。
    【ティンブル】客。会員番号は6WNJHY。『KINGSLAKE』を借りていった。ティンダル→ラピン→インバートというふうに順に同じ本を借りていく。
    【読書室】ニューヨーク本部の地下にある巨大な施設。カタコンペに似ている。
    【長続き】《でもさ、何ごとも長くは続かないよね。》p.168
    【日誌】店員はその日あったことを日誌になるべく細かく記述しなければならない。主には奥地蔵書の客の様子を。
    【ノースブリッジ】ニューヨークにある、ニールの知人アンドレイが所有する超おしゃれホテル。ネット系は超強力。
    【バーティー】クレイはキャットの協力を得て二十四時間書店で働きつつリモートでパーティーに参加する。
    【フェドロフ】客。会員番号は6KZVCY。『CLOVTIER』を返却し『Murao』を借りた。ヒューレットパッカードでHP-28を開発したとか。個人的に最も愛したパソコンはHP-200LXだった(今でも物体としては持ってます)のでこの社名はちょっと特別なものです。
    【ブックスキャナ】Googleにあった。《この機械は本を愛してる》p.126
    【本】《本と読者の関係はプライベートなものだ》p.57
    【ユニ総】ユニバーサル総合長期保管会社。過去の遺物を信じられないくらいたくさん保管している。
    【ラピン】客。ローズマリー・ラピン。女性。会員番号は6YTP5T。『BVRNES』を返却し『PRZYBYLOWICZ』を借りていった。上り坂でも速度を落とさず歩ける。
    【Ruby】日本人が開発したコンピュータ言語。ぼくはブログラムしたことはないけどことがないけどクレイによるととても使いやすいらしいです。試行錯誤するのに向いてそう?
    【ローグ】ファンタジーRPGなどでよく出てくる盗賊。その場合職種やスキルに近い。みんながローグになった。

  • 本屋に行くと下痢にならない?

    魔法をかけられたようにワクワクし、棚を巡り何時間でも迷って、ふむふむと先へ読み進めようとすると、途端におなかがグルル〜。

    彷徨える本の精霊が「買え!」って怒っているかのよう……。

    この物語は、仕事をクビになった主人公が勤めた怪しげな24時間書店で、奇妙な本と客たちの謎を解こうと、周りの人達を巻き込んでいく様子が描かれている。
    「古い時代の知恵」と「新しい知恵」の競演を、某巨大企業までも巻き込んでしまうスケールの大きな展開で、中盤はおおいに盛り上がる。

    じゃあなぜ星三つかって?
    うーん…オチが常識的って思ってしまった。
    ……多分最近過激なSFの読みすぎかな〜

  • アメリカの中2病、という感じか。
    古書店が舞台と聞くと、どうしても“紙とインクの匂いがする薄暗く埃っぽい空間”を感じられ、ハイテク機器などお呼びでない展開を期待してしまいがちなので、書名からの予想に反してハイテク寄りの展開に少しがっかりした。

  • ゲームで使っていた中2的な名前をバラされたくないというのは万国共通のネタなんだなと妙な感動があった。
    作中の人物や物や場所など、実在するものとしないものがあり、嘘の紛れ込ませ方が秀逸といえる。いつの日か、創英角ポップ体に隠された暗号も解かれる日が来るのかもしれない。解きたくはない。

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