そして医師も死す (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488240103

作品紹介・あらすじ

共同経営者ハクストンの死は、他殺だった。若き医師アランは、名士の仮面に隠さたハクストンの秘密に近づくうちに第一容疑者と目され……英国本格派ディヴァイン初期の意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 本格ミステリと聞き期待してが、主人公のアランを含め登場人物が魅力的ではなく、言動に共感も湧かなかった。時代がかってカビ臭い作品だった。

  • 事故とされたヘンダーソン医師の死は殺人だったのではないか?
    診療所の共同経営者である僕「アラン」がその疑惑に巻き込まれていく本格ミステリ。

    狭いコミニュティ内で交わされる複雑で煩雑な人間関係の描写が巧みで、そこに上手く手掛かりが隠されています。
    緊迫した人間ドラマと論理的な推理を楽しめる見事な構成です。

    登場人物たちみんなストーリーの都合で動く違和感がありません。どの人物にもこういう人いるなぁ、こういう気持ちわかるなぁ、という親近感があり、それぞれの性格に沿った行動の結果、こういった事件が起こり、そして終わったのだという自然なストーリーの流れが素晴らしいと思います。

    作中ではそれぞれがそれぞれの人物を評しており、さがない噂が流れたりしているのですが、こうした言葉に惑わされるのは実生活でもよくあることで、身につまされる思いがしました。
    きちんと手掛かりが示されているにも関わらず、人物の印象だけで怪しいなどと感じてしまい、作者の思う壺だったかと思います。

    探偵や助手役といった形式がなく、警察がきちんと仕事をしているが故に、キャラクターで容疑者を絞り込むことが難しいのも上手いところ。語り手のアランでさえ疑わしく、作者の描写力に翻弄されっぱなしです。

    「英国本格推理小説」という文句がとても似合う良質な1冊。派手なトリックも吃驚仰天な展開もないのですが、「論理の穴」には結構驚かされましたし、味のある雰囲気があって素敵です。

    読みやすく、難解でもなければ単純でもないバランスの良い推理小説。とても楽しく読みました。

  • すべての手がかりを最初にていじしておいてから、その後の人間関係の描写で引っ掻き回す。
    ディヴァイン上手いなぁと思うものの、主人公がなぜそこまでモテるのかが今ひとつしっくり来ず。
    周囲がクセの強い人物ばかりだから個性のない主人公がよく見えるのか?
    そして事件よりも周囲の手のひら返しに嫌な気分になったのだった。

  • なんだか主人公をはじめとした登場人物に共感できなくて、ただ読んだだけみたいな感じです。

  • 最初からアランのふらふらした態度にムカつきっぱなしだった で、結局そっち行くのか もう、勝手にしてくれって感じ 
    共感できる登場人物も一人もいなかった
    「三本の緑の小瓶」「災厄の紳士」が良かっただけに残念だ
     

  • お楽しみに一つずつ読んでるディヴァイン。「本格力」でも取り上げられてて、そうそう、と思い出して読むことに。

    やっぱり読みやすく面白い。本格ものにしては理屈っぽすぎないし、陰惨でもない。これで登場人物がもっと魅力的だったら言うことないんだけどなあ。

  • 作品として上手くまとまっている感じ。
    ただし、ミステリとしては平凡かな?
    恋愛や金銭トラブルなど、人間ドラマがメイン。

  • 古典的な作品。
    トリックなどはロジカルではあるが、ほとんどの部分は医師とその恋人と未亡人の三角関係に費やされる。肝心のトリックはボヤかされてしまっている。描写が上手いので読まされているが、全体的にはボンヤリとしている。もう少しロジカルさを前面に押し出した作品にして欲しかった。

  • ちょっと期待が大きすぎたか。今に残っていない古典が幻の傑作であることはやはり稀なのだなと。テンポ・展開・意外性、どれも現代ミステリに比べると一つも二つも落ちると言わざるを得ない。4.5

  • 面白いけれどなかなか手に入らないディヴァイン作品。これもなかなか面白かった。

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