牛乳配達退場 (創元推理文庫 M マ 4-26)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488246266

感想・レビュー・書評

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  • シャンディ教授のシリーズ10作目。
    読むの、何度目かな。
    バラクラヴァ農業大学の教授達が濃い!
    もう、面白くって…!

    隣家の教授jジム・フェルドスターが、行方不明に。
    酪農管理の大家で、牛乳配達というのは、好物のクリームを小さなバケツで毎日持ち帰ることからついたあだ名でした。
    若い頃は美貌だったことを誇る妻ミレールはうるさ型で、教授がいくつもの友愛会に所属して、家を空けるのはもっともだと皆に思われていたのですが。
    近所の人も家に入れようとしなかったミレールですが、じつは高価で繊細な陶器でいっぱいだったことが初めてわかります。

    おそるべき学長の命令で、事件の捜査を始めるシャンディ。
    おりしも、シャンディ教授の家には、妻の友人で作家の女性カトリオーナが滞在していました。
    かなり方向音痴の彼女が帰途につき、車を運転して誰も来ないような山道に迷い込んだところ、斜面で横転している車を発見!その中には?
    牛乳配達の意外な家庭の事情がだんだんと明らかに。

    じつは事件ばかりの農業大学ですが、広々とした校内は学長の理想に貫かれ、研究成果による裕福さもあって、ある意味楽園のようでもあります。
    キャラが立っていて、舌鋒鋭いトークも愉快なシリーズですが、登場人物が増えてきて、みんなが喋りまくっている印象。
    オールスターキャスト的なのは、これがシリーズ最後になるという予感があったからでしょうか。

    結婚10年のシャンディ教授夫妻はいまだにラブラブ。
    どこにでも猫がいて、しかも当然のように大事にされているのが楽しい。

    ブログを始める前に読み終わっているので、あまり感想を書いてありません。
    ぼちぼち読み直してご紹介しようかと。

    作者は1922年カナダ生まれ、アメリカ育ち。
    図書館勤務の後、コピーライターに。
    1964年作家デビュー、1978年以降ミステリを主に書き続ける。
    アリサ・クレイグ名義もある。
    2005年82歳で死去。

  • シャーロット・マクラウドのシャンディ教授シリーズ第10弾。
    残念ながら、原題の“EXIT THE MILKMAN”の“退場”ではないが、1996年に出されたこの作品が、シリーズ最後となっている。
    すっかりお馴染みのパラクラヴァ農大が誇る酪農管理の泰斗たる教授のジムは、毎日バケツに入れた好物のクリームを持ち帰る習慣から“牛乳配達”とあだ名される変わり者だったが、ある日、忽然と姿を消してしまい…。
    またまたおそるべき学長の命を受けた、シャンディ教授が探索に駆り出されるが、今回はワールド級の方向音痴な友人のミステリ作家カトリオーナが大活躍。
    後半は、更なる意外な展開で、極悪な犯罪が露呈するまでのミステリーとしてのプロットも読みどころなのだが、そこはあくまで、個性的かつ温厚な面々の雰囲気とユーモラスな描写がまさって楽しいよみものと仕上がっている。
    登場するミステリー作家カトリオーナは作者の一面を見せていてくれるのだろうか…とマクラウドに思いをはせてしまうが、彼女自身も中年以降の作家として活躍している。
    ここでの、愛情とそれぞれの情熱と喜びを抱いている魅力的な登場人物たちが中高年層であり、農大と生活の場であるパラクラヴァの知的で落ち着いた雰囲気など、成熟したユーモア・ミステリーの傑出したシリーズ。いいですねぇ…。

  • 毎日小さなバケツで好物のクリームを自宅に持ち帰ることを習慣にしているジム・フェルドスター教授は、近所の子どもたちに「牛乳配達」と呼ばれています。フェルドスター教授は、バラクラヴァ農業大学の誇る酪農管理の基礎の専門家であり、バラクラヴァ郡の熱心な友愛会支部の誰よりも、秘密の握手や難解な合言葉に通じている人物。ピーター・シャンディ教授のクレッセント通りのレンガ造りの小さな家のお隣さんでもあるのですが、好人物のジムはともかく、彼の妻であるミレール・フェルドスターに格好の攻撃目標にされているシャンディ夫妻。度重なるミレールの意地の悪い行動に頭を悩ませていたのですが・・・。ある日、突然フェルドスター教授が友愛会支部の会合にでかけたきり、姿を消してしまいます。ヘレンの親友・カトリオーナ・マクボーグルは、前作「水のなかの何か」の舞台にもなったメイン州在住のミステリ作家。たびたび車でシャンディ家を訪れているようですが、ひどい方向音痴で、今回もシャンディ家からの帰り道さんざん道に迷ったあげく、とんでもない拾い物をしてしまいます。作者の分身ともいえるミステリ作家カトリオーナも大活躍します。

  • ああ、シリーズの最後の本か……と寂しい気持ちになる。もっともっと読みたい。
    いつまでも賑やかでありますように。

  • シャンディ教授シリーズ第十弾。

    シリーズ最後の舞台は大学。
    酪農管理の教授が行方不明になり、その妻が殺される。
    ヘレンの長年の友人のミステリー作家(解説によると著者の分身)も活躍して、謎を解いていく。

    牛乳配達、と呼ばれていた教授が、自分が逃げだした一族の長を引き受けて豹変したが、
    その豹変ぶりが不思議と自然で、話の流れが壊れない。

    最後に学生たちが活躍して火事を消し止め、学部長が炊き出しをしてバラクラヴァ大学らしいラスト。
    いつまでも楽しい大学であってほしい。
    署長が壊れてしまったパトカーの代わりに、新しいパトカーを買ってもらえただけが心配。

  • 20年くらいぶりに読んだ、シャンディ教授シリーズ。食べることを大切に、地に足のついた生活をしてる感じ(殺人が起きてるのに!?)が好きだったなぁ。コーヒーとクッキーを用意してゆっくり読みたい。

  • タイトルにつられただけ。ハラハラドキドキさせないタイプの登場人物ALL高齢ミステリ。

  • このシャンディ教授シリーズのなかでも、特におもしろく感じられたのはなぜだろう〜。

  • シャンディ教授シリーズ10

    シャーロットさんは2005年に亡くなられたとか(つд`)

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