- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488247058
感想・レビュー・書評
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私にミステリーの扉を開いてくれたマーガレット・ミラーの93年のサスペンス。数々の名作に触れてきたけど、これなに?のけぞってしまった。ストーリーそのものより、30年弱の時代の流れや人権と言うものを感じてしまった。
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うーむ…これこそ、現代の視点からは評価が難しい。
この題材をこんなふうに扱うことは、いや、この題材がこんな=物語開始時のような扱いを受けていることは、現代ではけして許容されないからだ。ただちに関係機関が動き出すべきで、そうなることなく淡々と話が進んでいく時点で、本書は「2020年的にありえない」物語となるのだ。
2020/1/28読了 -
第一章のエンディング。
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「あたしはクリーオウ」クリーオウは声に出して言った。「あたしには権利がある」
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第一章と第三章のエンディングの台詞が彼女の印象を決定づけるよう。(第三章のエンディングは小説のエンディングでもあるので引用はやめとこ)
知的情緒的発達障害がある22歳の「少女」クリーオウが行方不明になり捜索を依頼された探偵アラゴンは、富裕家庭の発達障害児を預かる学校を調査するうち、同性愛者のロジャーにたどり着く。
1982年の出版を考えるとここまで書いたのはすごいなと思ってしまって解説をめくると、ミラーの代表作『殺す風』『ミランダ殺し』『心憑かれて』の話ばっかで本書については全く触れられていないじゃんっ。
登場人物の抱えているものの重さと、アラゴンや学校の校長ホルブルック夫人の人間的魅力と、会話に現れるユーモアのセンスが不思議な調性を生み出している。 -
トム・アラゴンシリーズの三作目。ねじの外れた登場人物たちとアラゴンの掛け合いが愉快。