ゴミと罰 (創元推理文庫 (275‐1)) (創元推理文庫 275-1)
- 東京創元社 (1991年8月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488275013
感想・レビュー・書評
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とあるアメリカのそれなりの生活をしている住宅街で、家政婦が殺された。そこの主婦のジェーン、と家政婦が殺された家の主婦シェリイが犯人をつきとめる。主婦ジェーンの日常と主婦たちの日常の描写が興味深い。ジェーンの子供小中高生はひとりずつ、グループの主婦と順番に送り迎え。シェリイの家では頻繁に料理を持ち寄り日中主婦パーディを開く。それぞれ家政婦をやとって家の掃除を頼んでいる。などの描写が細々と描かれる。1989年発表の作品。このころだとまだ専業主婦が主流だったのか?
殺人事件そのものの背景はほとんど描かれない。主婦たちの日常を描き込み、そこに彼女らの生活のきしみが浮かび出る。でもなにかお気楽。
早川ミステリハンドブック2015では「どこかユーモアがある,楽しい殺人、のミステリ」でリストアップ。
「アガサ賞最優秀処女長編賞受賞」
原題:GRIME AND PUNISHMENT
GRIME:(皮膚などにこびりついた)よごれ、ほこり、あか
PUNISHMENT:処罰、刑罰、懲罰、折檻(せつかん)、虐待、酷使
ジル・チャーチル:1943生まれ。カンザス州在住。
主婦探偵ジェーンでシリーズ化していて、「ゴミと罰」「毛糸よさらば」「クラスの動物園」など文学作品をもじった題名の作品が16作あった。
1989発表 アメリカ
1991.8.23初版 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジル・チャーチルの第1作を改めて読んでみました。
主人公は主婦のジェーン。隣家でPTAの持ち寄りパーティが予定されていた日、掃除婦が中で殺されていた…!
容疑者は次々に料理を届けに来たご近所の主婦達。
夫を亡くして半年、3人の子育てに追われ、やっかいな姑をやり過ごし、送り迎えやボランティアに必死だったジェーンだが、わが家を守るために立ち上がる!?
ヒロインは明るくお喋りでさばさばして、ミステリの愛読者というだけで特に能力はない、むしろ家事は苦手なぐらいの主婦。
半年前に夫が交通事故死した日、じつは夫は自分を捨てて出ていった後だった…
平凡な主婦に起こる一大転機の話だったんですねー。
ハンサムな刑事との出会いもあり、ケンカするほど仲が良いというほのめかしも。
トリックや構成はそれなりに練られているし、ミステリファンにおススメ出来る作品。 -
読書会の課題図書として再読。
ジェーンとシェリイ、ジェーンと子供達の楽しいやり取りの中にこっそり伏線が張ってある。
笑って読み飛ばすと気がつかないけれど、謎解きの段階になってはっ!とする。
よく出来ている。
まだこの頃はコージーなんて言葉じゃなくて、ドメスティック・ミステリなんて紹介されているのね。
個人的に。
自分がアメリカでホームステイした頃が丁度この作品が書かれたのと同じで、しかもメインの空港からややある田舎町が舞台ってところまでよく似ている。
なので読んでいてとてもとても懐かしい。
ご近所様とのあれこれや、子供の学校への送り迎えなんかもあるある!だった。
思えばこの作品が私をコージー好きーにさせたのだった。
とても思い入れのある1作だ。
読書会までにはもう何回か読み返すと思う。 -
ジェーンシリーズの第1作です。
夫を亡くした3人の子供の母親ジェーンが、親友のシェリーが巻き込まれた事件に挑みます。
実をいうと1作目は犯人は知りたかったけれど、そこまではまったわけじゃなかったです。次のも読みたいと思いましたけど。
あちらと日本との生活様式の違いとそこで生まれてくる考えの違いを感じて面白かったです。犯人も知りたかったけれど、ジェーンの中の「抱えている痛み」のくだりが、一番引き込まれました。ジェーンはユニークで魅力的だと思います。母であり、女である彼女がいろんな出来事でどんな「思い」をみつけていくのか興味深くなって、次のを読みたくなりました。 -
主婦探偵ジェーンシリーズ。(TBSの2時間サスペンス「ご近所探偵五月野さつき」でドラマ化)
1990年以降から使われだしたドメスティックミステリーというジャンルになります。
90年代はこのジャンルがたくさん出始めた時代で、この本はアガサ賞最優秀処女長編賞を受賞しています。
アメリカの小さな町のいっぽんの通りが目に見えてくるほど構成はわかりやすく、適度に謎を散りばめつつ、殆どは日常生活を描くスタイルです。
浅羽さんの訳がとてもよくあまり「ん?」とならずテンポよく読めたのが1番の印象。
主人公のご近所であらゆる事件は起こります。何件向こうとかお向かいさんとか本当にこのストリート大丈夫?ってなる(笑)
コージーミステリーの良いところがこれでもかと出ていてこの本をきっかけに本格・古典的ミステリじゃなくてもミステリー小説って面白い!と思いコージーミステリーを漁るように何十冊も読みました。(このシリーズは本格ミステリとコージーの間くらいのミステリー)
タイトルが有名作品をシャレているのと、ジェーンとシェリーの変わらない友情もひとつの読みどころです。 -
面白かった!
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30年くらい前の本だが、全く古さを感じず、面白く読めた。登場人物が個性的で、ユーモアたっぷり笑えるところあり、謎解きの面白さありで一気読みしてしまった。シリーズものらしいので、全部読んでみたい。
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あとでブログに書く予定。
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久しぶりの海外ミステリーになるかな?
いかにも「翻訳文」で話に乗りきれないと何度か感じちゃったのが惜しかった。☆3つ、期待値が高かったのでやや辛めかも。