聖と俗と (創元推理文庫 M ケ 1-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488282028

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  • デッカー刑事第二弾。

    前作の事件で知り合ったユダヤ人の恋人リナの息子たちとキャンプ中に、
    焼死体を発見するデッカー。
    歯列矯正を受け中流以上の家庭に育った少女と、
    虫歯の治療さえなおざりの女性の共通点はなにか。
    事件に絡む写真家の妻が焼死したことと関係があるのか。

    デッカーはユダヤ教の勉強を続けているが、
    不条理さと直面するの刑事の仕事との折り合いに悩む。
    一方リナの方も、信仰と感情の葛藤に苦しみ、
    亡き夫の家族のいるニューヨークへ。

    ただでさえ宗教の違いが障害となっている二人が
    遠距離恋愛になってしまって、どうなる。

  • ピーター・デッカー&リナ・ラザラス・シリーズ第2作。

    リナとの出会いよって自分の出自について真剣に考え始めたピーター。だが、陰惨な事件を捜査するうちに、リナとの関係やユダヤ教を学ぶ意義についての悩みが深まり……。

    第1作で魅力的な大人の男性として登場したピーターの、意外なほど人間くさい複雑な心模様が丹念に描かれている。私のお気に入りは、ピーターの同僚刑事のマージ。どんなときにも冷静さを失わず、ウイットに富んだ受け答えをしてまわりを和ませてくれるすてきな女性だ。

  • 本作は狂えるアメリカの裏事情を浮き彫りにしている。ポルノ映画、殺人、スナッフ映画、裏側に潜む各界の大物。デッカーがリナの息子たち2人を休暇に連れていき、そこで少年たちが死体を発見しています。なんていう運の悪いことか!なんだかなぁ〜、なんでこうも頭の悪い人たちが存在するのだろうか?とアメリカを舞台にした本を読むと思ってしまう。この作品を絶妙な味付けをしているのが、デッカーとレナの大人的愛なんです。お互いに無理強いをしないで、環境もひっくるめて愛そうとする姿勢というか。ただこの2人には『宗教』という厚い壁があるのですが。デッカーも改宗しようと努力している姿勢は、なんだか涙モンですよ。愛する女性のために・・・。だけど無理があるんですよね〜。益々、このシリーズから目が離せなくなってしまった私です。

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