- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488282196
作品紹介・あらすじ
ピーター・デッカーの娘シンディは苦しんでいた。父の猛反対を押し切って警官になったものの、警部補を父にもちアイビーリーグ出身でエリート気どり、鼻っ柱が強いとなれば、上司や同僚には好かれるはずもない。そんなある日、シンディは部屋にある写真立ての位置が違っていることに気づいた。だれかが部屋に侵入した?だが、事はそれだけではすまなかった。シリーズに新展開。
感想・レビュー・書評
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リナ&ピーター・デッカーのシリーズも、12作目。
今回のヒロインは、デッカーの娘シンディで、清新な印象です。
デッカーと別れた妻との間の一人娘シンディ。
警官になりたいというシンディの意外な希望は、警部補である父のデッカーにとっては内心嬉しいものですが、おおいに心配でもあり最初は猛反対。
もともと、離れて暮らす最愛の娘が心配でしょうがないのに(笑)
シンディはいい大学を出た優秀な美人で、父親は別な署の名のある警部補。
エリートとして認められても良いはずだが、これがそう甘くはなく、現場では同僚の反発を招くことになる苦難の道となっています。
シンディの方も鼻っ柱が強いのだが、未熟さがもろ見えでこちらもハラハラ。
ある日、シンディは部屋に何者かが侵入した形跡に気づき‥?
新人警官の若い女性の、試練と成長を描きます。
前半の謎が華麗に解かれる後半は面白いですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デッカー警部補の第十二弾。
娘のシンディが警察官として
働きはじめる。
アイビーリーグ卒で、女性として魅力的で、
しかも父親が警部補ときては、
警察の中で上手くやっていきようがないが、
それに輪をかけて、彼女自身の、
老獪さと反対語としての「若さ」が問題を難しくしている。
そんな中、赤い高級車のカーハイジャック事件が続き、
事故か殺人事件か、そして不動産取引へと話が進む。
(下巻へ) -
ピーター・デッカー&リナ・ラザラス・シリーズ第12作。
警官として働き始めたピーターの娘シンディ。だが、同僚らによるいやがらせが続き、ついにはなぞの人物に付け狙われる。犯人はいったい誰?
厳しい男社会のなかで肩ひじ張らざるを得ないシンディの姿に共感を覚えたり、娘を心配するピーターに同情したりしながら読み進めた。 -
シリーズが長くなると、色々たいへんなんだよね。
でもって、リナが子育て中心の生活になって、デッカーだけの話みたいになっていたこのシリーズ。この作品でうまいこと、ベクトルを変えてきました。
うん、上手いよな。
ってことで、デッカーの娘シンディーが中心になってます。
美人で、学歴もあって、頭もきれる。なんで、警官の世界では生きにくいシンディー。
でも、頑固なところは、父親そっくりなのである。
ミステリーってより、一人の女性の自立の物語っぽいです。
まぁ、これによって、さらにこのシリーズの先が楽しみになったんだけどね。
あと、地味に、カルト教団にいた娘を養子に迎えたマージーの苦悩が、素朴というか、率直というか、そういう感じでよい。なんつーか、血がつながっていようが、いまいが、親子って愛情の上にある素直さが大事なんだと思います。 -
まず最初に思ったのは,自分の娘もこの4月から大学を卒業して働きだしています。しかも私と同じ職種です。娘と私は配属はぜんぜん違うし,ましてや娘の仕事や仕事仲間など全く知りません。そのほうがうまくいくと思っています。
しかし,娘は私が今までしてきたことを,参考にして仕事しているようです。どこもいっしょなのだろうが,相談はしてきません。きっとつまらない説教がいやなんだと思います。
そんなことを思い,自分と娘をダブらせなが読んだので,面白かったです。
娘にも薦めたいと思いました。
さて,前置きが長くなりましたが,この「新人警官の掟」どんな掟なのかと思いましたが,内容はあまり掟などという感じではなく,ただ新人でしかもエリート大学卒で,父親が警察の幹部で,上司や同僚にえらそうに意見を言うシンディが事件に巻き込まれ(自分から巻き込まれていった?),周りの人に助けられ成長していく話です。推理,サスペンスのだけでなく,親子愛がうまく表現されています。
最初は事件,場面,登場人物などの説明があるのですが,途中からぐんぐん引き込まれてしまい,シンディや父親のデッカーの細かな描写が興味深かったです。
人気シリーズの12弾だそうですが,それまでの話を知らない私でも十分楽しく読めました。
アメリカの人の生活,文化がよく書かれていて,その面も楽しめます。 -
「新人警官の掟(上下)」
デッカーの娘シンディは苦しんでいた。父の猛反対を押し切って警官になったものの、警部補を父に持ちアイビーリーグ出身でエリート気取り、鼻っ柱が強いとなれば、上司や同僚に好かれるはずもない。そんなある日、シンディは部屋にある写真立ての位置が違っていることに気づいた。一方、女性を背後から銃で脅して車を奪う事件が多発し、デッカーは犯人を追う。そして、デッカーはこの事件とシンディの関係性に気づき・・・。
(上)
「新人警官の掟」の主人公はロサンゼルス市警の警部補デッカーと彼の娘シンディです。しかし、表題の新人警官を指すのはシンディで、彼女は頭脳明晰で鼻っぱしが強く、美人。しかし、娘として父デッカーに全てを知られたくないと思っており、警官として恥ずかしい所を見られたくないとも思っている、まさに新人らしい新人です。
上巻では、シンディを中心に物語が進んでいくと言って良いと思います。デッカーも勿論登場しますが、この物語の中心を成す謎の連続車泥棒と過去の事件の2つを繋げ、捜査するのはシンディであり、その捜査にも彼女の警官の娘という自負が見られ、その結果様々な困難に巻き込まれ、更にデッカーとデッカーの部下であるオリヴァーと捜査方針や個人的感情が原因で衝突するなどまさにシンディ無くしては成り立たない状態です。
そんなシンディ目線での変化の激しい展開と彼女の抱える心情に注目です。
(下)
下巻では今まで追っていた事件に更なる展開が起きます。その展開はシンディが巻き込まれていく、又は自ら捜査していくことで、非常にスリリングなものとなっています。この「新人警官の掟」では全体的にシンディの娘としての父への抵抗や尊敬が描かれていますが、この下巻では特に刑事として父とどう接していったか(結果的に自ら1人で進む)が描かれています。
また、シンディが事件に繋がる1つ1つの疑問を解いていく展開には推理小説としての魅力が詰まっていますし、デッカーが父として犯人を追う姿には親としての娘への怒りが詰まっており、とても緊張感のあるものとなっています。そして一番の魅力と感じる部分はシンディの娘としての成長と刑事としての成長がしっかり描かれているところです。シンディ自身の性格や家族への特異な感情、そして刑事を父に持つということからなかなか周りに評価してもらえず、また自分自身も1人の女性として振舞えないという葛藤に苦しむ中、それでも1つ1つ物事を解決していく姿には彼女の強さを感じました。
更に、デッカーとオリバァーの関係性もシンディを巡って非常に熱くなっており(「そこまで熱くなるか、デッカー」と思いましたが、「そこそこの年齢差がある男と娘がくっ付きそうならそれは熱くなるか」と思い直しました)、「そこまで言うか」という台詞も飛び出します。そんな所はアメリカ小説らしいです。
しかし、魅力な所として挙げたシンディの成長ですが、個人的には彼女の刑事の成長よりも娘としての成長が印象的でした。なぜなら刑事としての鋭い視点からの行動というよりはどこかで父を頭の隅においている為か突発的な行動が多いように感じたからです(例えば序盤の嘘)。そして、彼女はそんな行動を起こしてから次に刑事としてどう動くかと考えて(最終的に事件や疑問を解決する)いたので、私にとっては彼女は娘として次に刑事として成長した気がします。
しかし、刑事として行動することよりも娘として行動する部分が多かったこそ、この事件は犯人が驚くほどの進展を見せたのかも知れないと思います(実際、「犯人はシンディを過大評価し、シンディは犯人を過小評価していた」という趣旨の台詞があります。この部分は全く関係ないシンディの行動と一連の事件が繋がった理由ではないかと思います)。
印象的な台詞は「私は守るという言葉が好きだ」です。この時から疑いの目をこの人物に持ちました。 -
お嬢さんらしい、気の入りよう…
わがまま -
前回いいところが少なかったデッカーの娘がこんなにいらいらさせられる馬鹿とは。それでも上巻最後のデッカーで気分は高揚する。