晴れた日は謎を追って がまくら市事件 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488400576

作品紹介・あらすじ

不可能犯罪ばかりが起こる街、蝦蟇倉(がまくら)市。この街に住む人々の日常は、いつも謎と不思議に彩られている。第一線で活躍する作家たちによる、不思議な街の道案内。

感想・レビュー・書評

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  • 冬晴れが続いたある日、ふと読みたくなって、ぎゅうぎゅうの本棚から引っ張りだした。
    いつだったか、伊坂さん目当てで購入したんだった。

    ・弓投げの崖を見てはいけない / 道尾秀介
    久々の道尾さんの作品だったけれど、やっぱりさすが…!物語の構成が秀逸、ラストはわたしの頭では処理しきれなかったので、グー〇ル先生の力をかりました。文句なしの★★★★★

    ・浜田青年ホントスカ / 伊坂幸太郎
    この本を買ってからだいぶ時間が経ってしまったから、別作品ですでに読了していた作品。でもたぶん、そこには道尾さんの作品の描写部分は載っていなかったと思う。伊坂さんの作品ではよく、登場人物がリンクしているけれど、こうして、ほかの作家さんの作品ともリンクしていると、なんというか、彼の人柄も伝わってきてほっこりする。これまた★★★★★

    ・不可能犯罪係自身の事件 / 大山誠一郎
    ちょっと無理やりすぎない??動機もなんとなく腑に落ちない…お金持ち特有の性格であるとか、博士の出で立ちや話し方がステレオタイプで、個人的には★☆☆☆☆

    ・大黒天 / 福田栄一
    初めての作家さん!短編の中にぎゅぎゅっと中身が詰まっていた印象で、サクサクと進む展開はとても面白かったです◎こういうふうに、面白い作品に出会えた時、アンソロジーの素晴らしさを感じます。★★★★☆

    ・Gカップ・フェイント / 伯方雪日
    登場人物の誰一人好きになることができず、格闘技にも疎い、台座のイメージがうまくできない、等々。
    こんなやりとりする親子っているのかな?登場人物の言葉遣いや文体も合わず、★☆☆☆☆

    皆さん仰っている通り、ダントツで伊坂さん、そして、道尾さんでした。
    続編も読もうかなと思ってチェックしてたけど、それはまた別の機会に…

  • 架空の都市蝦蟇倉市を元にした連作ミステリ。作家陣の顔ぶれが充実。もう半分あるらしく楽しみ。

    道尾さん、、、「いけない」にも収録。再読。不可能犯罪が連続する街のモチーフに相応しい不気味な短編。不幸な交通事故と復讐の物語。ラストの死者当てがある前代未聞の小説家だが、短編としての出来もよい。

    伊坂さん、、、人気作家。怪しいバイトの裏にあるのは?どんでん返しの作家としては道尾さんと並ぶ。ただ、フォークとチェンジアップぐらい落とし方が違いますね。

    大山さん、、、ロジック&トリックの大家。四阿での足跡のない死体と、マンション全体の密室。流石にスケールがデカくて楽しいが、ダメな人はダメだろうなぁ。

    福田さん、、、初めて読む作家。祖父の思い出の大黒天を取り戻すライトミステリ。読みやすいし、短編としての起承転結は抜群。

    伯方さん、、、初めて読む作家。格闘技に明るい方らしい。元プロレスラーの市長が開催するバーリトゥード大会の最中に、仏像の下敷きになって現れた死体。超バカミスなのだが、この短編集で正直一番好き。「なぜチャンピオンクラスの選手は高校生に一回戦で負けてしまったのか?」というホワイダニットが秀逸でした。

  • 5人の作家による、不可能犯罪ばかり起こる蝦蟇倉市での事件を描いたミステリ小説。伊坂幸太郎氏、道尾秀介氏目当てで借りたが、共通のテーマがあったおかげで他の作家さんとのリンクも楽しく、全編あっと言う間に面白く読めた。もちろんお勧めは「浜田青年ホントスカ」。伊坂節全開のおとぼけっぷりが愉快な作品。

  • 蝦蟇倉市で起こる不可解事件短編集。
    以前、読んだことあったはずなのに、詳細は覚えてなくて楽しめた。
    「弓投げの崖を見てはいけない」は、犯人を覚えててもドキドキした。最後轢かれたのは誰だったのか、どうなったのか、確か前の本で出てたから読みたい。
    「ホントスカ」も、設定がありえないのにありそうなところが面白い。
    「大黒天」あんなに順調に祖父の謎が解き明かされるのは、違和感だったけど、短編だから仕方ない。ストーリーも面白いのに、お姉さんの仕事にちょっとした裏があったの意外性がナイス。
    「Gカップ」は、はちゃめちゃな世界観。キャラが面白いからあり。
    真知博士の謎解きも、かなり無理があったけど、楽しめた。

  • がまくら市で起きる様々な事件を、それぞれの作家が書いた短編集。1つめを読んで、ラストで誰が?と思って、これは後の話で明かされるのかしらと読み続けたけど、最後までわからず。後書きのヒントをもとに答えはわかったけど、余計にモヤる結果になってしまった。面白かったのは大黒様の話かなあ。でも、その後お婆ちゃん元気になったのかしら。目当ての伊坂幸太郎作品は既読本に収録されてるやつだった。

  • アンソロジー作品「晴れた日は謎を追って がまくら市事件」読了。5名の小説家によるミステリー。不可能犯罪ばかりが起こる街を舞台に作品が作られる。作家により作品の雰囲気が異なり、本格推理物、探偵仕立て、格闘ミステリーなど様々。個人的に本格的な推理は疲れるので、また読みたい時に読むとして、福田栄一さん、伯方雪日さんが読みやすくて興味を持ちました。是非、一冊まるまる作品を読んでみたい。ついついシリーズ物などで、作家さんが偏りがちなので、たまにはこういうアンソロジーを読んで新しい作家さんを見つけよう♪

  • 「がまくら市」という架空の市で起こる数々の事件(「不可能犯罪」と呼ばれる)を、5人の作家が描いたアンソロジー。そしてそれは少しずつ繋がっている、というところが面白い。
    やはり、伊坂さんの章が特に面白かったな。最後までまんまと罠にはまってしまった。
    福田栄一さんの「大黒天」の物語の運びもよかったな。これもどんでん返しあり。
    大山誠一郎さんの「不可能犯罪係自身の事件」も展開がテンポ良く、引き込まれた。
    こういう物語の構成、好きです。

  • 「がまくら市」を舞台にしたミステリー連作。面白い町ですが、人死に過ぎなので住むには適さないな(笑)不意の「バスコダ・ガマ」に吹いてしまった。

  • 好みの問題もあるだろうけど後半は失速。
    ひとつのまちを舞台にした本のテーマが新しくていい。

  • 伊坂幸太郎目当てで読んだ本。5人の作家さんがとある町『蝦蟇倉』を舞台に描いたお話。一章が道尾秀介だったので読みやすく、そして道尾秀介らしいどんでん返しが楽しめた。
    二章目の伊坂幸太郎はさすが!物騒な話なので一気に雰囲気が明るくなるのは本当にさすが伊坂マジックとしかいいようがない。会話のやりとりも面白く、『本当っすか!』が『本当スカ』とだぶってにやっとした。
    三章目からは一気にまた暗いというか単調な雰囲気に。好みの問題だけど、やっぱり伊坂さんの作風が好きだなぁ。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

伊坂幸太郎の作品

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