太鼓叩きはなぜ笑う (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 3-8)
- 東京創元社 (2003年4月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488403089
感想・レビュー・書評
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探偵の話を聞いたバーテンが真相を喝破するというアームチェア・ディテクティブもの。アリバイ崩しがメインで、多少の突っ込みどころはあるものの(「新ファントム・レディ」とか)、トリックそのものはどれもさすがというレベル。ただ、おじさん向けのユーモアミステリでもあるので、風俗描写やユーモアセンスの風化が激しい。今の感覚で言えば、不快でしかない描写が、ユーモアのつもりで延々続く。さすがにきつい。昭和のおじさんはみんなこうだったから、しょーがないんだけども。
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3番館シリーズの初編。
大体どれも1972年前後の作品なので、今では死語となっている表現がたまーにあるが十分楽しめた。言われてみればそんな表現あったな、と思える年齢の私なので、懐古主義的なのかも。若い世代の人には古すぎるのかもね。 -
殺人犯にさせられそうな人の弁護士が探偵に調べさせるんだけど、結局推理するのはバーテン。という4本。
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私立探偵の足を使う捜査パートと微妙なへっぽこ具合とバーテンによる謎の解明という物語の構成のコテコテ感が良かった。クライマックスで犯人へビシっと証拠を叩きつける春の驟雨と竜王の不吉な旅と中華料理知識が楽しい新ファントム・レディが好き。
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三番館シリーズ。
やっぱり三番館シリーズ大好きです。
特に「竜王氏の不吉な旅」はラストが最高!!
全体的に文章も読みやすいしトリックも秀逸。
昭和感の滲む文章が、今読むとまた素敵なんですよね。
無性にバイオレットフィーズとギムレットを飲みたくなる作品です。 -
鮎川哲也氏の三番館シリーズ第1作。
私立探偵が事件を捜査し、行き詰ると三番館へ行きバーテンの知恵を借りて解決していく。
アリバイ崩しがほとんどで理論重視であるが、多様な作品があり楽しんで読むことが出来た。
時代背景や言い回しが分かりずらい。 -
4-
全体的にとても面白かったのだが、「白い手黒い手」だけ妙に唐突な展開で、会話文も噛み合っておらず、謎もいまいちな上、筋立も強引に感じられる。特に「竜王氏の不吉な旅」の切れ味鮮やかなラストの後に読むと、かなり物足りない。単純に発表順に並べたのだろうと思われるが、5編中の4番目にこれがあるのはあまり印象は良くない。
「よろめき」という言葉が頻出するが、三島由紀夫など読んだこともないので、それが流行語だったとは知らなんだ。今では当時の意味ではほとんど耳にしないが、「不倫」以降は死語か。 -
安楽椅子探偵物を大好きになったきっかけは<三番館>シリーズです。
派手さはないけど、いつ読み返しても「おかえり」ってマスターが言ってくれている気がする作品。