改訂・受験殺人事件 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 60
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488405151

感想・レビュー・書評

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  • 辻真先の作品は,正直,あまり肌に合わない。「改訂・受験殺人事件」も,あまり肌に合わなかった。
    サービス精神が旺盛なのは間違いないし,「その本の出版社社長が犯人」というプロットは面白い。架空の作者紹介などのページを作るという凝り具合は,泡坂妻夫の作品を彷彿させる遊びココロであり,辻真先のこういう部分は大好きである。
    しかし,文章がねぇ…。もともとがジュベナイル小説なので仕方がないといえば仕方ないのだが,幼稚すぎる。キャラクターも,さっぱり感情移入できない。スーパーとポテトという探偵役も,魅力的とは言い難いし,被害者の容疑者もそれほど個性がない。実行犯が老人というのもアレだが,黒幕が裏で実行犯を操るための道具が補聴器というのは…。この当たりはツッコミどころ満載のバカミスっぽい要素である。
    全体的に見ても,バカミスといえるかな。このプロットで,しっかりした文章で書かれていれば,それなりに好きな作品になったかも。設定は好みだけにおしい。
    評価は★2かな。

  • 新作が出るそうなので再読。
    青春三部作と言われる作品で、初読は朝日ソノラマ版。
    青春三部作はここまで。
    この三部作とか、仕掛けや構成にかなり驚かされていた記憶があるのですが、いずれも内容は殆ど覚えていなかったので、再読ではあっても楽しかったです。
    この作品では冒頭の謎が効果的で、意外な犯人だったりと、読者を驚かせ楽しませる為に良く練られていますね。
    やっぱりこの青春三部作が一番好きです。

  • 死体消失、見立て殺人、密室と盛り沢山です。予想を超えた仕掛けもあり驚かされました。
    ただ、「受験」と謳っているのにも関わらず、ほぼ「受験」とは関係のないものに仕上がっていますし、見立て殺人の扱いに不満を感じました。設定自体は凝っていますが、出来としては三部作の中で一番悪い感じがしました。

  •  可能キリコと牧薩次が通う高校で発生した、秀才の奇妙な事故。 高校の校歌に見立てられた連続殺人事件に、凸凹探偵コンビが挑戦する、シリーズ最終作。 この後も、二人を主人公にした作品はかなりの数出ているけれども、この三部作が一番印象深く感じる。 主人公達と同世代の頃に読んだからであろうか。 そのほかにも、朝日ソノラマの辻真先の作品は優れたものがたくさんある。

  • 「作中の名探偵が示した犯人とは別の人物が”真の犯人は私だ”と告白している」
    この三部作(仮題・中学、盗作・高校)は、物語が始まる前に作者が強烈な謎を提示している。
    これでも前二作に比べれば多少地味。
    この趣向も他の作者が書いたらびっくりするんだろうな。

    高校時代を舞台にした青春ミステリ……に見せかけて、人間性を排除する受験戦争を背景に、かなりブラックな事件になっている。
    事件の真相も、よく読めば読後感は悪い。
    でも、それを感じさせない展開はさすが。

    事件自体は、かなり魅力的で「ザ・本格ミステリ」という道具立て(見立て、密室、『長い墜落』等等)。
    ちょっと説明不足かな?という感じもあるけど、真相の魅力、意外な真犯人、どれもなかなか。

    だけど、最大の驚きは冒頭の謎に尽きる。
    十分に意外な真犯人であったのに、それが最後にひっくり返されて、二度驚かされる。
    何度か読み返したよ……。

  • 2004年10月3日読了

  • 「作者は、被害者です。作者は、犯人です。作者は、探偵です。この作品はそんな作品です。」

    辻真先氏が贈る超ミステリ第三弾!!

    スーパー・ポテトに幸あれ!!

  • 『假題・中學殺人事件』『盗作・高校殺人事件』に續く、「ポテト&スーパーシリーズ」第3作。<BR>
    <BR>
    前2作と同樣、今囘の犯人も意外な犯人である。<BR>
    タイトルに附けられてゐる「改訂」の文字はダテぢやない。<BR>
    <BR>
    2004年9月17日讀了

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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