古書収集十番勝負 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M き 2-3)
- 東京創元社 (2000年12月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488406042
作品紹介・あらすじ
徳永直『赤い恋以上』湯浅良幸『日本史阿波史年表』福永武彦『ある青春』鈴木正『狩野享吉の研究』川上澄生『ゑげれすいろは静物』『有朋堂対訳詳解漢文叢書』菊池寛『真珠夫人』川口松太郎『鶴八鶴次郎』夢野久作『白髪小僧』海野十三『十八時の音楽浴』-この十冊を巡って繰り広げられる、壮絶極まりない稀書収集合戦の行方は。
感想・レビュー・書評
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ビブリオが面白くて、古書にまつわるミステリーのさきがけと言うことで読んだ。ミステリーとしては少々残念。元の書名を知らなかったので、オチはこれなのかと呆れた。
登場人物も、マニアという点ではよく書けているかもしれないが、型にはまりすぎているように感じた。
ただ、この分野は本好きの自分にとっては魅力的だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神保町に店を構える村雲書店の跡を継ぐのは長女の婿か次女の婿か?
余命幾許もない主人が考えだした後継者選びの方法――それは十冊の稀書の収集合戦だった!
即売会盗難事件の犯人は、跋扈する幻の愛書家の正体は、そして戦いの果てに笑うのは誰なのか?
当代の碩学が描くビブリオ・ミステリ快作、『魔術的な急斜面』リニューアル版。
病で余命いくばくもない神保町の老舗古本屋の主が、後継者決定のために仰天計画を発表...
同居している長女の夫と、次女の夫で古書店主としての才能を自負する、いずれも店員である2人に同じ10点の本を集めさせ、期間内にどちらがより安く手に入れるかを競わせる。
どれも名だたる希書...
舞台となるのが日本中が浮かれ騒いでいたバブルの時代であるという事から少しミスマッチな点もあり面白いです。
・徳永直『赤い恋以上』
・湯浅良幸『日本史阿波史年表』
・福永武彦『ある青春』
・鈴木正『狩野享吉の研究』
・川上澄生『ゑげれすいろは静物』『有朋堂対訳詳解漢文叢書』
・菊池寛『真珠夫人』川口松太郎『鶴八鶴次郎』
・夢野久作『白髪小僧』・海野十三『十八時の音楽浴』
これらの十冊を巡って繰り広げられる、壮絶極まりない稀書収集合戦の行方は如何に...
少し物語りとしては不自然な所もあったかと思いますが、上記にも記したように本好きな人ならきっと気に入って頂ける作品なのではないのかなぁ~っと感じました。
個人的には「古本屋探偵の事件簿」の方がオススメではありますが、まだ紀田順一郎さんの作品を読んで見えない方は是非一度読んでみて下さいね~ -
博識家紀田順一郎が放つビブリオ・ミステリ、私が呼ぶ所の「神田神保町シリーズ」もこれで三冊目。
いつも卒業しようと思って読むのだが、なぜか愛着が湧き捨てられず、本棚の一角を占有することになってしまう。恐らくは文庫専門とは云え、本を収集する身である私と登場人物との間に一部共感できる部分があるからだと思う。
今回はミステリというよりも寧ろ題名から察せられるようにビブリオ・コン・ゲーム小説といった方が妥当だろう。最後に百貨店での古典市での出来事及びクライマックスの笠舞邸での競り勝負の真相が明かされるミステリ的な要素はあるが、主眼は後継者争いとしての古書収集にある。
但し、一冊一冊白熱した奪い合いが見られるわけではなく、大半はいつの間にか蜷川、倉島がそれぞれ手に入れているといった趣向で進められるため、その辺がこちらが期待していたよりも興味は半減した。
しかし作者は色々な趣向を凝らしてあるのも事実で、この中のエピソードには実際あった事件も含まれているのだろうと思われる。
物語としてはいささか地味だったけれども、久々このような現実感の濃い小説が読めて気持ちがよかった。 -
神保町の古書店・村雲書店の後継者をめぐって、古書10冊を集める勝負が行われるお話です。
古本街の描写や、古書集めに狂奔するマニアの様子は興味深かったですが、推理小説としてはかなり残念な作品でした。 -
一冊の古書を目の前にして、大の大人達が恥も外聞も無しに本気で取り乱す様子は必見!ビブリオミステリ初読了!
http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage211.htm -
図書館で。
出てくる人間がさもしい人間ばっかり…。本が好きというよりも本で金儲けするのが好きな人たちが出てくるお話でなんだか悲しくなりました。ハリポタの作者が名前を変えて出したミステリが誰が書いたかわかった途端物凄い高額になった話をなんとなく思い出しました。自分も本が好きだし古本が好きですが好事家ってなんか違うなと思いつつ読みました。本が可哀想な気がします、本当に。 -
古書店の跡継ぎ争いの為に、古書十点をどちらが先に集めるかという争いをテーマとして、それにまつわる古書店主、蔵書家が登場します。
古書にまつわる欲、憎悪、人間関係が面白く描かれていますが、愛書家的な登場人物はいませんでした。もう少し、テーマとして出された古書の内容に踏み込んだものになっていれば、さらに面白かったと思います。 -
終わりかたに納得できないなぁ。
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相変わらずこの手のジャンルにはおっさんしか出てこない。
中々ノレなかったが、洗足亭に及んでようやく熱くなった。