ボーナス・トラック (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.77
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本棚登録 : 908
感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488409111

作品紹介・あらすじ

草野哲也は、雨降る深夜の仕事からの帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。雨にさらされ、濡れた服のまま警察からの事情聴取を受けた草野は、風邪をひき熱まで出てきた。事故で死んだ青年の姿が見えるなんて、かなりの重症だ…。幽霊との凸凹コンビで、ひき逃げ犯を追う主人公の姿を、ユーモアたっぷりの筆致で描く、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞の著者デビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 房総グランオテルの次ですね。これがデビュー作なのか、最初から砕けた発想豊かさある、めちゃくちゃ面白いって事、これからどんどん読んで行くだろう自分。涼太と草野と奇妙な出会いから始まり、成仏する幽霊も出ている、車のドアを開けるが実際には残像だけが残るとかラーメンを美味そうに啜るとかアイデアが溢れてる、首コキコキが気付いてたのも面白いし、涼太が成仏するのも必然かな。デビュー作なのか言葉が多い気がするけど中身は越谷オサムさんですね。幽霊になっても人間関係出来上がるんだね、沖縄行くとかショウちゃんの家とか行かない所

  • かる~く読めるのに、楽しくて感動する内容だった。

    死んだら?
    幽霊が見えたら。
    今とは違う感じ方なんだろうなと思う。死んだら、客観的に見れるけど。知っている限り、生きているからこそ出来ることだらけ。

    だけど、もしボーナストラックがあるなら。先に死が訪れた方に来たらいいなぁと思う人が居る。挨拶だけでも出来たら良いなと思う。

    • nori-blueさん
      あなたらしい感想だね!
      なるほど、そうやって使う手があるな
      ただし、私のほうが先ですから
      あなたらしい感想だね!
      なるほど、そうやって使う手があるな
      ただし、私のほうが先ですから
      2013/12/28
    • 373akikoさん
      どっちが先かなんて分からないですよ♪
      どっちが先かなんて分からないですよ♪
      2014/01/05
  • 発売から長期間経過した旧作にテコ入れする際に用いられるボーナス・トラック。この本ではボーナス・トラックが、遊び心の愉悦とともに、忘れ難い記憶を聴き手の心に刻み込んだのだ。ハンバーガーショップの店員・草野が大雨の帰り道、轢き逃げ事件に遭遇する。轢死したのは大学生の亮太。亮太は幽霊となり、草野は亮太を認識でき、一緒に行動を共にすることになる。草野は亮太の明るい性格により仕事が好転する。亮太も自分を轢き殺した相手探しのため、草野に助けてもらう。人生では毎日、ボーナス・トラックを感じとれるように過ごしていたい。

  • 好きな作家のデビュー作。なかなかタイミングが合わなかったがようやく読めた。   
    デビュー作から人の心に染み入る良い話を書くなぁこれ。   
    あんまり多作じゃないのが残念ではあるが、一作一作がとても良い話。   
    『ボーナス・トラック』、良いタイトルだ。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    草野哲也は、雨降る深夜の仕事からの帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。雨にさらされ、濡れた服のまま警察からの事情聴取を受けた草野は、風邪をひき熱まで出てきた。事故で死んだ青年の姿が見えるなんて、かなりの重症だ…。幽霊との凸凹コンビで、ひき逃げ犯を追う主人公の姿を、ユーモアたっぷりの筆致で描く、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞の著者デビュー作。

    最後成仏できて良かった良かった・・・と言う前に20歳そこそこで死んでしまった亮平のご両親を思うと・・・成仏できて良かったね。とは終われなかったのが本音。しかも、親は見えないし・・・。

  • 軽快な文章が読みやすく、爽やかな読後感のある作品。軽く読める作品で、素直に感動もできる。話もうまくまとまっているものの、決してレーベルで判断して推理を期待して読んではいけないなぁと。
    系統的には「カラフル」的な感じで、確かにお涙ちょうだいな部分もあるものの、そこが面白かったりもする。人の心境の変化については、物語の流れが綺麗なので分かりやすい。
    惜しむらくは、綺麗に纏まりすぎていて、こじんまりした印象も受けるところか。もう少しこの作品ならではという、尖った部分もあってもいいのかなぁとは思ったり。

    キャラクターが好い人ばかりなので読んでいて気持ちいいし、前向きにもなれる一作。

  • 霊が出てくるお話なので、哀しさもあるけれど、ほっこりする優しいお話。

  • 会話がポンポン進むし、プロレスゲームしながらどうでも良い会話を描写してみたり、なんだろうね、日常?ていうかね。いやこれ読んでも読まなくても良いんじゃねって気がしてきたり、でも小難しいことばっか言われても読んでられんし、そういう意味じゃついーっと読めるわけですな。ストーリー云々というか、雰囲気を楽しんだ感じもしなくもない。
    でも個人的にはもうちっと深みがあると良かったなぁ。

  • 草野哲也
    多趣味で充実していたといえなくもない学生生活を送っていた。業界大手ハンバーガーチェーンに勤める。十月八日生まれの二十五歳。

    横井亮太
    埼玉の二流半の大学に通っていたが、六月九日午前二時二十分に車に跳ね飛ばされて死亡する。十九歳。武蔵学院大二年生。

    南浩人
    草野の勤め先にいる学生アルバイトの中でもっとも頼りになる男。一八四センチ九十七キロ。

    柳井
    草野より六つ年長の社員。中途採用でキャリアは三年足らずだが、前職がファミリーレストランでマネージメント能力が高い。

    店長
    草野が勤めるハンバーガー店の店長。四十手前。二十代のころはかなりの「トンパチ」で、女性客にしつこく絡むチンピラ二人を店から叩き出した代償に出世が大幅に遅れたという伝説を持つ。

    荒井
    アルバイトの一人。

    高橋
    アルバイトの一人。

    南愛子
    高校生のアルバイト。しょうちゃんと呼ばれている。南浩人の妹。

    野尻明日香
    高校生のアルバイト。首をコキコキ鳴らす。

    横井順子
    亮太の母親。

    カズヨ
    亮太の父の姉。

    横井亮一
    亮太の父親。

    絵里子
    亮太の従姉。

    ハタケヤマユウコ
    南浩人に見える幽霊。複合ショッピングセンターの駐車場にいる。

    藪本
    Sスタッフの一人。大学の二部に通っている。

    森田
    大学生の女子スタッフ。

  • 現実離れしている設定とはいえ、人間関係や職場等の描写にリアリティがあってうまく帳じりがとれていると感じた。
    幽霊が登場する物語でありながら極端に暗くなりすぎず、かえって不自然に明るくなりもしなかったため読みやすかった。
    野尻さんが良いキャラだったので、もう少し掘り下げて欲しかった。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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